更年期の終わりのサインは?最後の大暴れはいつ?終わり方や対処法を解説

40代後半から50代前半にかけての時期を、更年期と呼びます。

閉経前後の5年を合わせた約10年間にわたり、さまざまな不調が出てくる時期です。

症状が長く続いていると「更年期の終わりのサインを知れたら耐えられるのに」と思う人がいるかもしれません。

SNSなどで「更年期の症状には、最後の大暴れがある」と見て、不安な気持ちになった人もいるでしょう。

今回は、更年期の終わりのサインや、最後の大暴れの時期について解説します。

更年期の対処法も紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。

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更年期の終わりのサインは明確にはない!終わり方は曖昧

つらい更年期を過ごしている人のなかには「更年期の終わり方を知っておくと安心できる」と思う人もいるでしょう。

結論、更年期の終わりのサインはありません。

そもそも更年期とは、生理が完全に止まる「閉経」の前後5年間をさす言葉のため、閉経年齢の平均値から5年後の55歳を目安としてとらえるのはよいでしょう。

閉経したかどうかは検査で調べることが可能です。

しかし、更年期症状の程度やいつまで続くかについては個人差があり「更年期の終わり方として、明確に認識できるサインや基準はない」と考えましょう。

更年期の最後の大暴れは「閉経後2年間」

SNSなどで「更年期症状には最後の大暴れがある」という情報を見聞きし、不安な気持ちを抱える人も少なくありません。

閉経前後2年間は、女性ホルモン分泌量の変化が大きくなるため、更年期症状の重さがピークに達するといわれています。

年齢を重ね卵巣機能が低下していき、エストロゲン(卵胞ホルモン)やプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が急激に少なくなっていく時期が、更年期です。

ホルモン分泌と同じく脳の視床下部が司る自律神経も乱れやすく、体調も不安定になります。

閉経前後はホルモンバランスの不安定な状態が強まりやすく、心身がついていかずに、つらい思いをしやすいでしょう。

プレ更年期~アフター更年期にみられる心身の変化

30代後半から女性の身体には変化が現れ始め、時期によってそれぞれ症状や過ごし方が変わります。

「更年期を過ぎたら元気になった」という体験談を見て、気持ちが少し楽になった人もいるでしょう。

自分の年齢で現れる症状を知っておくことも、適切な対処法を見つけるうえで大切です。

ここからは、プレ更年期~アフター更年期(ポスト更年期)にかけて起こる身体の変化について解説します。

プレ更年期(30代後半~40代前半)

エストロゲン分泌量の低下は30代後半から始まるため、この頃から自律神経が乱れ、心身の変化を感じる人が出てきます。

プレ更年期にみられる代表的な症状は、以下のとおりです。

  • 月経周期の短縮や経血量の減少
  • めまい
  • 緊張性頭痛
  • 不眠
  • むくみ
  • イライラや気分の落ち込み

ただし、この時期にみられるつらい症状は、PMS(月経前症候群)やほかの病気が原因の可能性もあるため「プレ更年期のせいだろう」と決めつけず、病院を受診するべきです。

更年期(40代後半~50代前半)

閉経前後5年間に当てはまる40代後半〜50代前半は「更年期」と呼ばれ、心身にさまざまな症状が現れます。

代表的な更年期症状は、以下のとおりです。

  • ホットフラッシュ
  • 動悸
  • 頭痛
  • めまい
  • イライラ・怒りっぽい
  • 不眠
  • 抑うつ
  • 便秘

更年期症状の程度には個人差があり、不調がほとんどない人がいる一方で、日常生活に支障が出るほど症状が重い人も。

症状が重く、生活に支障が出る場合を「更年期障害」と呼びます。

アフター更年期(50代後半以降)

閉経後の50代後半を過ぎて「アフター更年期(ポスト更年期)」に入ると、女性ホルモン分泌の減少に身体が慣れてきて、更年期症状が改善するケースが一般的です。

一方で、女性ホルモンがほとんど分泌されなくなるため、以下に示す変化がみられるでしょう。

  • 骨がもろくなり、骨粗しょう症になりやすくなる
  • 血管がもろくなる
  • 糖尿病などの生活習慣病にかかりやすくなる
  • 子宮体がん発症のリスクが高まる
  • 腟内環境が悪化し、萎縮性腟炎になりやすくなる

更年期症状を緩和する方法・対処法は?

更年期には、規則正しい生活をおこなうことを意識しましょう。

  • 栄養バランスのとれた食事を選ぶ
  • 運動習慣を身につける
  • 十分な睡眠をとる
  • ストレスを減らし、心身をリフレッシュする

更年期は、今一度自分の心身と向き合い、生活習慣を見直す時期ととらえるとよいですよ。

更年期症状で病院を受診する目安や治療法は?

更年期症状がつらく、日常生活に支障が出ている更年期障害の場合は、婦人科で治療を受けることをおすすめします。

主に行われるのは、以下のような治療法です。

  • 女性ホルモンを体外から補う「ホルモン補充療法」
  • 抗うつ薬や向精神薬
  • 漢方薬

1人ひとりの体調や希望に合わせて治療法が選択されるため、医師と十分に相談してくださいね。

更年期の終わりのサインはない!心身の変化に応じて生活習慣の見直しや婦人科の受診を考えよう

更年期の終わりのサインには、明確なものはありません。

閉経年齢の平均値(50歳)から5年後の55歳を、終わりの目安としてとらえるとよいでしょう。

閉経前後2年間は、女性ホルモン分泌量の変化が大きくなるため、更年期症状の重さがピークに達するといわれています。

この時期は「更年期の最後の大暴れ」と呼ばれることも。

閉経後の50代後半を過ぎたアフター更年期では、女性ホルモン分泌の減少に身体が慣れてきて、更年期症状が改善するケースが一般的です。

更年期の症状を緩和するためには、規則正しい生活をおこなうことを意識しましょう。

この記事のまとめ
  • 更年期の終わりのサインは明確ではないが、55歳ごろが目安に終わると考えよう
  • 更年期の最後の大暴れは、女性ホルモンの変化が大きい閉経後2年間
  • エストロゲンの減少は、30代後半から始まり、この時期から不調を訴える人も
  • 更年期は、自身の生活習慣を見直す時期ととらえよう
  • 更年期症状がつらく、日常生活に支障が出ている場合は、婦人科を受診して