生理の終わりかけになると、腹痛や腰痛、下痢などの不快な症状が和らぐ人は多いでしょう。
しかし、生理終わりかけに腹痛を感じて「病気が隠れているのではないか」と不安に思う人もいるかもしれません。
生理終わりかけの腹痛には、「重い・だるい」「キリキリとした差し込み感」「チクチクと刺すような痛み」など複数のタイプがあり、タイプによって原因と対処法が異なります。
今回は、生理終わりかけに腹痛が起こる理由・症状タイプ別の原因・下痢との関係・チクチク感・下腹部痛を引き起こす病気・対処法・受診の目安まで解説します。
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生理終わりかけの腹痛は「どんな痛み方か」によって、原因が異なります。
まず自分の痛みのタイプを確認しましょう。
| 痛みのタイプ | 症状の特徴 | 考えられる主な原因 |
|---|---|---|
| 重い・だるい うっ血タイプ | どんより重い下腹部痛・腰の重だるさ・冷えを伴う | 骨盤内のうっ血・血流の滞り。プロスタグランジンが骨盤内に留まることで痛みが持続する |
| キリキリ・下痢タイプ | キリキリとした差し込み感・下痢や軟便を伴う | プロスタグランジンの残留が腸の蠕動運動を過剰に促進。生理4〜5日目以降も続く場合は注意 |
| チクチク・片側タイプ | チクチクと刺すような痛み・片側(左右どちらか)に集中 | 早めの排卵準備・卵巣の変化が関連する場合がある。繰り返す場合は卵巣嚢腫の可能性も |
| 激痛・悪化タイプ | 鎮痛薬が効きにくい・年々痛みが強くなっている・生理以外の時期にも痛む | 子宮内膜症・子宮腺筋症などの器質的疾患が疑われる。早めの婦人科受診を強く推奨 |
生理が終わりかけに腹痛が出る場合、骨盤周りの血流が滞っている可能性があります。
生理中は生理前よりも基礎体温が低くなるため、身体が冷えやすい時期です。
痛みの原因物質である「プロスタグランジン」という物質が血管を収縮させるため、血流が滞りやすく、冷えも加速します。
冷えによって血流が滞ると、プロスタグランジンが骨盤内で留まってしまうため、痛みが発生するのです。
生理終わりかけに下痢・軟便・キリキリとした腹痛が出る場合、プロスタグランジンが腸の蠕動運動を刺激していることが原因として考えられます。
プロスタグランジンは子宮を収縮させるだけでなく、腸の動きにも影響するため、生理中〜終わりかけに下痢や腸の不快感が起きやすくなります。
生理4〜5日目以降も下痢が続く場合や、激しい腹痛・発熱を伴う場合は過敏性腸症候群や腸の疾患も考えられるため、消化器内科への相談も選択肢のひとつです。
チクチクとした刺すような痛みが片側(右または左の下腹部)に集中する場合、卵巣の変化が関係していることがあります。
生理が終わりかけると次の排卵に向けた準備が始まるため、卵巣周辺に違和感が出ることがあります。
片側の痛みが繰り返す・痛みが強い場合は卵巣嚢腫の可能性もあるため、婦人科への相談をおすすめします。
チクチクした片側の痛みをずっと生理痛だと思っていたのですが、排卵痛という別の仕組みが関係していることを知ってから、痛みの場所(右か左か)と生理周期の何日目かを記録するようにしました。それだけで婦人科に相談したときの説明がしやすくなって、診断がスムーズになった経験があります。「なんとなく痛い」で終わらせず、痛みを記録することが自分の体を知る第一歩です。
生理中だけでなく、生理の終わりかけにも腹痛が続く場合は「月経困難症」が疑われます。
月経困難症は、生理の直前や生理が始まる頃から、腹部や腰の痛み、吐き気、下痢などの症状が現れて、日常生活に支障をきたす状態です。
原因となる病気がない「機能性月経困難症」と、病気が引き起こす「器質性月経困難症」に分かれます。
器質性月経困難症は20代後半から増え始め、生理前半から生理の終わりかけまで痛みが続き、なかには生理以外の期間にまでつらい痛みが現れることも。
生理終わりかけもつらい腹痛がみられる時は、早めに婦人科を受診しましょう。
生理の終わりかけや生理後に下腹部や子宮に痛みを感じる場合、病気が隠れているかもしれません。
子宮が痛んでいると思っていても、ほかの部位が痛みの原因となっていることも。
ここからは、生理の終わりかけに腹痛を引き起こす病気について詳しく解説します。
子宮内膜症とは、子宮の内側を覆う組織(子宮内膜)が子宮以外の場所(卵巣・腹膜・腸など)に発生して増殖する病気です。
生理のたびに出血を繰り返し、強い炎症や癒着を起こします。
生理痛が年々悪化する・鎮痛薬が効かなくなってきた・生理以外の時期にも下腹部痛がある場合は子宮内膜症が疑われます。
20〜30代女性に多く、不妊の原因にもなるため早期受診が大切です。
子宮筋腫は子宮の筋肉層にできる良性の腫瘍で、30代以上の女性に多く見られます。
筋腫の位置・大きさによって症状が異なりますが、過多月経・生理期間の長期化・下腹部の重だるさ・頻尿などが代表的な症状です。
生理終わりかけまで痛みが続く・月経血が多い場合は婦人科での検査をおすすめします。
子宮腺筋症は子宮内膜組織が子宮の筋肉層(子宮筋層)に入り込んで増殖する病気です。
子宮内膜症と症状が似ており、強い月経痛・過多月経・生理期間の延長が主な特徴です。
30〜40代に多く、年齢とともに症状が悪化する傾向があります。
鎮痛薬で対処できなくなってきた場合は受診を検討してください。
卵巣嚢腫とは卵巣に液体が溜まった袋(嚢胞)ができた状態で、良性のものが多いですが大きくなると下腹部の違和感・圧迫感・片側の鈍痛が現れます。
生理終わりかけのチクチクした片側の痛みが繰り返す場合は卵巣嚢腫の可能性も考えられます。
超音波検査で確認できるため、気になる場合は婦人科を受診しましょう。
生理が終わった後の早い時期に片側の下腹部がチクチク・ズキンと痛む場合、排卵痛の可能性があります。
排卵時に卵子が卵巣から飛び出る際に微量の出血や腹膜への刺激が起きることで痛みが生じます。
通常は数時間〜2日程度で自然に治まりますが、痛みが強い・長く続く場合は卵巣嚢腫や黄体出血との鑑別が必要なため受診してください。
子宮内膜ポリープは子宮の内側にできるイボ状の良性の腫瘍です。
不正出血(生理以外の時期の出血)や生理期間の延長・下腹部の違和感が主な症状で、自覚症状が少ない場合もあります。
生理が終わりかけても不正出血が続く・生理期間が長い場合は婦人科での超音波検査を受けることをおすすめします。
生理終わりかけの腹痛の原因が子宮ではなく腸にある場合もあります。
過敏性腸症候群(IBS)・クローン病・潰瘍性大腸炎などの腸の病気は、下腹部痛・下痢・便秘などの症状が生理と重なりやすく、「生理終わりかけの腹痛」と混同されることがあります。
生理と無関係に腹痛・下痢・血便が続く場合は消化器内科を受診してください。
膀胱炎・尿道炎・尿管結石などの尿路の病気も下腹部痛の原因になります。
排尿時の痛み・頻尿・血尿を伴う場合は婦人科ではなく泌尿器科・内科への受診が適切です。
生理終わりかけの時期に重なることで「生理のせい」と判断してしまいやすいため注意が必要です。
生理終わりかけの腹痛には、その場で和らげる対処法と繰り返しを防ぐ予防法があります。
体を温めることで骨盤周りの血流を改善し、プロスタグランジンの滞留を和らげることができます。
カイロや湯たんぽを下腹部・腰に当てる・温かいお風呂にゆっくり浸かることが効果的です。
生理終わりかけは基礎体温が最も低い時期のため、体を冷やさない意識が特に重要です。
市販の鎮痛薬(イブプロフェン・ロキソプロフェン・アセトアミノフェンなど)は、プロスタグランジンの産生を抑えて痛みを和らげる効果があります。
痛みが出てから服用するより、痛みが出始めたタイミングで早めに服用する方が効果的です。
胃への影響が気になる方は食後に服用するか、胃腸薬を併用しましょう。
生理終わりかけの少量の経血が長時間蒸れることで雑菌が繁殖しやすくなり、デリケートゾーンのかぶれ・不快感が生じることがあります。
吸収量の少ない薄いナプキンに切り替えてこまめに交換することで、清潔を保つことができます。
軽いストレッチは骨盤周りの血流を改善し、プロスタグランジンの滞留を和らげる効果が期待できます。
おすすめはキャットカウ(四つん這いで背中を丸める・反らす動き)と仰向けで膝を抱える動作です。
激しい運動は逆に負担になるため、軽くゆっくりと行うことがポイントです。
痛みが強い場合は無理に動かず安静を優先しましょう。
毎月の生理終わりかけの腹痛がつらい場合・鎮痛薬が効きにくくなってきた場合は、低用量ピル(LEP:月経困難症治療薬)を婦人科に相談することも選択肢のひとつです。
プロスタグランジンの産生を抑えることで生理痛・月経困難症の症状を大幅に和らげられる場合があります。
子宮内膜症・子宮腺筋症など器質的な疾患が背景にある場合にも効果が期待できます。
『ピルは避妊薬』というイメージが強くて、生理痛で婦人科に相談するのをずっとためらっていました。でも低用量ピルは月経困難症の治療薬として保険適用で処方してもらえる場合があると知ってから、婦人科に行くハードルがぐっと下がりました。毎月つらい思いをしているなら、一度相談してみる価値は十分あると思います。
生理終わりかけの腹痛は、様子を見てよい場合と早急に受診すべき場合があります。
以下のサインが出ている場合は婦人科への受診を検討してください。
- 鎮痛薬を服用しても痛みが治まらない・効きにくくなってきた
- 生理痛が年々悪化している
- 生理以外の時期にも下腹部痛・腰痛が続いている
- 片側(右または左)の下腹部痛が繰り返す
- 発熱・悪寒・異常なおりものを伴う
- 生理の経血量が多い・生理期間が8日以上続く
- 生理が終わっても不正出血が続いている
- 痛みで日常生活・仕事・睡眠に支障が出ている
上記に当てはまる場合は子宮内膜症・子宮筋腫・子宮腺筋症・卵巣嚢腫などの疾患が背景にある可能性があります。
「生理だから仕方ない」と我慢し続けることで診断が遅れるケースがあるため、気になる症状は早めに婦人科を受診することをおすすめします。
生理終わりかけの腹痛は、骨盤内のうっ血・プロスタグランジンの残留・排卵の準備・器質的な疾患など複数の原因が考えられます。
痛みのタイプ(重い・キリキリ・チクチク・激痛)によって原因が異なるため、自分の症状に合わせて対処法を選ぶことが重要です。
下腹部を温める・早めの鎮痛薬・ストレッチで多くの場合は改善が期待できますが、毎月繰り返す・鎮痛薬が効きにくい・年々悪化しているという場合は婦人科への相談を検討してください。
低用量ピルによって生理痛を大幅に和らげられる場合もあります。
いつでもオイテルは、生理の悩みを「仕方ない」と諦めずに、正しい情報と行動につながる場所でありたいと思っています。
- 生理終わりかけの腹痛は「重い・キリキリ・チクチク・激痛」の4タイプで原因が違う
- 終わりかけの下痢はプロスタグランジンが腸を刺激していることが主な原因
- チクチクした片側の痛みは排卵準備・卵巣嚢腫の可能性を疑ってみる
- 鎮痛薬が効きにくい・年々悪化しているなら婦人科を受診しよう
- 低用量ピル(LEP)は生理終わりかけの腹痛にも効果が期待できる

