「安全日と危険日を知って、性行為の時期を決めたい」「安全日だったら妊娠することはほぼないだろうから、避妊しなくても大丈夫」と考える人も多いのではないでしょうか。
月経周期によって、妊娠しやすい時期と妊娠しづらい時期があるのは事実です。
しかし、100%妊娠しないといえる時期は、存在しないことを知ってください。
今回は、安全日と危険日について詳しく解説するとともに、危険日を予測する方法や正しい避妊方法などを紹介します。
自分の身体を望まない妊娠から守るために、ぜひ参考にしてくださいね。
安全日は「性交渉をしても妊娠しづらい日」、危険日は「妊娠する可能性が高いと考えられている日」をさします。
安全日は「この時期であれば、100%妊娠しない」と誤解されがちです。
しかし、月経周期のどの時期でも、妊娠してもおかしくない点に注意しましょう。
安全日の性交渉で避妊しなかった場合、25%の確率で妊娠するといわれています。
妊娠を望まないなら、安全日でも避妊具の使用や低用量ピルの服用が必要です。
パートナーとしっかり話し合って、正しい知識をもとに性交渉をしましょう。
女性の身体には、約1ヶ月(28日〜30日)を1サイクルとして、女性ホルモンの影響を受けて変化する「生理周期」が存在します。
この生理周期によって、妊娠しやすさは異なるのです。
ここからは、月経周期のうちで安全日や危険日と呼ばれる時期について解説します。
望まない妊娠のリスクを下げるためにも、安全日と危険日について正しく理解しましょう。
月経期とは、生理が起こっている時期のことです。
妊娠が成立しなかった場合、子宮内膜が剥がれ落ちて、経血とともに体外に出ていきます。
子宮内膜の厚みを増して、妊娠に適した環境を作るための黄体ホルモンや、卵子を育てる卵胞ホルモンの分泌量が低下するため、月経周期のなかでは最も妊娠しづらい時期です。
月経期は、3日〜7日続くことが多いでしょう。
生理日直後を安全日と呼ぶ人もいますが、確率は低いものの、妊娠の可能性がなくなるわけではありません。
実際に、この時期に正しく避妊せずに性交渉の機会をもったことで、望まない妊娠をする人もいます。
卵胞期は、月経期が終了して、新しい卵子が身体のなかで育っている時期です。
女性の体のなかでは卵胞ホルモンの分泌量が増加し、子宮内膜が少しずつ厚くなって妊娠の準備を進めている時期で、13日〜14日続きます。
卵胞期の間はまだ排卵が起こっておらず、妊娠する確率が低いため、安全日と呼ばれがちです。
しかし、排卵が早く起きて妊娠する可能性は、誰にでも十分にあることを知っておきましょう。
排卵期には、成熟した卵子が卵胞から飛び出します。
そして性交渉によって女性の体内に入った精子が、排卵された卵子と受精し着床することで、妊娠が成立するのです。
排卵日には、以下に挙げる体調の変化を感じる人も。
- 腹痛や腰痛がある
- わずかな出血が起こる
- おりものが変化する
- 眠気が強い
- イライラする
排卵日の5日前〜3日後は特に妊娠しやすい時期で、危険日と呼ばれますよ。
黄体期は、排卵が起こった後に、妊娠に備えて子宮内膜が厚くなる時期です。
約14日続き、この期間に妊娠が成り立たなければ、そのまま生理が始まります。
黄体期に卵子が受精する力を失っていれば、妊娠につながる確率は低いものの、万が一受精していたら、着床に最も適した時期といえるでしょう。
つまり「排卵が終わったから、妊娠しないだろう」と考えるのは危険だということです。
妊娠を望んでいない場合、危険日を知っておくのは大切です。
危険日にあたる排卵予定日を知るためには、4つの方法があります。
ここからは、それぞれの方法について詳しくみていきましょう。
普段の生理周期から14日引き算すると、生理予定日から何日目に排卵が起こるかが計算できます。
これはオギノ式と呼ばれ、簡単に排卵日がわかるため、妊娠を希望する人から支持されている方法です。
一方で、生理周期が安定していない人にとっては排卵予定日の推測が難しく、ストレスや体調の変化による排卵日のズレまでは予想できない点はデメリットといえるでしょう。
婦人体温計を使って基礎体温を毎日測定していると、排卵日が予測しやすくなります、
排卵は、基礎体温の低温期から高温期に変わるタイミングで起こるのです。
排卵期が近くなると、がくんと基礎体温が低下することも。
基礎体温が下がる1日〜2日前後、または基礎体温が上昇する3日間で、排卵が起こることが多いとされています。
ただし、日ごろから生理周期が安定していないケースでは、グラフから排卵日が起こるタイミングを読み取るのが難しいのがデメリットです。
基礎体温の正しい測り方については、以下の記事を参考にしてください。
基礎体温の正しい測り方丨うまく測るコツや普通の体温計でもいいかなどの疑問も解説日ごろからおりものを観察している人は、排卵日におりものの変化に気づけるでしょう。
排卵日が近づくと、おりものが卵白のようなゼリー状に変化します。
指にとると10cm以上糸をひくくらいとろみがありますが、べたべたした感覚は少ないです。
おりものの量は排卵日に向けて多くなり、排卵日の1日~2日前にピークを迎えます。
排卵検査薬は、最も妊娠しやすい日の1日前がわかる検査薬です。
尿検査によって、排卵を引き起こす黄体形成ホルモンの濃度を検出し、排卵日を導き出きます。
生理予定日の17日前から、1日1回検査しましょう。
確かに危険日よりも妊娠確率は低いですが、安全日でも妊娠する可能性は十分にあります。
ここからは、安全日でも妊娠する可能性がある理由についてみていきましょう。
「安全日だから避妊しなくても大丈夫」と考えず、自分の身体を守ってくださいね。
排卵日予測はできても、確定は難しいです。
そのため「安全日だと思っていたら、実は違っていた」という事態も起こりえます。
排卵は、ホルモンバランスやストレス、疲労などでズレやすいもの。
普段は月経周期が安定している人でも、予測していた排卵日からズレることはあります。
安全日だと思っていた時に、実は排卵したという事態も起こりうるのです。
精子や卵子の寿命には個人差があり、性交渉のタイミングによっては妊娠する可能性があります。
精子の寿命は、平均で2日~3日といわれていますが、最長で7日生存したという報告も。
月経期直後に性交渉した場合、排卵期が1週間早まった際に精子が生き残っていた場合は、妊娠するかもしれません。
安全日でも正しく避妊をおこなわなければ、妊娠する可能性は十分あります。
ここからは正しい避妊方法をみていきましょう。
避妊に失敗した時の対処法も紹介します。
コンドームは、精子が子宮内に侵入するのを防ぐ避妊具です。
正しく使用すれば、避妊率は98%程度といわれています。
性器同士が直接触れるのを防ぐため、性感染症の予防にもつながりますよ。
射精直前にコンドームを着用したとしても、装着せずに挿入した時点で避妊確率は大きく下がることに注意しましょう。
低用量ピルとは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類の女性ホルモンが配合された薬のことです。
適切に服用すれば、99.7%の確率で避妊できるとされています。
また、生理痛やPMS(月経前症候群)にも効果があるのがメリット。
ピルを服用しているにもかかわらず妊娠してしまったケースの多くは、ピルの飲み忘れによるものです。
毎日忘れずに1錠飲み続けることで、高い避妊効果を維持できます。
子宮内避妊具・避妊リングは、子宮内に装着し、子宮内の環境を変化させる避妊具です。
精子の運動性や受精機能を妨げることで、妊娠を防ぎます。
避妊率は99.2%と高く、数年に渡って避妊効果が持続するのがメリットです。
子宮内黄体ホルモン放出システムは、子宮内で黄体ホルモンが持続的に放出される器具です。
- 子宮内膜の増殖を抑え、受精卵の着床を妨げる
- 子宮の入り口の粘液を変化させて、精子が腟内から子宮内へ侵入するのを妨げる
この2つの効果によって、妊娠の成立を防ぎます。
毎日服用が必要な低用量ピルに比べて、避妊にかかる手間が少なくなったり、低用量ピルを服用できない人でも使用できたりするのがメリットです。
月経困難症による生理痛や、過多月経の改善にも効果があります。
正しい避妊方法で性交渉しても、避妊に失敗する可能性はあります。
その際は、アフターピルを服用しましょう。
アフターピルには、排卵を遅らせたり抑えたり、受精卵が着床するのを阻止したりする作用があります。
性交渉の24時間以内の服用で、80%〜95%の避妊効果があるといわれていますよ。
72時間以内の服用が推奨されていますが、性交渉から時間が経つと避妊率は下がっていくため、できるだけ早く婦人科を受診し、アフターピルを処方してもらってくださいね。
安全日は妊娠しづらい日、危険日は最も妊娠しやすい日です
それぞれ、生理周期によって安全日と危険日が決まります。
危険日である排卵日は、さまざまな方法で予測可能ですが、ホルモンバランスの影響やストレスによって生理周期が乱れると、排卵日を正しく予測できない点に注意しましょう。
安全日でも「絶対に妊娠しない」とはいい切れないため、いつでも正しい避妊方法をおこなってから性交渉をしてくださいね。
- 安全日は「性交渉をしても妊娠しづらい日」、危険日は「妊娠の可能性が高いと考えられている日」をさす
- 安全日に避妊せずに性交渉をすると、25%の確率で妊娠する
- 生理周期のなかで、排卵日が最も妊娠しやすい危険日にあたる
- コンドームの使用や低用量ピルの服用などで、正しく避妊をおこなおう
- もし避妊に失敗した場合は、できるだけ早く婦人科を受診して、アフターピルを処方してもらって
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