「生理周期が人より早い気がするけど、これって大丈夫?」と不安を感じている人は少なくありません。
一般的な生理周期は25日~38日とされており、人によって周期の間隔が異なります。
ただし、24日よりも早い場合は、何かしらのトラブルが隠れていることも。
この記事では、年代別の生理周期が早い原因や考えられる病気、セルフケア方法、受診の目安について解説します。
みんなはどうしてる?
アンケート実施中
生理周期とは、前の生理開始日から次の生理開始の前日までの期間のことです。
一般的な月経周期は、25日~38日の範囲におさまります。
この範囲におさまっていれば、1週間以内のずれなら過度な心配はいりません。
もし、この期間よりも早く生理が来る場合は「頻発月経(ひんぱつげっけい)」と呼ばれ、年代別に生理周期が短くなる理由が異なります。
ここからは、それぞれの年代で生理周期が早まる原因をみていきましょう。
思春期は性機能が未熟なため、頻発月経が起こりやすいです。
排卵までの期間が短縮されたり、排卵は起こらないのに、出血がみられる「無排卵性月経(むはいらんせいげっけい)」が起こったりします。
10代のときには生理周期が短くても、成長とともに卵巣機能が安定する可能性もあるため、治療の必要がないケースがほとんどです。
性機能が成熟した20代以降に生理周期が短くなる場合、ストレスや偏食、過度なダイエット、睡眠不足などによるホルモンバランスの乱れが原因の可能性が高いです。
この時期の頻発月経を含む月経不順は、不妊の原因になることも。
できるだけ早めに婦人科を受診し、原因を特定しましょう。
30代後半からは卵巣機能が低下し、ホルモン分泌が乱れるため、生理周期が乱れやすいです。
40代後半からは更年期を迎え、生理周期が短くなるのを感じる人も多いでしょう。
40代からの頻発月経は、無排卵性や卵胞期短縮性の頻発月経が多く、漢方などで経過観察することも。
そのほか、経血量が増加する「過多月経(かたげっけい)」になったり、閉経に向けて生理周期が40日以上の「稀発月経(きはつげっけい)」になったりします。
生理周期は、ホルモンバランスの変化により、大きく4つの時期に分けられます。
ここからは、それぞれの時期の特徴をみていきましょう。
卵胞期は、女性ホルモンの1つである「エストロゲン(卵胞ホルモン)」の分泌が増える時期です。
卵巣では卵子のもとである原始卵胞が成長し、子宮内膜が増殖するため、増殖期とも呼ばれます。
基礎体温を測定している人であれば、低温期が卵胞期にあたると考えましょう。
髪や肌の調子がよくなったり、副交感神経が優位になるため、精神的に安定したりします。
卵胞が十分に育つと、排卵が起こる排卵期を迎えます。
基礎体温は1度少し低下し、急上昇して高温期に入るでしょう。
ホルモン分泌の変化が大きいため、心身ともに不安定になる人もいます。
黄体期は、分泌期とも呼ばれ、女性ホルモンの1つである「プロゲステロン(黄体ホルモン)」が増える時期です。
子宮内膜が厚くなり、妊娠に適した子宮の状態に移行するでしょう。
基礎体温を測定している場合、高温期を示します。
黄体期の後半には、PMS(月経前症候群)に悩む人も。
受精卵の着床が起きず、妊娠が成立しなかった時に、子宮内膜が経血に混じって体外に排出される生理が起こります。
基礎体温は、生理が始まるとともに低下して、低温期に入るでしょう。
生理の後半は、徐々にエストロゲンが分泌されるようになるため、気持ちが前向きになる人もいます。
生理周期が短くなる場合、何らかの病気が隠れている可能性があります。
不妊につながることもあるため、早めの治療が必要です。
ここからは、生理周期が早い原因となる病気について紹介します。
卵胞期短縮症とは、生理から排卵までの卵胞期が短くなり、頻発月経を引き起こす病気のことです。
思春期や更年期など、ホルモン分泌が不安定な時期に多く、経血によるトラブルがない場合は、治療せずに経過観察することも多いでしょう。
ただし、妊娠を望む場合、受精に適した卵子がうまく育たない可能性がある点に注意が必要です。
黄体機能不全とは、黄体ホルモンが十分に分泌されずに黄体期が短くなってしまい、子宮内膜を妊娠に適した環境で保てない状態のことです。
不妊や流産をくり返す原因になるだけでなく、排卵のタイミングがつかみにくく、妊娠可能な時期がわかりにくくなります。
排卵後に体温が十分に上がらない場合や、高温期が短い場合には黄体機能不全を疑いましょう。
肥満や摂食障害、運動不足などの生活習慣の問題が原因で起こります。
30代~40代で生理周期が短くなる場合、甲状腺の病気が隠れている可能性があります。
甲状腺ホルモンが過剰に分泌される「甲状腺機能亢進症」では、代謝が異常に活発になるため、月経周期の短縮や月経量が減る「過少月経(かしょうげっけい)」になることも。
「いつもより早く来た生理だと思っていたら、不正出血だった」というケースもあります。
不正出血とは、生理以外のタイミングで起こる性器からの出血のことです。
不正出血は、ホルモンバランスの乱れで起こることが多いですが、なかには、病気が隠れていることも。
不正出血を招く代表的な病気は、以下のとおりです。
- 子宮体がん
- 子宮頸がん
- 子宮内膜増殖症
- 卵巣機能不全
- 腟炎
不正出血と生理の見分け方については、以下の記事でくわしく解説しています。

生理周期が短くなった場合、何をしたらよいか迷う人も多いでしょう。
まず、基礎体温を測定し、自身の生理周期の特徴を把握するのがおすすめです。
さらに日常生活では、ホルモンバランスを整えるために、以下の工夫をしてみましょう。
- ストレスを発散する
- バランスのよい食事をとる
- 十分な睡眠を確保する
- 適度に運動する
生理周期が短い場合、早めに婦人科を受診することも大切です。
漢方や低用量ピル、ホルモン補充療法など、年代や妊娠希望の有無を考慮に入れた治療が選択されますよ。
生理周期が24日よりも早い状態が続く場合、頻発月経と呼ばれ、注意が必要です。
ホルモンバランスの乱れやストレス、生活習慣の影響から、加齢や病気による影響まで、生理周期が短くなる原因はさまざま。
特に30代後半以降は、卵巣機能の低下や更年期の入り口として現れることもあります。
放置すると妊娠しづらくなったり、不正出血や婦人科系疾患の見逃しにつながる可能性も。
まずは、基礎体温を測定して排卵の有無を確認し、必要に応じて婦人科で相談しましょう。
- 生理周期が24日以内の場合は「頻発月経」に該当する
- 年代によって原因が異なり、10代では未熟な性機能、20代以降ではストレスや生活習慣が影響
- 更年期に近づくと卵巣機能の低下で周期が短くなることも
- 卵胞期短縮症や黄体機能不全、甲状腺の病気が関係しているケースも
- 基礎体温の測定や生活習慣の見直しに加え、早めの婦人科受診が大切