40代後半になると、多くの女性が更年期を迎えます。
更年期とは、閉経前後の5年間を合わせた10年間のことです。
この時期の女性の身体の中では、ホルモンバランスの変化にともない、心身共にさまざまな不調が現れます。
症状が重く、日常生活に支障が出てしまう「更年期障害」になる人もいる一方で、ほとんど症状がないまま更年期を終える人も。
更年期障害にならない人の特徴を知ることで、日々の過ごし方のヒントが得られるはずです。
今回は、更年期障害にならない人の特徴や、今からできる対策を紹介します。
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早い人なら30代後半のプレ更年期から心身の変化がみられ、40代後半からの更年期には、心身ともにさまざまな不調に悩まされる人がとても多いです。
更年期症状の程度には個人差があり、日常生活に支障が出る人がいる一方で、更年期障害にならない人も。
厚生労働省の調査では、更年期障害にならない人の割合は、約15%だったと報告されています。
ここからは、更年期障害にならない人の特徴をみていきましょう。
参考:厚生労働省「更年期症状・障害に関する意識調査」基本集計結果(2022年7月26 日)
栄養バランスのとれた食事をきちんと摂取することで、身体の機能が正常に保たれ、ホルモンバランスや自律神経の乱れが防げます。
単一の食べ物に頼るのではなく、主食や主菜、副菜をバランスよくとることが大切です。
更年期障害にならない人は、ストレッチやヨガ、ウォーキングなどの運動を週に3回〜4回取り入れていることが多いです。
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動には、更年期障害の緩和が期待できます。
運動習慣があると、血行の改善やストレス解消につながり、自律神経が整うのでおすすめです。
質の高い睡眠をとることで、心身のバランスが保たれるため、更年期症状が和らぐといわれています。
朝スッキリと目覚めて、日中に眠気が来ない状態が理想です。
ストレスを適度に発散している人は、更年期障害になりにくいでしょう。
ストレスが多い人は、セロトニンやアドレナリンなどのホルモンバランスが乱れやすく、更年期障害の症状が出てしまいやすいです。
疲れた時に十分な休息をとることも大切で、心身をリフレッシュさせることを意識するとよいでしょう。
そもそも、更年期障害とはどういうものなのか知っておきましょう。
さらに、更年期障害になりやすい人とならない人の違いを知って、自分を振り返るきっかけにするのも大切です。
更年期障害とは、更年期にさまざまな症状が現れ、症状が重く、日常生活に支障をきたした状態のことです。
加齢とともに卵巣機能が低下し、女性ホルモンの分泌が急激に低下します。
すると、ホルモンバランスの変化にともない自律神経の乱れが生じて、さまざまな不調を感じるようになるのです。
代表的な症状は、次のようなものが挙げられます。
- ホットフラッシュ
- 動悸・息切れ
- むくみ
- 冷え
- 吐き気
- イライラ・気分の落ち込み
- 下痢・便秘
- 肩こり・腰痛
- 頭痛
- 月経異常
更年期障害だと思っていた症状の原因が、ほかの病気の可能性もあるため、気になる症状があれば婦人科を受診するとよいでしょう。
更年期障害になるかどうかには、女性ホルモン分泌量の減少に加えて、体質や気質、生活環境が大きく関わっています。
たとえば、真面目な人や完璧主義な人はストレスが溜まりやすく、更年期障害になりやすいです。
自律神経のバランスが整っているかどうかが、更年期障害になる人とならない人の違いといえます。
生活習慣や人間関係の問題を解消することで、自律神経の乱れが落ち着き、症状が緩和するケースも。
「体質や環境が悪いから」と諦めずに、自分自身と向き合うことで、更年期障害を改善するきっかけをつかめるでしょう。
更年期障害にならないためには、生活習慣を見直すことが最も大切です。
規則正しい日常生活を送ることで、自律神経が整いやすくなり、更年期症状の緩和・予防につながります。
ここからは、更年期障害を予防・改善する対策についてみていきましょう。
更年期障害の予防が期待できる食材を意識的に取り入れることで、身体のバランスが整っていくでしょう。
おすすめの栄養素や食材は、以下のとおりです。
- エストロゲンと似た働きをする大豆イソフラボン:豆腐、きなこ、豆乳、納豆
- ホルモンバランスを調整するビタミンE:アーモンド、かぼちゃ、アボカド
- 心を安定させ、睡眠をうながすメラトニンの原料になるセロトニン:大豆、豆腐、納豆、牛乳、ヨーグルト
ただし「これだけ食べていればいい」という食材はなく、栄養バランスのよい食事を意識することが大切です。
主食・副菜・主菜が3:2:1のバランスになるようにメニューを組みましょう。
適度な運動には、血行をうながしたり、自律神経を整えたりする効果が期待できます。
更年期は太りやすくなる時期でもありますが、運動習慣があれば体重増加も防げるでしょう。
ジョギングやウォーキング、水泳など、楽しめる運動を取り入れてくださいね。
質のよい睡眠は、更年期障害を緩和する効果が期待できます。
- 寝る前90分~2時間前に入浴する
- 寝る前のスマホを控える
- 寝る前にアルコールやカフェインを摂取しない
- 湿度や温度を適度に保ち、睡眠環境を整える
こうした工夫を通して、心身の疲労を取り除く睡眠をとりましょう。
更年期障害は、適切な治療で症状の改善が期待できます。
問診や血液検査を通じて、診断をおこない、適切な治療法を選択しますよ。
- ホルモン補充療法:貼り薬や飲み薬、塗り薬で女性ホルモンを補充し、ホットフラッシュなどの症状を改善する
- 漢方薬:心身のバランスを整える効果が期待できる
- 向精神薬・抗うつ薬:気分の落ち込みやイライラ、不眠の症状がつらい時に処方する
こうした治療と合わせて、生活習慣の改善に取り組みましょう。
更年期障害にならない人の特徴は、自律神経が整っていることです。
更年期には、卵巣機能の低下によるエストロゲンの減少によって、さまざまな症状がみられます。
症状の程度には、体質や気質、生活環境が影響することを押さえておきましょう。
更年期障害にならない人は、生活習慣が整っていたり、適度にストレスを発散できていたりするのが特徴です。
自身の食生活や運動習慣、睡眠など、自律神経に影響をおよぼす生活習慣を見直してみると、更年期障害にならない人になるためのヒントが見つかるでしょう。
- 早い人では30代以降から更年期症状を感じ、40代後半になると心身ともに不調を訴える人が増える
- 更年期症状の程度には個人差がある
- 更年期障害にならない人の特徴は、規則正しい生活習慣が身についていること
- 症状の度合いは、卵巣機能の低下によるエストロゲンの減少や体質・気質、生活環境の影響を受ける
- 婦人科での適切な治療と生活習慣の改善によって、更年期障害を緩和しよう