生理じゃないのに子宮に痛みがあると、悪い病気なのではないかと不安になるでしょう。
今回は生理じゃないときに現れる子宮の痛みについて次の内容をわかりやすく解説します。
生理日以外で子宮が痛くなる原因は大きく4つあります。ひとつずつ詳しくみていきましょう。
子宮まわりの痛みが月経終了~月経開始の間の時期に起こるときは、排卵痛の可能性があります。
排卵痛とは、卵子が卵胞の壁を破って卵管へ飛び出すときに感じる痛みです。
痛みは、排卵時の1~3日程度でおさまります。
月経周期が28日間の人であれば、排卵日は生理開始から約14日後です。
排卵痛では、破れた卵胞から出血があるため「排卵期出血」と呼ばれる少量の不正出血を伴うことがあります。
性交痛は、性行為中や性行為の後に感じる痛みです。
性行為があると「オキシトシン」というホルモンが脳から分泌されます。
オキシトシンには子宮を収縮させる働きがあるため、痛みを感じやすくなるのです。
性交後30分程度でおさまることが多いですが、人によっては数日間続くこともあります。
性行為中に膣の奥の方や子宮近くの痛みがある場合は、婦人科系の病気が隠れていることがあります。
更年期に入ると、エストロゲンの減少により、自律神経の働きが乱れることが原因で子宮や下腹部の痛みを感じやすくなります。
自律神経が乱れると血流が悪くなるため、下腹部まわりが冷えて痛みが起こるのです。
また子宮は直腸と隣り合っているため、子宮が痛いと思っていても、実際は腸が原因である可能性があります。
自律神経の乱れにより腸の動きが悪くなるため、下痢や便秘になることで下腹部の痛みが起こりやすくなります。
精神的・身体的なストレスにより、卵巣の静脈に血液が滞ることで子宮まわりに痛みを感じやすくなります。
身体的なストレスには、妊娠・出産・長時間の立ち仕事が挙げられます。
痛みは夕方になると強くなり、3~6ヶ月以上続くことが多いです。
生理日以外で生理痛のような痛みが起こるのは、婦人科系の病気である可能性があります。
どのような病気が原因になるのかみていきましょう。
子宮内膜症は、子宮以外の卵巣や腸などに子宮内膜の組織が生じてしまう病気です。
子宮内膜の組織が子宮以外のところに広がることで、まわりの臓器とくっついて炎症を起こすため、生理じゃなくても子宮まわりに痛みが起こります。
痛み以外の症状には、経血量の増加・吐き気・頭痛などがあります。
子宮筋腫は、子宮に良性の腫瘍ができる病気で、30代以上の人に多くみられます。
下腹部が圧迫されるような鈍い痛みがあるのが特徴です。
腫瘍が大きくなるにつれ、痛みがだんだん強くなることもあります。
子宮筋腫では、不正出血・貧血・頻尿を伴うことがあります。
子宮腺筋症は、子宮内膜に似た組織が子宮筋のなかに生じる病気で、30代後半以上の人に多くみられます。
子宮筋腫と異なり、病変部分がわかりにくいのが特徴です。
生理日以外の下腹部だけでなく、腰痛・不正出血・貧血を伴うことがあります。
子宮頸部や子宮に発生するがんをそれぞれ子宮頸がん、子宮体がんと呼びます。
がんの初期では自覚症状が少なく、症状が現れたときには進行していることが多いです。
がんが大きくなると圧迫されるような鈍い痛みが起こります。
痛み以外に、子宮頸がんでは性交痛、子宮体がんでは不正出血の症状を伴うことがあります。
異所性妊娠は、子宮外妊娠とも呼ばれ、子宮以外の場所に受精卵が着床した状態です。
妊娠の継続は不可能であるため、発見された時点で手術が行われます。
発見が遅れると受精卵の成長に伴い、激しい腹痛が突然起こります。
着床した場所によっては、大量出血やショック症状が起こるため生命にかかわり、非常に危険です。
婦人科疾患ではなくても、子宮まわりに痛みが起こる病気がいくつかあります。
それぞれ確認しましょう。
子宮と腸は近い場所にあるため、腸の病気が原因で子宮まわりに痛みが生じることがあります。
キリキリした痛みがあり下痢を伴うときは急性腸炎、みぞおちで始まった痛みが数日後に右下腹部に移動するときは虫垂炎、下腹部痛に血便や下痢を伴う場合は潰瘍性大腸炎などの可能性があります。
下腹部に重苦しい痛みやチクチクした痛みに排尿痛を伴う場合は、膀胱炎や尿道炎などの尿路感染症である可能性があります。
子宮と膀胱は隣り合っているため、子宮の痛みだと思って受診したら尿路の病気だったというケースもよくあります。
尿路の病気のときは、症状が進むと血尿が出ることも特徴です。
骨盤内や子宮頸管の炎症で子宮まわりに痛みが起こることがあります。
炎症の主な原因は、クラミジア・トラコマチスや淋菌による性感染症です。
下腹部全体の強い痛みに高熱を伴うときは、骨盤腹膜炎の可能性があります。
性交時の出血やおりものの増加があり、下腹部痛が現れたときはクラミジア感染症が考えられます。
生理じゃないのに子宮が痛くてつらいときのセルフケアを3つ紹介します。
痛みでつらくなったら、早めに鎮痛剤を服用しましょう。
我慢してしまい時間が経ってから鎮痛剤を服用しても、効果が十分に得られないことがあります。
鎮痛剤を服用してから30分~1時間経っても痛みが改善しない場合は、重大な病気が隠れている可能性があるため、早急に医療機関を受診することをおすすめします。
体が冷えると血行が悪くなり、子宮やお腹まわりの筋肉が緊張して痛みを感じる原因になります。
お腹まわりをカイロや湯たんぽで温めたり、温かい飲み物をとったりして、筋肉の緊張を緩めると痛みがやわらぎます。
日ごろから体を冷やさないように、羽織ものを活用したり靴下やレッグウォーマーを履いたりするとよいでしょう。
軽い運動を行うと、筋肉の緊張がほぐれて子宮まわりの痛みがやわらぎます。
また軽い運動はストレスを解消する効果もあり、ストレス性の痛みの改善にもつながります。
軽い運動は、ウォーキング・ヨガ・ストレッチがおすすめです。
生理日以外でも子宮まわりに痛みがあるときは、我慢せずに病院を受診することをおすすめします。
症状と受診するタイミングの目安は以下のとおりです。
以下の症状があり自力で動ける場合は、できるだけ早く病院の診察時間内に受診しましょう。
- 我慢できる範囲の痛みだが3日以上続いている
- 少量の不正出血がある
- 発熱・下痢・吐き気を伴うが、水分補給はできている
次の症状の場合は、時間を問わず至急病院を受診しましょう。自力で動けなかったり意識がはっきりしなかったりするときは、救急車を要請してください。
- 鎮痛剤を服用しても効果がない
- 激しい痛みで歩くことも寝ることも難しい
- 大量の不正出血がある
- めまいがある
- 嘔吐や吐き気が止まらない
- 時間の経過とともに痛みが激しくなる
生理じゃないのに子宮まわりが痛くなる原因は、病気と関係ないもの・婦人科系の病気・腸や尿路の病気などさまざまです。
痛みがつらいときは、鎮痛剤を服用する・お腹まわりを温める・軽い運動をするなどのセルフケアを行うと症状がやわらぎます。
生理日以外の子宮まわりの痛みで、症状が3日以上続いたり不正出血を伴ったりする場合は、病気が隠れている可能性があります。
できるだけ早く婦人科のある病院を受診し、検査を受けるようにしましょう。
- 生理じゃないのに子宮近くが痛くなる原因は、病気と関係ないもの・婦人科系の病気・腸や尿路の病気などさまざまある
- 痛みがつらいときは、鎮痛剤を服用する・お腹まわりを温める・軽い運動をすると症状がやわらぐ
- 生理日以外の下腹部痛で、症状が長引いたり不正出血を伴ったりする場合は、病気が隠れている可能性があるため、早めに婦人科を受診する
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