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トイレットペーパーと同じように、生理用ナプキンを当たり前のサービスとして提供できることが施設の魅力アップに

株式会社さいたまアリーナ

トイレットペーパーと同じように、生理用ナプキンを当たり前のサービスとして提供できることが施設の魅力アップに

公開日:2025.2.14

埼玉県が誇る世界最大級のインテリジェントアリーナ施設、さいたまスーパーアリーナ。
30件近いテナントが入り隣接する「けやきひろば」と「さいたまスーパーアリーナ」に、合計34台のOiTrが設置されている。
施設課の主任であり、OiTr導入に熱い想いを注いでくださった福田雅也さんに、OiTr導入に動いたきっかけや経緯など、お話を伺いました。

先ずは、株式会社さいたまアリーナの会社概要を伺わせてください。

福田:私ども「株式会社さいたまアリーナ」は、埼玉県の県有施設である「さいたまスーパーアリーナ」と隣接する「けやきひろば」の運営・管理を行っています。
主な業務としては、イベントの誘致や自主イベントの企画・実施、けやきひろばやアリーナ内の飲食・サービス・物販店などのテナントのリーシングや管理も行っております。
他にも、さいたま新都心全体の賑わい創出と魅力アップというところで、エリアマネジメントを担う法人を近隣の企業様方と立ち上げて、さまざまな企画の検討・実行をしております。

中山:さいたま新都心にある商業施設は、どこか一体感があるのも、そういった取り組みのおかげなのかもしれないですね。

福田:そうですね、季節によってイルミネーションであったり、音楽イベントを開催したりと、様々な取り組みをエリアマネジメント会員の企業様と一緒に行っております。

中村:その法人はいつ頃立ち上げられたんですか?

福田:2021年からなので、まだまだこれから盛り上げていきたいところです。

中山:さいたま新都心駅の改札前にストリートピアノが設置されていましたが、あれもエリアマネジメントの一環で?

福田:はい、そうです。さいたまスーパーアリーナでアーティストコンサートがある時に、そのアーティストさんの曲を弾かれる方がいらっしゃって盛り上がっていたのですが、終演後にコンサートの余韻を持った方々が集まりすぎて通行が困難なほどになったりもして…
いまは混雑状況により、ピアノを閉めざるを得ない日もあります。

中山:それは残念…

OiTrを導入したきっかけについてお聞かせください。

福田:意外にシンプルで。日経MJに掲載されていたOiTrの記事を上司が見て、「アリーナ」と「けやきひろば」に設置を検討してみない?というところがきっかけでした。
そこから、私も世の中の女性が抱える「生理の問題」について知識を深めていったのですが、知れば知るほどOiTrというサービスが必要だと思い、導入のために動きはじめました。

中山:ちなみにその上司の方というのは女性?男性?

福田:男性なんです。男しかいないところで話が進んでいったので、女性の社員にも入ってもらって、議論をしながら進めていきました。
幸い否定的な方を説得するような形ではなかったので、導入しようという方向で話は進んでいきましたね。

中村:社内でOiTr設置のお話を進めるにあたって、苦労されたことはありましたか?

福田:意外となかったのですが、検討していく中で年上の社員の方は“生理”などの言葉を恥ずかしく感じるようなところもあって、会話をする場所は選びました(笑)。
そういった言葉に抵抗がある方と話をしていると、男兄弟だったことがわかったりして。私は姉や母のいる環境で育ったので、あまり抵抗を感じなかったりしたのにはそういう背景があったのかなと。

中村:耳慣れしている言葉かどうかということもありますものね。
社内でも違う部署の男性社員は、ナプキンが置いてあると目を逸らしてしまうとか、ワードにも少しドキッとしてしまうというようなことを聞くのですが、やはり男兄弟だそうで。
私も姉がいるので女性の体調の波も身近に感じてきましたが、振り返ってみると生理が関係していたんだと改めて思いますね。
こういう取り組みをしていることで改めて女性の苦労も知ることができてよかったなと。

福田:そういったところで、会社内でOiTrの導入にあたって資料を作成したりもしたのですが、世代や性別的にワードに抵抗がある人たちに対してどうアプローチするかということに時間をかけました。
否定をする要素がないくらいに準備をして社内のプレゼンにも臨んだのですが、実際すぐに理解を頂けてよかったなと思っています。

中山:そこまで導入のために時間や労力、神経を使ってくださった背景には福田さんのどのような想いがおありだったのでしょうか?

福田:女性が抱える問題だけでなく、障がい者の方々に対しても施設で導入ができることを検討したり、障害者差別解消法が中小企業にも義務化されたことも受けて社内向けに理解を広めるために白杖を使われている方をお招きして講習会を開いたり、LGBTQの方々が利用しやすい共用トイレを導入するにもただ作るだけでなく誰かの不安にならないよう意見を出しあったりしています。
今まで声を挙げられなかった方達の声を拾って、何かしらできないかという想いがすごくあります。

中山:そういった講習会を開かれたり、認知を広げるために呼びかける側になったきっかけは何かあるのですか?

福田:やっぱり新しいことをしていかないと施設の魅力も上がらないし、私の中の成長も止まってしまうので、何かできることはないかと。
落ちているものを拾い上げるようにアンテナを張ることで助かる人がいて、感謝をしてもらえたならやってよかったと思えるので、それがやりがいというかモチベーションに繋がっているのかなと思っています。

中村:それも通常の業務とはかけ離れたところでも、そういった活動をされている理由なんですね。

福田:そうですね、施設の維持管理だけやっていれば仕事としてはいいのですが、様々な部署がある中で先ほど挙げたような取り組みをするような部署がないので。
最終的には施設の設備に関連するようなことを発信から最後までやっているだけです(笑)。

中村&中山:すごいことだと思います…

中山:新しいことを始める時や、誰もやっていないことに踏み込む時って、何かしらのリスクが伴うこともあると思うのですが、そのリスクの部分をどう捉えていらっしゃるのか気になりました。

福田:請負というよりはデベロッパーの立場でいるので、やってみて失敗することももちろんありますし、100個挑戦するうちの1つでも成功すれば嬉しいという意識でいます。
社内的にも若い人材でチームを作って色々な提案を挙げる機会があったり、新しいことをどんどんやってみようという会社の雰囲気もあって、リスクを度外視したチャレンジが叶うこともありますね。
もちろん、投資にみあった成果を出せるよう煮詰めていますが、OiTrさんのサービスなら投資以上のものになるということで、反対意見が出ることもなく導入ができました。

中村:それは集客面への期待だったのか、それとも女性に向けての取り組みという面でOiTr導入の承認が通ったのか、でいうとどちらでしょうか?

福田:導入の際のメリットとしてはそれらも含め、色々あると考えて社内のプレゼンに臨みましたが、弊社が埼玉県のSDGsのパートナーとして登録していて、そのSDGsの取り組みのひとつになるということも承認が降りた要因ですね。

福田:プレゼンに参加した上司も男性が多いので、女性が抱える問題というのを改めて知る機会にもなりましたし、OiTrの資料に書かれたいた「生理用品は なぜトイレットペーパーと同様に トイレに常備されていないのでしょうか。」という言葉に対して、私自身本当にその通りだなと思ったので、社内にプレゼンする際にも多用させていただきました(笑)。
ナプキン購入代は女性だけにかかる費用だということは、社内的にも“確かにな”という反応で、トイレットペーパーと同じように当たり前のサービスとして提供できることが、施設の魅力アップにつながると理解いただいた形です。

中村:女性には必ずかかる負担なのに、ナプキンの費用を払うのが当たり前になっているところを、男性が主導してジェンダーギャップ是正の取り組みをしていけることが素晴らしいと思います。

福田:実は一度、女性社員の方から導入に消極的な意見が出たこともあったのですが、当たり前としてその負担を受け入れているからこその意見だったので、周期と違ったタイミングで生理が来てしまって困る方などの現状や、導入の際のメリットの面をお伝えして、最終的には理解してもらえたということもありました。

中山:同じ女性同士でも理解してもらうのに苦労する部分まで、男性主導で理解頂けるところまで持っていくことが素晴らしすぎます!

中村:熱が伝わったのですね。女性の社員さんからの導入提案が、決定権のある女性の方から“自分は買ってきたんだ”ということで理解を得られず、導入に至らなかったというような施設様もあったので、伝える側と受け取る側で感覚の乖離が大きいと、難しい部分もあることだと思います。

現在34台のOiTrを設置いただいていますが、始めは何台くらいの導入を考えていて、34台という結果になったのですか?

福田:一気に全個室につけると、とてつもない数になってしまうため、24時間空いているオープンスペースには夜中のイタズラなどの懸念から導入をあえて避けさせて頂きました。
最低でもここかなとイメージしていたところには、一旦全て設置できました。

中山:利用者が限定されるエリアよりも、誰でも利用できるオープンスペースの方に多く設置いただいているところが、福田さんのマインドが反映されているようだと感じました。

福田:本当に誰にでも使って欲しいですし、トイレに寄ったついでに他の施設も利用して頂けたらなんて(笑)。

全員:(笑)!

OiTr導入後に、利用者やテナント様からの声が届くようなことは?

福田:コンサートに来られた方からメッセージが届いたことがあります。

おそらく周期とは違ったタイミングで体調に変化があったようで、“不安な中コンサートに行くことになったけど、OiTrのおかげで安心してコンサートを楽しむことができました”という内容をお問い合わせフォームからお送り頂きました。
OiTrからナプキンが出た枚数が見えるので、こういった声が届かなくとも、きっとありがたいと思って頂けている数かなと考えています。

半年で1万枚以上も利用して頂いているので、それだけの回数サービスの提供ができてありがたいなと思います。

中村:こちらこそありがとうございます。確かに我々としてもかなりの数のナプキンを納品させてもらっている感覚で、他の施設と比べても1台あたりの配布数が多い方ですね。

中山:届いたメッセージにもあるように施設の特徴柄、長時間施設にいることが多いでしょうから、そういったことも起因しているのかもしれないですね。

福田:ひとつ面白いデータがありまして。1日188枚と、これまでで一番多くナプキンが出た日が5月にあったのですが、それが「VIVA LA ROCK」というフェスが開催された日で。
社内でそれについて話した時に、フェスは荷物を最小限にしたいからではないかというところに行きつきまして。OiTrのサービスはフェスとの相性がいいのかなと思った出来事でした。

中山:導入してくださる施設様のメリットも、その利用者の需要も、施設様によって様々だなと感じています。

福田:他の施設や知り合いのいる大学などにも、実はOiTrを紹介しているんです(笑)。

中村&中山:ありがとうございます!!!

今後のOiTrに期待することは?

福田:施設の魅力アップの観点からはとても良いサービスなので、会社としても導入して良かったと思っていますし、取扱説明書が充実しているので、ちょっとした不具合は自分たちで直せる運用面も良いところだと思っております。
アリーナ内には個室の広さの関係で導入できていないところもあるので、今後は筐体(OiTrディスペンサー)のサイズや形態のバリエーションが増えると、全ての個室に設置が叶いますし、他の施設さんで個室の広さが原因で設置できなかったところもクリアになるのかなと思っています。

やはり全国からお客様が集まる場所なので、地方から来た方にもOiTrある!と思っていただけたら我々も嬉しいですし、全国で設置台数をもっと増やしていっていただけたらと思います。

中村:OiTrを広めることで女性の助けになることができる、という理念で認知拡大や設置台数を増やしていきたいと思っております。賛同いただける施設様やご利用頂いているユーザー様に寄り添えるよう開発をしていきたいと、改めて強く感じました。
本日はありがとうございました。

最後になりましたがさいたまスーパーアリーナの魅力を改めて教えてください。

福田:さいたまスーパーアリーナは客席が動く「ムービングブロック」という形態の施設で、イベント単位でアリーナの広さを変えることができる、世界でも最大規模の施設なんです。
国内の多目的アリーナとしては「最大」と謳っています。

中山:私は長年埼玉県民なのですが、たまアリは埼玉県の誇りですもん!
しかも、本日はさいたまスーパーアリーナの公式キャラクター“たまーりん”も同席くださっていて。

福田:はい、たまーりんはアリーナの外観をイメージしたデザインで、けやきひろばのイメージで耳が欅の木になっていたりして、大中小サイズ展開もしているのですが、全然グッズが売れないですね(笑)!

全員:(笑)!

中山:是非ここまで読んでくださった方は”たまーりんグッズ”を..(笑)。

中村:ですね!本日はお忙しいところ、ありがとうございました。

株式会社さいたまアリーナ
施設部 施設課 主任 福田雅也様
OiTr/中村・中山


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