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笹森 幸文 医師
プロフィール
帝京大学医学部附属病院 産婦人科教授、総合周産期母子医療センター長
非常勤として「千葉柏駅前胃と大腸肛門の内視鏡日帰り手術クリニック・健診プラザ」のレディース外来を担当する
https://www.kashiwa-naishikyo.com/kenshin/
旅行や温泉、大切なイベントと生理が重なってしまいそうなとき、「どうにかして早く終わらせたい」と思ったことはありませんか?
生理期間は蒸れやかゆみ、生理痛など不快な症状が重なりやすく、できるだけ短く済ませたいというのは多くの女性が抱くリアルな悩みです。
結論からお伝えすると、生理期間そのものを劇的に短縮する方法は現時点では存在しません。
生理は子宮内膜が自然に剥がれ落ちる生理現象であり、そのプロセスを人為的に急がせることは医学的にできないとされています。
ただし、腟内に残った経血を洗い流したり、体を温めて血流をよくしたりすることで、「ナプキンが必要な期間」を少し短くできる可能性はあります。
また、ピルを活用すれば次回以降の経血量を減らしたり、生理のタイミング自体を調整したりすることも可能です。
この記事では、生理を早く終わらせるために実践できる方法と、生理期間の不快感を和らげる対処法を産婦人科医監修のもと詳しく解説します。
よくある疑問(ツボ・水分補給・チョコとの関係)についても後述で正直にお答えするので、ぜひ最後まで読んでみてください。
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結論から言うと、通常の生理期間を短縮する方法はありません。
生理とは、妊娠に備えて厚くなった子宮内膜が剥がれ落ちて経血として排出される、自然な体のプロセスです。
正常な生理期間は3〜7日間とされており、この期間は個人のホルモンバランスや体質によって決まっています。
ただし、経血の約8割は2日目までに体外に排出され、5日目以降は腟内に残った経血が少しずつ出てくるだけの「終わりかけ」の状態です。
この「残経血の期間」を短くする方法はあります。
また、ピルを服用することで経血量が減少し、生理期間が短く感じられることもあります。
さらに、旅行など特定の日程に合わせて「生理のタイミングをずらす(月経移動)」もピルによって可能です。
「早く終わらせる方法」として巷でよく言われるツボ押し・大量の水分補給・チョコレートなどについては、医学的根拠がないため確実な効果は期待できません(詳しくはよくある質問で解説します)。
生理期間そのものは変えられませんが、残経血を排出しやすくしたり、経血量を減らす方法をご紹介します。
それぞれの特徴と注意点を確認した上で、自分に合った方法を試してみてください。
腟内洗浄で溜まった経血を洗い流せば、生理が早く終わるように感じられます。
腟内洗浄の目的は、腟やデリケートゾーンの汚れを洗い流し清潔に保つことや、腟の自浄作用を助けることです。
デリケートゾーンを清潔にするので、生理中の匂いやムレの改善にもつながります。
腟内洗浄には専用の腟内洗浄器を使いましょう。
シャワーやビデで腟内洗浄をおこなうのは避けてください。
腟内は弱酸性に保たれており、アルカリ性のシャワーやビデでは刺激が強く、腟内環境のバランスを崩す原因になります。
また「早く生理を終わらせたいから」と頻繁に腟内洗浄をおこなうと、腟内の常在菌を減らしてしまい、細菌性腟症を引き起こしてしまいます。
商品の説明書を読み、正しい使用方法や回数を守ってくださいね。
インクリアは、ジェルタイプの腟内洗浄器です。
腟内と同じ弱酸性の乳酸配合ジェルで、経血やおりものを洗浄しつつ、腟の自浄作用を高めます。
今までにタンポンを使った経験があれば、スムーズに使用できるでしょう。
1日1本、週に3〜4回程度を目安に使用してください。
プチシャワー・セペは、腟の入口よりも小さなサイズのノズルが使われているため、初めて腟内洗浄をおこなう人でも安心して使えます。
殺菌成分や防腐剤などを含まない精製水が、腟内に付着した経血やおりものを洗い流し、腟の自浄作用を高める効果が期待できますよ。
生理の終わりかけには1日に1〜2回、1回1本の使用がおすすめです。
腟内洗浄を初めて試したスタッフは「ちょっと抵抗があって躊躇していた」と話していました。でも使ってみると、終わりかけのあのモヤモヤ感がスッキリして、気持ちの面でも楽になったそうです。生理期間の「終わりかけ」こそ、地味につらい時期ですよね。
体を温めることは、生理痛の緩和だけでなく、経血の排出をスムーズにする効果も期待できます。
血行がよくなることで子宮の収縮が促進され、経血が効率的に排出されやすくなると考えられています。
効果的な温め方は次のとおりです。
- カイロや腹巻きで下腹部・腰まわりを温める
- 38〜40℃程度のぬるめのお湯にゆっくり浸かる
- 生姜茶やハーブティーなど体を温める飲み物を飲む
- ウォーキングや軽いストレッチなど、体への負担が少ない運動を取り入れる
ただし、激しい運動や熱すぎるお湯への長時間入浴は逆効果になる可能性があります。
体調に合わせて無理のない範囲で試してみてください。
体を温めることは生理期間の短縮だけでなく、気分のリフレッシュや生理痛の緩和にもつながります。
道具がいらず今日からすぐ始められる方法なので、まず取り入れてみましょう。
ピルは卵胞ホルモンと黄体ホルモンが配合された薬で、経血量の減少が期待できます。
ピルには子宮内膜を薄く保つ作用があるため、剥がれ落ちる内膜の量が少なくなり、自然と経血量が減って生理期間が短く感じられます。
ピルを服用している間は生理が来ず、休薬期間に入ってから2〜7日以内に生理に代わる消退出血が起こります。
人によっては2〜3日で消退出血が終わることも。
また、生理痛や貧血などの生理期間の不快感も改善できます。
月経トラブルの改善には、卵胞ホルモンの配合量が少ない低用量ピルが処方されることが多いです。
また、特定のイベント(旅行・結婚式・試験など)に生理を重ねたくない場合は、「月経移動」という方法があります。
中用量ピルを生理開始予定日の3〜5日前から飲み始めることで、生理を遅らせることが可能です。
ピルによる月経移動を希望する場合は、婦人科やオンライン診療で医師に相談してください。
なお、ピルは市販では購入できず、医師による処方が必要です。
自己判断での服用は避けましょう。
月に1度必ず訪れる生理期間をできるだけ快適に過ごしたいものですよね。
生理を「早く終わらせる」ことはできなくても、不快感を和らげることは十分できます。
ここからは、今日から取り入れられる対処法を紹介します。
生理期間の不快なムレやかゆみを防ぐためには、出血量が少ない日でも3〜4時間に1回はナプキンを交換しましょう。
ナプキンを長時間そのままにしておくと、経血が雑菌の温床になりやすく、かゆみや匂いの原因になります。
また、紙ナプキンでかぶれやすい敏感肌の人は、天然素材でできた布ナプキンを試してみてください。
布ナプキンはムレにくく肌への刺激が少ないため、かゆみを感じやすい方に向いています。
布ナプキンも紙ナプキンと同じく、こまめに交換しましょう。
タンポンや月経カップも、うまく活用すると快適に過ごしやすくなります。
ただし、タンポン・月経カップはTSS(トキシックショック症候群)のリスクがあるため、使用時間を守ることが大切です。
自分の肌や体質に合う生理用品を選んでくださいね。
生理痛や腰痛がある場合は、カイロやひざかけ、入浴で体を温めましょう。
冷えは子宮周辺の血流を悪化させ、生理痛を悪化させる原因のひとつです。
また、ヨガやウォーキングなどの適度な運動を取り入れると、血行がよくなり、生理痛が和らぐことがあります。
生理期間は体を冷やさないために、冷たい飲み物や食べ物も控えるのがおすすめです。
職場や学校で冷暖房が効きすぎていると感じる場合は、腹巻きやひざかけを活用して局所的に温めるのも効果的ですよ。
仕事や学校で生理痛がつらいと感じたら、すぐにできるツボ押しをおこないましょう。
ツボを押すことで血流やホルモンバランスを整え、生理痛を和らげる効果が期待できます。
生理痛や生理の不快感を改善するツボは、次のとおりです。
- 気海(きかい):体の中心線の上、おへそから指2本分下にある、血流を整えるツボ
- 関元(かんげん):体の中心線の上、おへそから指4本分下にある、血流を整えるツボ
- 血海(けっかい):膝の皿の内側から指3本分上にある、生理周期を整えるツボ
- 三陰交(さんいんこう):内くるぶしから指4本分上にある、ホルモンバランスを整えてくれるツボ
- 合谷(ごうこく):手の親指と人差し指の骨が交わる部分よりも、やや人差し指よりのくぼみにある、生理痛を緩和するツボ
血流やホルモンバランスを整えるためには、毎日短時間でもマッサージするのが効果的です。
仕事の隙間時間や入浴中など、習慣にしやすいタイミングで取り入れてみてください。
日頃からホルモンバランスを整える食生活を取り入れることで、生理時の不快感や生理不順の改善が期待できます。
生理中に意識して摂取したい栄養素と食材は次のとおりです。
- マグネシウムを含む食材(ナッツ・大豆・ひじきなど):血管を収縮させるカルシウムの排出をうながす
- 大豆食品(豆腐・納豆・豆乳など):卵胞ホルモン様作用があるイソフラボンが豊富
- ビタミンEを含む食材(アーモンド・アボカド・植物油など):抗酸化作用・血行促進・ホルモンバランスの調節
- 鉄を含む食材(レバー・ほうれん草・あさりなど):経血による鉄不足(貧血)を防ぐ
一方、カフェインを含む飲み物は血管を収縮させるおそれがあるため、生理期間は量を控えましょう。
ファストフードやスナック菓子は、貧血を引き起こしたり、血流を滞らせたりすることがあります。
これらは生理期間以外でも食べる頻度を減らしたい食品です。
食事だけで劇的に生理を楽にするのは難しいですが、毎日の積み重ねが体質改善につながります。
「今日の食事を少し変えてみる」くらいの感覚で始めてみてください。
漢方薬のなかにはホルモンバランスを整えて、生理周期を安定させたり、生理痛を和らげたりするものがあります。
代表的なものとして、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)や桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などが知られています。
病院での処方だけでなく、ドラッグストアでも購入可能です。
ただし、効果を得るためには自分の体質や症状に合う漢方薬を選ぶことが大切です。
「なんとなく良さそう」で選ぶのではなく、薬剤師や医師に相談した上で選択することをおすすめします。
漢方薬は即効性よりも継続的な服用で体質を整えるものが多いため、1〜2ヶ月ほど様子を見ながら続けることが一般的です。
生理期間が8日以上続いたり、強い生理痛があったりするなら、病気が隠れているおそれがあるので婦人科を受診してください。
生理期間は通常4〜7日間で、8日以上続く場合は過長月経と呼ばれます。
また、日常生活に支障が出るほど生理痛が強い場合は、月経困難症と診断されることがあります。
どちらもホルモンバランスの乱れや、子宮・卵巣の病気(子宮内膜症・子宮筋腫など)の可能性があります。
「毎月のことだから」と我慢を続けるのではなく、気になる症状が続くようであれば、早めに婦人科で診察・検査を受けましょう。
婦人科への受診ハードルを高く感じる方も多いですが、症状を伝えるだけで進められる検査もあります。
自分の体のために、一歩踏み出してみてください。
「生理を早く終わらせる方法」として、インターネット上ではさまざまな情報が流れています。
ここでは、特によく見かける質問に対して、正直にお答えします。
ツボを押すと生理が早く終わる?
水をたくさん飲むと生理が早く終わる?
チョコを食べると生理が早く終わる?
生理が8日以上続く場合は病院に行くべき?
「生理が長い気がするけど、これって普通?」と不安に感じているスタッフの声から、このFAQセクションを作りました。生理の長さや量の「普通」って、周りと比べる機会がないから意外とわからないですよね。目安として「8日」という基準を知っておくだけで、受診のタイミングを判断しやすくなります。
「生理を早く終わらせたい」という気持ちは、とても自然なことです。
まずそのしんどさを、ちゃんと受け取ってほしいと思います。
通常の生理期間を短縮することはできませんが、腟内洗浄器を使って残経血を流したり、体を温めて血流をよくすることで、ナプキンが必要な日数を少し短くできる可能性があります。
ピルを服用中の方は経血量の減少が期待でき、特定の日に合わせた月経移動も医師への相談で可能です。
毎月の生理をもう少し楽にしたい方はぜひ婦人科やオンライン診療で相談してみてください。
生理が8日以上続く・生理痛が日常生活に影響するという方も、ひとりで抱え込まず、受診という選択肢を忘れないでいてください。
いつでもオイテルは、そんなあなたの「自分らしいからだのケア」をいつも応援しています。
- 生理を早く終わらせる確実な方法はないが、腟内洗浄・体を温める・ピルで対処できる
- 腟内洗浄は終わりかけの残経血を排出し、不快感を軽減する効果がある
- 体を温めることで子宮の収縮が促進され、経血排出がスムーズになる
- ピルの服用で経血量の減少・月経移動(生理日のずらし)が可能
- ツボ・水分・チョコで生理が早く終わるという医学的根拠はない
- 生理が8日以上続く・生理痛がひどい場合は婦人科を受診しよう



