「生理周期がバラバラで、いつ来るか予測できない」「排卵日もわからないから、妊娠できるのか不安」と悩んでいる人も多いでしょう。
女性の身体はデリケートなため、生理周期がバラバラになることはよくあります。
生理周期がバラバラになる理由は、年代によって異なるのを知っていましたか?
その原因には、年齢の影響だけでなく、病気が隠れている可能性も。
今回は、生理がバラバラになる原因や、考えられる病気、婦人科を受診する目安などを紹介します。
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生理周期は、女性ホルモンの分泌によってコントロールされており、卵胞期・排卵期・黄体期・月経期に分かれます。
- 卵胞期:卵胞ホルモンが分泌され、子宮内膜が厚くなる、心身ともに安定する時期
- 排卵期:成熟した卵胞から卵子が排出される「排卵」が起こる
- 黄体期:黄体ホルモンが多く分泌され、子宮内膜はより厚く妊娠に適した状態になる
- 月経期:妊娠が成立しなかった時に、子宮内膜が血液とともに月経血として排出される
正常な生理周期は25日~38日とされており、この範囲であれば、前後6日ズレる分には問題ありません。
しかし、正常な生理周期から外れたり、生理周期が7日以上ずれたりする「不整周期月経」の場合、放置せずに治療を検討しましょう。
生理周期が安定しない理由は、年齢によって異なります。
ここからは、月経周期がバラバラな理由を年代別にみていきましょう。
生理が始まったばかりの10代は、子宮や卵巣もまだ未熟なため、生理周期がバラバラになる傾向にあります。
生理を初めて迎えた「初潮」から生理周期が安定するまで、数年はかかると考えましょう。
一方で、18歳を超えても生理周期がバラバラなら、婦人科クリニックで相談するのもおすすめです。
20代になると、月経周期は整ってくることが多いですが、過度なダイエットや多忙によって、生理周期がバラバラになることも。
月経不順を放置すると不妊のリスクが高まるので、婦人科で早めに対処しましょう。
20代〜30代前半は、女性ホルモンの作用が安定して、生理周期が定まることが多いです。
しかし、ホルモンバランスの乱れやストレス、体重の急激な変化などで、生理周期が24日以内の「頻発月経」や、39日以上来ない「稀発月経」になる人も。
妊娠希望の人は、月経不順を早めに治療しましょう。
30代後半~40代前半は「プレ更年期」と呼ばれることもあり、卵巣機能の低下から排卵が早く起きるようになり、生理周期が24日以内と短くなっていく傾向にあります。
経血量にも変化が見られ、月経量が極端に増える「過多月経」によって貧血になる人も。
卵巣機能が低下している40代後半以降は、生理周期が乱れたり、経血量が減少したりします。
頻発月経が続いた後、生理の間隔が長くなってきたら、閉経が近いサイン。
出血量が減少する「過少月経」になり、生理期間も4日程度と短縮されます。
閉経が近いかどうかは、婦人科での血液検査で調べられますよ。
生理周期がバラバラだと「次にいつ生理が来るかわからなくてハラハラする」と感じる人も多いでしょう。
妊娠を希望している人は、排卵日がわからず「妊娠しやすいタイミングを逃しているのではないか」と不安に思うかもしれません。
ここからは、生理周期がバラバラな時の生理周期・排卵日の計算方法を紹介します。
生理周期の数え方は、前の生理開始日から、次の生理開始日の前日までの日数です。
生理周期がバラバラの時は、5ヶ月分のデータを記録して平均値を出してみましょう。
専用のアプリを活用すると、生理予定日を予測しやすいですよ。
「OiTr」のアプリには、生理日の予測機能や体調管理機能が搭載されているので、ぜひ試してみてください。
生理周期がバラバラな場合、排卵日を知るための排卵検査薬の使用タイミングは「前回の生理開始日に最近の2周期〜3周期のなかで1番短かった周期を足し、17日引いた数」です。
基礎体温を測定することで、排卵日が予測しやすくなりますよ。
基礎体温の正しい測り方は、以下の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

生理周期がバラバラになる原因は、さまざまなものがあります。
年齢によるものもありますが、なかには病気が原因で生理不順が起きていることも。
ここからは、生理周期がバラバラの時に考えられる理由を解説します。
ストレスや生活習慣の乱れが原因で、ホルモンバランスが乱れ、生理不順が起こることがあります。
無理なダイエットやハードな運動、睡眠不足など、身体に大きな負担をかけると、生殖機能の働きが後回しにされやすいためです。
体重減少は、脳下垂体の働きの低下を招き、卵巣への指令が伝わらず、排卵が起こらなくなります。
無排卵周期症(無排卵月経)とは、生理のような出血はあるものの、排卵をともなわない状態のことです。
初潮から1年〜2年の思春期や閉経前によくみられます。
生理不順で、基礎体温が低温相と高温相に分かれない場合、無排卵周期症と診断されるでしょう。
生理期間が2日以内で終わる「過短月経」になることも。
排卵がなく妊娠できない状態のため、妊娠希望の人は早めの治療をおこないましょう。
黄体ホルモンの分泌がうまくいかず、黄体期が短縮される状態を黄体機能不全と呼びます。
黄体期が短縮されるため、頻発月経になりますよ。
卵子がうまく着床できないため、不妊症や流産の原因にもなるので、治療が必要です。
多嚢胞性卵巣症候群とは、卵巣で男性ホルモンがたくさん作られるため、排卵しにくくなる病気のことです。
排卵しない卵胞が卵巣内にとどまり、たくさんの卵胞(嚢胞)がみられます。
無月経や生理不順、にきび、多毛、肥満などが出現するほか、排卵がないために不妊の原因になることも。
甲状腺の病気があると、無月経や稀発月経、無排卵月経になることがあります。
甲状腺ホルモンは、身体全体の新陳代謝を促進する作用がありますが、甲状腺の働きに異常が出ると、バランスが崩れて、月経不順のほか、さまざまな症状があらわれるのです。
抗うつ薬などの副作用で、脳下垂体から分泌される「プロラクチン(乳汁分泌ホルモン)」が基準値が高くなると、生理が止まったり、生理不順になったりします。
プロラクチンが多く分泌されると、女性ホルモンの分泌が抑制されるためです。
生理不順で婦人科を受診する目安は、以下のとおりです。
- 生理周期が3ヶ月以上遅れた
- 毎回の生理周期が正常範囲から外れる
- 生理なのかわからない出血がダラダラ続く
- 生理痛がひどくて日常生活に支障がある
すべての生理不順で、適正体重(BMI22〜23)になるように生活習慣を見直します。
妊娠希望がなければ、卵胞ホルモンと黄体ホルモンを配合したピルによる治療がおこなわれるでしょう。
ただし、ピルによる治療は、40歳以降で見直されることも。
医師と十分相談のうえ、治療法を決めましょう。
なかには、生理だと思っていた出血が、病気による不正出血だったケースも。
生理と不正出血の見分け方については、以下の記事で解説しています。

生理周期がバラバラな場合、10代では性機能の未発達、40代では卵巣機能の低下など、年齢によって原因が異なることが多いです。
生理予定日や排卵日の予測が立てにくく、もどかしい思いをすることもあるでしょう。
生理周期がバラバラな時は、ホルモンバランスが乱れていたり、病気が隠れていたりすることがあります。
原因の早期特定と病気の治療のために、婦人科を受診するとよいでしょう。
- 生理周期がバラバラになりやすいのは、性機能が未熟な10代や、卵巣機能が低下し始める30代後半頃
- 20代~30代前半でも、過度なダイエットや運動、ストレスなどで生理周期が乱れることも
- 生理周期がバラバラになった時、不妊につながる病気が隠れていることがある
- 生理周期がバラバラ以外にも、月経痛がひどい、出血がダラダラ続くなどの症状があれば、婦人科を受診して