
公開日:2025.3.10
※「新宿駅西口地区開発計画」の進捗に伴い 「新宿ミロード」は、2025年3月16日に閉館します。
本記事は(閉館前の)、2024年8月時の取材をもとに作成しています。
「ひとに、まちに、かけがえのないときと ゆたかなくらしを。」を掲げる小田急SCディベロップメント。
女性客が9割を占める新宿駅南口すぐの商業施設新宿ミロードとその従業員用トイレに合計35台のOiTrが設置されている。顧客満足度と従業員満足度の双方を意識されたという小田急SCディベロップメントの支配人大津さん、副支配人の加賀さん、マネージャーの服部さんの3名にOiTr導入のきっかけからその効果までお話を伺いました。
早速ですが、株式会社小田急SCディベロップメントさんがどのような事業をされていらっしゃるのか伺えたらと思います。

大津:はい。当社は2020年4月に親会社である小田急電鉄から分割して設立された会社で、元は一つの部署だったところから、小田急グループの不動産賃貸業が一緒になって出来た会社です。
事業としてはミロードを初めとして、小田急沿線のショッピングセンターを中心に不動産賃貸業をやっています。
加えて、小田急沿線にある小規模商業施設だったり、高架下や構内の店舗等、小さい店舗も含めて管理運営をしております。
大体全部で区画数としては2000区画ぐらいの店舗という感じになります。
記者:その中でもOiTrをどちらに導入いただいているか改めて伺えますでしょうか?
服部:ミロード内の女性のお客様用のトイレと、後方の従業員用の個室にそれぞれ設置してあります。
記者:今後ミロードさん以外にも設置のご予定は?
服部:他の管理施設でもOiTrに興味を持ったところが出てきていているので、これから連携を図って徐々に設置拡大していきたいなというところです。
OiTrの導入に至った背景をお聞かせください。

加賀:我々の商業施設の抱える課題として、現在はお客様がECサイトで物を購入されるようになったり、そもそも消費者が物を買わない傾向にあることがあり、業界全体で集客について模索していました。
その中で我々は駅立地にあって、かなり公共性が高い施設なので、今までテナントさんでお客様を誘引していたものを、より便利な施設であったり、なくてはならない施設、ひいては災害時にも安心して利用できるよう幅広く、魅力のある施設にしていかないといけないなと考えていたフェーズでした。
その中で新宿ミロードはほぼ9割が女性のお客様のため、そのお客様に対して何かできることないかなということを考えた中でOiTrの存在を知り、導入してみようとなったことが背景にあります。
記者:トイレの充実というところは、やはり集客につながるのでしょうか。
加賀:そうですね、これは我々の職業病なのですが、新しい施設ができたら必ずトイレを見るというぐらいトイレが充実していることが重要だと思っています。
トイレはお金を生み出さない部分ではありますが、そこにしっかりと投資を充実できるかどうか、また、そういった着眼点が、一番の集客に繋がると考えていますし、買い物目的でなくとも足を運んでくれる方々が、大きいポイントになってくるのではないかと考えています。
記者:確かに新しい商業施設ができた時って、トイレが話題になりますよね。
OiTrを知ったきっかけは?

服部:第一歩の部分は担当者が変わってしまい、正直わからないところではあるんですけれども、ただ確か何かしらのメディアで拝見をして、経済性と社会性を兼ね備えたスキームで運用されてるというので、とても興味を持ったというのは覚えてます。
記者:導入にあたり、社内の承認はスムーズなものでしたでしょうか。
加賀:今、服部が申した通り、我々も慈善事業ではないので、何かしらリターンが想定できないとなかなか意思決定としては難しいのですが、サイネージ広告のモニターがついてる点などは我々も求めてるものであって、且つそれがお客様のために役に立つのであればということで迷う点はなかったように思います。
導入の際のデメリットももちろん考えはしたのですが、逆に怖いくらいにデメリットがないという話をした記憶があります。
記者:お店の方もそうですけれども、従業員専用スペースにも導入をいただいていかがでしょうか。
加賀:ES(Employee Satisfaction:従業員満足度)といって、顧客満足もそうですけど、従業員満足も向上しないと成り立たないようなビジネスモデルになっているので、そこもしっかりケアしながらやっています。
実際に使われたお客さんだったり、従業員の皆さんからの声はございましたか?
服部:直接お客様からご意見をいただくことは、まだないのですが、現在毎月平均して5,000件以上利用があり、その多さなどから反響の大きさみたいなところも肌感で感じているところです。
我々の当初考えていた利便性を上げてお客様に来てもらいたいという思いと、お客様が実際に便利だなとか、安心だなっていう良い体験を通してミロードのことも好きになってもらえているっていうところがあるんじゃないかなと思っています。
加賀:従業員さんから我々に、”すごく私達のことを思ってやってくれてる”というような声はとてもよく聞いているので、これまでお菓子配ったり、パーティーを開催したり、そういった慰労面をメインに着眼していたのですが、やっぱり本当に痒いところに手が届くような設備面のケアなどに積極的に注力してきたことが良い形で、従業員さんの皆さんからリアクションいただけています。
服部:SNSでも「新宿 OiTr」などのワードで調べてみると、「ミロードに置いてあって嬉しいです」とか「もっと設置拡大してほしい」という声をよく見かけます。勝手にエゴサーチしてニンマリみたいなところもあったりするので(笑)、OiTrさんのお力を借りながら我々が”良い”と思ってやったことが、本当にお客様の安心だったり、便利さに繋がっているので、やってよかったな、次も頑張りたいなという原動力になりますし、すごくありがたいなと思っています。
今後、OiTrに期待することはありますでしょうか?

大津:OiTrさんのホームページを拝見すると、社会課題をビジネスを通じて改善していくことについて考える機会になるのですが、社会と課題とビジネスの両立ってすごく難しいのだろうと感じてます。ですが、経済課題を両輪でやっていくというのはやはりすごくいい取り組みだと感じております。
我々としてはお客様の生活の質を向上させるために、お買い物を通じて楽しんでいただき、そこで女性が不安を感じていることをOiTrによって解決できている、こういう相乗効果が生まれているので、とてもいいサービスだと思っております。商業施設や学校、役所以外にも駅周辺などの人が集まるところにもっともっと普及されていけば、女性が抱える課題の一面に対して、より良い取り組みとなっていくと思っています。
中村:実際にいただいたお話を弊社の方でも課題として、今後取り組んで行きたいと思っております。
大津:御社はOiTr以外にも何か違う仕組みというかステップはあるのでしょうか?
米山:そうですね。直近ですと、OiTrアプリがリニューアルを行いました。2024年の5月中旬に、もっとユーザーさんに健康に向き合って欲しいという想いから、生理管理機能をつけてヘルスケアの分野にも一歩踏み入れました。
ウェルビーイングを掲げて、精神的にも身体的にも健康な状態を推進していけるようなステップに取り組んでいきたいなと思っており、今後アプリ含めて、OiTrの筐体だけでなく、広告を初め、IoT機器プラスアプリでの展開を考えています。

大津:若い世代の人たちは幼いときからSDGsのような考え方が自然に浸透しているように感じてます。そこはビジネスをしていく上で、欠かせないことと考えていますし、こういった取り組みについては、何らかの形でタッグを組めると非常にいいのかなと思っています。
記者:御社としてはトイレの環境に関して新たな展開は考えていらっしゃるのですか?
大津:2020年2月の2階フロアリニューアルを行い、トイレの改修も順次やっておりまして、実は4階、5階にあった男女の別のトイレを女性専用に変えました。
やはり9割方は女性のお客様になりますので、思い切って女性の方に特化したトイレに改修しました。そしてパウダールームとしての機能も十分になければならないので、新たな鏡の設置やディスプレイの環境は整えております。
加賀:鏡が広告にふわっと切り替わるもがあったり、各社さん商業施設の手洗が一種のPRの場所であったり、ちょっと気分転換の場所など、いろんな解釈ができるのではと着眼されていているので、そういったご提案を聞いて面白いなと思うことがあります。我々も発展的に取り組んでいくことで、可能性を秘めた場所にできるかなと感じています。
中村:OiTr本体のバージョンアップにより、新しい機能の追加や機能改善を続けているので、本体、アプリ含め、何か御社にも貢献できる部分を見つけ、提案させていただきたいと思っております。
加賀:全国的にも設置は拡大しているのでしょうか?
中村:まさに公共施設や空港などにも設置が広がり、名古屋のセントレア空港、新千歳空港などにも設置をさせていただきました。
あとは駅中のトイレにもどんどん設置させていただきたいなというところで、アクションしている最中です。
やはり商業施設様の集客性が高いので、広告を見ていただくという点で、地域に根付いた地方の商業施設を含めて、全国的に展開ができないかというところの模索をしています。
大津:HPを見るとかなり全国に展開されてますよね。
米山:そうですね。2024年8月の時点で設置箇所が250箇所、設置台数で言うとまもなく3,000台を達成します。

加賀:OiTrを入口として、アプリでもいろんなことができても面白いなっていう風に思いました。
スーパーアプリ化をすれば、トータル的にも女性にすごくいいものになると思います。
服部:今回のアプリの更新はすごく良かったです。画面も見やすい。
米山:嬉しいです!!ありがとうございます。アプリに関してもこれから展開していきたいサービスは色々と考えています。それこそ商業のメリットになることもできないかなと考えおり、設置企業様とユーザー様の双方にメリットを与えられるようなサービスができないかなと社内で常に案を出しあっています。
中村:設置企業様の集客のお役にも立てないかというところで、企業様のアプリとの連携などから、ユーザー様の需要とマッチさせるようなこともできたらと漠然と考えているところでして、今後具体的に検討していきたいと考えています。
本日は貴重なお時間をいただきましてありがとうございました。
株式会社小田急SCディベロップメント様
新宿南口営業室
支配人 大津 秀樹 様、副支配人 加賀 正輝 様、マネジャー 服部 詩織 様
OiTr/米山・中村・記者