毎月、生理前になると眠れないという悩みはありませんか。
眠れないことが原因で、日中の眠気がひどかったり、気分が優れなかったりする人もいるでしょう。
今回は、生理前に眠れない原因や、寝つきが悪いときの対処法、質の高い睡眠をとるための生活習慣について解説します。
自分に合った対策を見つけて、生理前の睡眠不足を解消しましょう。
生理前になると眠れない原因は、高温期に黄体ホルモンの分泌量が増えるためです。
黄体ホルモンには、妊娠にそなえて子宮内膜を維持する・乳腺を発達させるなどの作用に加えて、基礎体温を上げる作用もあります。
黄体ホルモンの基礎体温を上げる作用が、睡眠に影響し、眠りにつきづらくなるのです。
正常な睡眠のとき、深部体温のリズムは、日中は高く、夜間は低くなります。
月経周期の高温期では、黄体ホルモン量が増えて体温が上昇するため、深部体温が下がりにくくなるのです。
そのため、生理前は深部体温のメリハリがつかず、寝つきが悪くなったり睡眠の質が低下したりします。
生理前の眠れないときに、寝つきを良くする対処法を3つ紹介します。
簡単に行えるため、自分にあった方法を見つけましょう。
自然な眠りを促すには、副交感神経を高めてリラックスすることが必要です。
音楽やアロマの力を借りて、リラックスできる時間を作りましょう。
波の音や鳥のさえずりなどのヒーリング音楽や、モーツァルトの楽曲を聴くと、リラックスしやすいといわれています。
オレンジ精油やラベンダー精油は、気持ちを落ち着かせるといわれているため、寝る前に香りを部屋全体にほんのり漂わせるのもおすすめです。
なかなか眠れないときは、ハーブティーやホットミルクを飲むのも良いでしょう。
ハーブティーは、覚醒作用のあるカフェインを含まないため、寝る前に飲んでも差し支えありません。
ミルクには、自律神経の働きを整えるカルシウムが豊富に含まれています。
また、温かい飲み物は体の緊張をほぐし、リラックスさせてくれるため、寝つきを良くするのに効果的です。
生理前に眠れなくて、できるだけ早く効果を感じたいときはツボを押してみましょう。
眠りへ導く基本のツボは、労宮(ろうきゅう)と失眠(しつみん)です。
それぞれ以下の場所にあります。
- 労宮:手を握ったときに、中指の指先が当たるところ
- 失眠:足の裏側で、かかとの中央
ツボを押すときは、痛気持ちいいくらいの強さで、深呼吸をしながらゆっくり押すようにしましょう。
生理前に眠れなくなるのを防ぐには、普段から生活習慣に気を配ることが大切です。
日常生活で取り組める対策を5つ紹介するので、できることから始めましょう。
日ごろから運動習慣がある人は、睡眠トラブルが少ないといわれています。
寝つきを良くしたり、睡眠の質を上げたりするためには、運動を行うタイミングや種類も重要です。
運動は、午後から夕方の時間帯に行い、就寝3時間前までに終えるようにしましょう。
就寝前の運動は、体が興奮してしまい、かえって寝つきが悪くなります。
快眠に役立つ運動の種類は、ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動です。
激しい運動は、交感神経が高まってしまい、睡眠を妨げるため注意しましょう。
寝る前にブルーライトをたくさん浴びると、脳が覚醒するのに加え、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌量が減るため、寝つきが悪くなります。
就寝1時間〜2時間前から、テレビ・パソコン・スマートフォンの使用を控えましょう。
また、寝室の照明が明るすぎると、自律神経の働きが乱れて、寝つきに悪影響を及ぼします。
照明の光が直接目のなかに入らないように、寝室は間接照明にすると良いですよ。
トリプトファンは必須アミノ酸の1つで、睡眠ホルモンのメラトニンを作るのに深くかかわっています。
必須アミノ酸は、体のなかで作ることができないため、食品から摂取しなくてはいけません。
トリプトファンを多く含む食品は、大豆製品・乳製品・卵・バナナなどがあります。
夜に安定してメラトニンを分泌するために、トリプトファンを含む食品は、朝食時に十分とるようにしましょう。
カフェインには、脳を目覚めさせる作用や排尿を促す作用があるため、寝る前に摂取するのは避けてください。
カフェインは摂取してから、効果が半分になるまで4時間〜6時間ほどかかります。
コーヒー・紅茶・チョコレートなど、カフェインを含む飲食物をとるのは、16時ごろまでにとどめておくと、睡眠への影響が少なくなるでしょう。
夜になって体の深部体温が下がると、自然な眠気を誘うようになります。
入浴を上手に利用して体温をコントロールできると、寝つきの改善につながるのです。
寝つきを良くするためには、就寝2時間前までに入浴を済ませましょう。
湯温が高いと、逆に交感神経が高まって睡眠の質が下がるため、38℃〜40℃のぬるめの湯をおすすめします。
日常生活を改善しても、生理前に眠れないときは、漢方薬で治療することも。
生理前の睡眠障害に対して使われる漢方薬を2つ紹介します。
加味逍遥散は、不眠のほかに、月経周期に伴うイライラや気分の落ち込みなど、精神的な症状があるときに用いられる薬です。
漢方医学には、体を形づくる「気・血・水」の3つの要素があり、加味逍遥散は「気」と「血」の巡りを整えて、効果を発揮します。
半夏厚朴湯は、眠れない・喉が詰まった感じがする・不安が強いなどのストレス症状があるときに使用される薬です。
漢方医学において、ストレスは「気」が滞ることで現れると考えられ、半夏厚朴湯は気の巡りを促して症状を改善します。
生理前に眠れなくて、日常生活に支障をきたす場合は、月経前症候群(PMS)や月経前不快気分障害(PMDD)の可能性も考えられるでしょう。
PMSやPMDDの治療には、以下の薬が用いられることがあります。
低用量ピルを服用すると、排卵を止めて、ホルモンバランスの変動を抑えられます。
それにより、月経周期に伴って現れる不眠・気分の落ち込み・頭痛・胸の張りなどの症状を改善するのです。
生理前のみならず、月経のときに下腹部痛や吐き気などの月経困難症の症状もみられるときは、保険適用の低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)が用いられることがあります。
生理前に眠れないこと以外に、気分が落ち込む・ひどくイライラする・感情が不安定になるなど、精神的な症状が多く現れるときは、抗うつ薬のSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を用いることがあります。
重症の場合は、婦人科ではなく、心療内科や精神科への受診を勧められる可能性があるでしょう。
生理前に眠れなくなる原因は、高温期に黄体ホルモンの分泌量が増えて、基礎体温が上昇することにあります。
基礎体温が上がると、寝る前の深部体温が下がりにくくなり、寝つきが悪くなるのです。
生理前に眠れないときは、音楽やアロマでリラックスする時間を作ったり、ツボ押しをしたりして対処しましょう。
生理前の睡眠不足を防ぐために、日ごろから運動習慣をつける・寝る前にブルーライトを浴びないなどの生活習慣に気をつけることも大切です。
さまざまな対策を行っても症状が改善しない場合は、月経前症候群(PMS)や月経前不快気分障害(PMDD)かもしれません。
症状がひどくてつらい場合は、早めに婦人科を受診しましょう。
- 生理前に眠れなくなる原因は、黄体ホルモンの分泌量が増えて、基礎体温が上昇するため
- 生理前に寝つけないときは、リラックス時間を作ったりツボを押したりする
- 質の高い睡眠のために、運動習慣をつける・就寝前のブルーライトを避けるなどの対策を日常的に行う
- 症状がひどい場合は、月経前症候群(PMS)や月経前不快気分障害(PMDD)の可能性
- 生理前に眠れなくて日常生活に支障をきたすときは、早めに婦人科を受診する
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