「タンポンの使用でTSSという病気になるって本当?」「どのような症候群なの?」と疑問に思う人も多いでしょう。
生理期間に何気なく使っているタンポンや月経カップで重大な病気になると思うと、不安になりますよね。
今回は、TSS(毒素性ショック症候群)とはどのような病気か解説するとともに、TSSにかからないための正しいタンポンや月経カップの使い方を紹介します。
TSSは、トキシックショック症候群とも呼ばれ、短時間で重篤化する敗血症の1つです。
TSS患者の約半数がタンポンを使用している女性で、残りが火傷や虫さされ、外科手術後の局所感染などによるもの。
とてもまれな病気ですが、性別や年齢問わず誰でも発症する可能性があり、重症化しかねないことに注意が必要です。
ここからは、TSSの原因や発症した時の症状について解説します。
TSSは、黄色ブドウ球菌やレンサ球菌によって大量に産生される「TSS-1」という菌体外毒素が原因の感染症です。
黄色ブドウ球菌とは、皮膚や鼻の中、口内、傷口、髪の毛、膣内などにいる菌のこと。
黄色ブドウ球菌に感染した場合の致死率は5%前後、レンサ球菌の場合の致死率は約50%です。
劇症型溶血性レンサ球菌感染症をSTSSと呼びます。
TSSは突然発症し、以下に挙げるさまざまな症状が現れます。
- 急な高熱
- 日焼けのような発疹(びまん性紅斑)
- 吐き気
- 筋肉痛
- 頭痛
- めまい
- 意識の混濁
- 下痢
これらの症状が現れてすぐに医療機関で治療を受けないと、48時間以内に進行して、血圧低下などのショック状態や多臓器不全に陥ることがあります。
術後に感染した際の発症時間は、数時間〜数週間後と開きが大きいため、すぐに発症しなくてもしばらく注意が必要です。
TSSかどうかは、現在の症状を確認するとともに、過去の健康状態や感染の可能性、月経の状態や使用中の医薬品などの聞き取りと血液検査でおこないます。
TSSの治療は、以下のとおりです。
- 毒素が産生されている感染部位の特定と浄化
- 積極的な輸液の使用
- 抗菌薬の投与
TSSは、タンポンや月経カップを正しく使用しない場合に起こる可能性があります。
TSS患者の約半数が、生理中にタンポンを使っている女性です。
手指を清潔にせずにタンポンや月経カップを装着したり、決められた時間を超えて長時間使用したり、取り出し忘れたりすることで、黄色ブドウ球菌が増殖し、毒素を産生しやすくなるといわれています。
最近の研究では、タンポンの吸水性がTSSの要因だと考えられているため、生理期間には以下に示す工夫も大切です。
- 自分の経血量に合わせて、できるだけ吸収量の少ないタンポンを使用する
- タンポンの代わりにナプキンなどを時々取り入れる
素材の違いから、月経カップはタンポンよりもTSSのリスクが低いといわれています。
しかし、長時間の使用で発症するリスクは高まることを押さえておきましょう。
産後8週間までと出産後初めての月経時は、膣内の免疫機能が低下しており、TSSのリスクが高いため、タンポンや月経カップの使用は控えてくださいね。
モレやムレの心配が少ないタンポンや月経カップは、生理期間を快適に過ごすために手放せないという人も多いでしょう。
TSSにかからないためには、タンポンや月経カップを正しく使用することが大切です。
ここからは、それぞれの適切な使用法や使用する際の注意点を解説します。
タンポンの正しい使い方は、以下のとおりです。
- 手指を清潔にする
- 袋からタンポンを取り出し、取り出し用の紐が切れないか確認する
- リラックスして楽な姿勢で挿入する
腰幅に足を開き、膝を軽く曲げて中腰の態勢で入れるとよいでしょう。
タンポンの使用時間は最大8時間とされている商品が多いです。
しかし、雑菌が増えるギリギリのラインが8時間とされているため、8時間を超えないように頻繁に交換するのが望ましいでしょう。
使用時間が8時間を超える可能性がある就寝時は、タンポンの使用を控えてください。
タンポンを膣に入れている時間を短くするために、ナプキンと交互に使用することも大切です。
タンポンの正しい使い方については、以下の記事で詳しく解説しています。

月経カップの正しい使用方法は、以下のとおりです。
- 90度以上の沸騰したお湯で5分~10分煮沸消毒する
- 手指を清潔にする
- ふちを指で月経カップの内側に押し込み、その周りの両端を折り曲げる
- 力を入れずにリラックスしてから入れる
- 月経カップの底を回して外れないか確認する
月経カップも4時間〜8時間使用可能ですが、長時間の使用でTSSにかかる可能性は高まります。
生理中は、ナプキンとの併用も検討してくださいね。
TSSは、トキシックショック症候群とも呼ばれる感染症です。
まれな病気ではあるものの、発症すると重篤化しやすいのが特徴。
患者の約半数がタンポンを使用している女性といわれていますが、性別や年齢問わずに発症するリスクがあることを押さえておきましょう。
手指を清潔にせずにタンポンや月経カップを装着したり、決められた時間を超えて長時間使用したり、取り出し忘れたりすることで、TSSの発症リスクが高まります。
タンポンや月経カップの使い方を改めて見直して、TSSのリスクを抑えましょう。
- TSS(毒素性ショック症候群)は、まれだが短時間で重篤化する病気
- タンポンの使用のほか、残りが火傷や虫さされ、外科手術後の局所感染などによるもので発症する
- 初期症状が出てすぐに治療しないと、ショック状態や多臓器不全になることも
- TSSは、タンポンや月経カップを正しく使用しない場合に起こる可能性がある
- タンポンや月経カップの使い方や使用時間を守って、TSSのリスクを抑えつつ生理を乗り切ろう

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