セルフお灸とは?妊活・着床サポートにも役立つツボと正しい使い方・注意点

お灸と聞くと「肩こりなどに悩んでいるときに、鍼灸院で受けるもの」というイメージを持つ人は多いのではないでしょうか。

しかし、最近はセルフお灸温活などを取り入れる人も増えてきているようです。

さまざまな商品の発売で、お灸を手軽に取り入れられるようになったとはいえ、正しい使い方や注意点を知らないと、体調に悪影響をおよぼすことも。

ここからは、セルフお灸について解説するとともに、基本的なやり方や注意したい点を紹介します。

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セルフお灸とは?

お灸は長い歴史があるケア方法ですが「熱い器具を肩に乗せる」など曖昧なイメージを持っている人も少なくないでしょう。

ここからは、セルフお灸についてや、セルフお灸で使われる道具について解説します。

そもそもお灸とは?

お灸は、ツボを心地よく温める方法でおこなわれます。

お灸で使用される「もぐさ」は、ヨモギの葉の裏側にある絨毛が原料です。

最近では、肌に直接もぐさを乗せる古来のお灸以外にも、肌から一定距離を離して温熱刺激を与えるお灸も多いですよ。

肩まわりや腰まわりのケア、冷えを感じるときなど、幅広いシーンで取り入れられます。

セルフお灸のタイプ

最近は、さまざまなタイプのお灸が販売されています。

  • 火を使うお灸(台座灸)
  • ヨモギが炭化されている無煙棒灸
  • 火を使わないお灸
  • 温度や施灸時間をコントロールできる棒温灸
  • ローラー本体に棒温灸を入れて使う温灸ローラー

火を使わないお灸のなかには、管理医療機器(不具合が生じた場合でも、人体へのリスクが比較的低いと考えられるもので、それらのうち認証基準のあるものの、製造販売にあたっては第三者認証機関による認証が必要な機器)もあります。

香りが選べるお灸もあり、好みに合わせてお灸を選べるようになっていますよ。

セルフお灸の基本的なやり方

セルフお灸は誤った方法でおこなうと、思うような心地よさを感じられないばかりか、体調を崩したり、火傷したりする可能性があります。

ここからは、セルフお灸の基本的なやり方をみていきましょう。

お灸をすえる場所(ツボ)の探し方

お灸をすえるポイントに触れると、以下の特徴がみられることが多いです。

  • 肌のハリがない・へこんでいる
  • 肌が乾燥している
  • 軽い圧痛がある

自分の身体を観察し、その日の状態に合った場所に使用しましょう。

自宅で安全にお灸をするためのステップ

たとえば、火を使うお灸の一般的な使い方は、以下のとおりです。

  1. お灸の台座の裏紙を剥がす
  2. 台座を指に貼り、もぐさに火をつける
  3. もぐさに火がついたら、肌に貼り付ける

汗をかいている場合は、肌の汗を拭き取ってから使用しましょう。

火を使わないタイプはシールをはがして貼るだけでよいものもあるので、ライフスタイルに合わせて使い分けるのをおすすめします。

セルフお灸を使った妊活・着床サポート

妊活や着床をサポートする目的でセルフお灸を検討する人が増えてきました。

妊活中のリラックスケアとして、ストレス緩和や身体の冷えなどにアプローチしたツボを選ぶ人も多いです。

ここからは、妊活中のセルフお灸で選ばれるツボを紹介します。

ただし、妊娠初期・不妊治療中の方は、自己判断でセルフお灸をおこなうのではなく、医師の指導を優先してください。

基本のツボ|足三里(あしさんり)

膝の外側のくぼみから指4本下にある足三里は、妊活・着床サポートにおける基本のツボとして押さえておくとよいでしょう。

胃腸周りに不調を感じるときや、疲労回復を目的として押されるツボです。

排卵前|三陰交(さんいんこう)

足首から指4本上、骨と筋肉の境目にある三陰交は、排卵前にセルフお灸をおこなうとよいでしょう。

中医学の考え方では、足の三つの陰の経絡(肝・脾・腎)が交わる場所であり、女性の生殖機能に関わると考えられています。

排卵前|中極(ちゅうきょく)・関元(かんげん)

おへその約3cm下にある中極や、おへその指4本分下にある関元にも、排卵前にセルフお灸をおこなってもよいでしょう。

子宮機能や着床のサポートなどで、鍼灸師が選ぶことがあるツボです。

排卵後|外関(がいかん)・照海(しょうかい)・太衝(たいしょう)

排卵後には、セルフお灸をおこなうツボを変えるとよいでしょう。

  • 外関:手の甲と手首の境目にあるしわの真ん中から、指3本分ひじ側へ進んだ場所にある
  • 照海:足の親指と人差し指の骨と腱が接するところ、V字のくぼみから少し小高くなっている場所にある
  • 太衝:足の甲の親指と人さし指の骨が交わるところから、やや指先よりのへこみにある

リラックスを意識したケアや、身体の冷えやストレスを感じたときのセルフケアとして押されるツボです。

セルフお灸をする時の注意点

「美容の観点からセルフお灸を顔に使いたいけれど、大丈夫?」「副作用はないの?」などの疑問を持つ人は多いのではないでしょうか。

ここからは、セルフお灸をする時の注意点を解説します。

顔には使わない・火傷・刺激の強さなどに注意

セルフお灸を顔に使用するのは絶対にやめましょう。

粘膜、湿疹やかぶれ、傷口がある部位も避けてください。

ほかの部位でも、火傷や水疱ができるのを避けるためには、熱さを感じたらすぐに取り外しましょう。

熱さを感じなくても、肌の赤みやかゆみが現われた時も、お灸を取り外す合図です。

熱さや痛み、赤みを我慢せず、適切に使用しましょう。

灸あたりすることも

お灸をすえることで、体内の血行に影響が出るため、疲労感や気持ち悪さを抱く「灸あたり」が現われることも。

灸あたりを感じたら、すぐにセルフお灸の使用を中止しましょう。

避けた方がいいケース

セルフお灸を避けるべきケースは、以下のとおりです。

  • 妊娠中の人
  • 糖尿病や血行障害がある人
  • 煙に過敏に反応して咳込むアレルギーをもつ人

上記に当てはまる人は、鍼灸治療をおこなっている専門家の指示を仰ぎましょう。

さらに、入浴前後や食事直後、飲酒した後や発熱時も、セルフお灸の使用を避けてください。

セルフお灸を取り入れて身体の巡りを意識しよう!注意点を押さえて安全性に配慮しておこなって

セルフお灸は、身体の巡りを整えるケア方法の1つです。

リラックスしながらツボを適切に温めることで、肩こりや冷え、ストレスによる不調などに向き合いやすくなるかもしれません。

お灸の種類ややり方を理解し、自分に合ったペースで取り入れることが大切です。

妊活中でセルフお灸を検討する場合は、必ず医師の判断を仰いでください。

体調や安全面にも配慮しながら、セルフケアとして取り入れてみるとよいでしょう。

この記事のまとめ
  • セルフお灸は冷え・肩こり・女性特有の不調で取り入れる人が多い
  • 台座灸・棒灸・火を使わないタイプなど種類も豊富
  • ツボの探し方と正しい手順を知ることが大切
  • 火傷や刺激のしすぎに注意し、体調に合わせて使う
  • 妊活や着床サポートの目的でセルフお灸をおこなう場合は、必ず医師に相談して