体の冷えに悩む方にとって、毎日の食事で内側から温める工夫は欠かせません。
とくに果物は、食べ方や種類によっては温活に役立つものも多くあるのです。
この記事では、体を温める果物や食材・飲み物の一覧に加え、薬膳や東洋医学の考え方、体を冷やす食べ物についても解説します。
冷え対策に効果的な取り入れ方も紹介しているので、ぜひ日々の食事や習慣に役立ててみてください。
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果物には体を冷やすイメージがあるかもしれませんが、なかには以下のように温活に効果的な種類もあります。
| 【体を温める果物一覧】 |
| ・みかん・りんご・ぶどう ・さくらんぼ・桃・レモン |
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
関連記事:冷え性改善おすすめ食べ物15選|冷えタイプ別イチオシ栄養素と食べ方のコツ
みかんにはビタミンCや食物繊維が豊富に含まれており、肌の調子を整えるだけでなく、便秘やむくみの予防にもつながります。
とくに温活で注目されているのが、皮や白い筋に含まれる「ヘスペリジン」という成分です。
ヘスペリジンには血流を促進する働きがあり、体を内側から温める効果が期待できます。
加熱に弱い成分のため、生のまま食べるかスムージーなどで取り入れましょう。
りんごはビタミンCやミネラル、食物繊維がバランスよく含まれており、栄養価の高い果物です。
皮の部分には「りんごポリフェノール」が豊富に含まれていて、抗酸化作用によって血流を促進する働きがあります。
そのため、体を温めたいときにもおすすめのフルーツなのです。
加熱すると甘みが増すだけでなく、栄養の吸収率も高まるため、焼きりんごやホットフルーツにして食べるといいでしょう。
ぶどうにはポリフェノールが豊富に含まれており、とくに皮の色が濃い品種ほど抗酸化作用が強いとされています。
なかでも「レスベラトロール」は血流を良くし、冷えの予防に役立つ成分として注目されているのです。
皮ごと食べることで、より多くの成分を摂取できます。
そのまま食べるほか、レーズンなどドライフルーツにすると保存しやすく、温活中の間食にもぴったりです。
さくらんぼには鉄分や葉酸が含まれており、血を補いながら巡りを良くする働きが期待できます。
鉄分はとくに女性に不足しやすい栄養素のひとつで、冷え性の改善にも関係しているのです。
また、クエン酸も含まれており、代謝を高めて体を内側から温める効果もあります。
フレッシュなさくらんぼはもちろん、季節外にはドライフルーツで取り入れる方法もおすすめです。
桃にはビタミンEやナイアシンが含まれており、血行を促進して体を温める作用があるとされています。
また、これらの成分は代謝をサポートし、冷え性の予防にも役立つのです。
さらに、桃には食物繊維も多く含まれているため、腸内環境を整える働きも期待できます。
腸の動きが活発になることで体の内側から温まりやすくなるため、温活と腸活の両面で取り入れたい果物です。
レモンにはクエン酸が多く含まれており、代謝を促して血流を良くする働きがあります。
疲労物質である乳酸の分解を助けることで、体の巡りを整え、冷えの改善にもつなげてくれるのです。
また、皮の部分には「ヘスペリジン」という成分が含まれており、毛細血管を強くして血行をサポートする効果が期待されています。
より高い温活効果を得るには、料理や飲み物に皮ごと取り入れてみましょう。
体を温める働きがあるのは果物だけではありません。
ここでは、野菜や肉類、発酵食品など、冷え対策に役立つ代表的な食材を種類ごとにまとめました。
| 【体を温める果物以外の食べ物】 | |
| ■野菜 | ・人参・じゃがいも・生姜・ニンニク |
| ■肉類・魚介類 | ・牛肉・鶏肉・イワシ・マグロ |
| ■発酵食品・調味料 | ・納豆・味噌・キムチ・チーズ・黒砂糖・シナモン・わさび |
これらの食材は、体内の巡りを整えたり、熱を生み出す働きを助けたりする特徴があります。
とくに発酵食品や根菜類は、消化を助けながら体を芯から温める作用があるため、温活の食事に積極的に取り入れたい食材です。
体を温めるには、食べ物だけでなく飲み物の工夫も大切です。
以下のような、体を冷やしにくい飲み物を選ぶことで、内側からの冷え対策につなげましょう。
| 【体を温める飲み物】 |
| ・白湯・ココア・甘酒・ルイボスティー・紅茶 |
温かい飲み物はそれだけでも体をほっと緩めてくれますが、成分にも注目するとより効果的です。
たとえば、甘酒には発酵食品としての働きがあり、ココアや紅茶には血流を促す成分が含まれています。
季節や体調に合わせて取り入れてみてください。
関連記事:冷え性の改善を目指す人におすすめの飲み物とは?効果的な飲み方とNG飲料も紹介
体の冷えに悩んでいる方には、漢方の考え方を取り入れたケアも効果的です。
冷えの原因は体質や生活習慣によって異なるため、自分のタイプに合った漢方を選びましょう。
ここでは、代表的な冷えタイプと相性の良い漢方薬を紹介します。
桂枝茯苓丸は、体内の血の巡りが悪くなる「瘀血(おけつ)」の状態に着目した漢方薬で、下半身の冷えに悩む方に古くから処方されています。
とくに、足先だけ冷える、下半身が重だるい、顔がのぼせるといった症状がある場合に使われることが多く、体の巡りを整えることで冷えを和らげる作用があると考えられているのです。
さらに、肩こりや月経不順、肌荒れなどの血行不良に関連した不調にも応用されることもあり、女性の体調ケアにも広く処方されてきました。
加味逍遙散は、ストレスや情緒の乱れが原因で自律神経が乱れ、冷えやのぼせといった不調が出やすい方に向けてよくおすすめされる漢方薬です。
気の巡りを整える作用に優れており、イライラや不安感、胃腸の不調などが重なっている場合にも使うことがあります。
ストレスによる血行不良は、手足の冷えだけでなく慢性的な疲労感にもつながるため、心と体の両方をやさしく整えるとされるこの漢方は、心因性の冷え対策にぴったりです。
当帰芍薬散は、手足の冷えやむくみ、生理不順など、血と水分のバランスが崩れやすい体質の方に処方されることがある漢方薬です。
血を補いながら巡りを促進する「補血活血作用」があるとされ、冷えによる倦怠感やふらつきが気になる方に選ばれることがあります。
とくに、貧血ぎみで体力があまりない方に処方されることが多く、やさしく体を温めていくと言われています。
冷えやすい体を内側から整えるためのサポートとして活用されることが多いでしょう。
人参養栄湯は、冷えとともに体力の低下や胃腸の不調が見られる方に用いられることがある漢方薬です。
人参や当帰、黄耆(おうぎ)などが配合されており、消化機能を整えながら、体の内側からエネルギーを補うサポートをするとされています。
食欲不振や疲れやすさ、貧血傾向のある方に使われることが多く、冷えやすい手足をじんわりと温めていくとされる漢方です。
虚弱体質で冷えを感じやすい方に用いられることが多いとされています。
体を温める食材がある一方で、反対に体の熱を奪いやすい食べ物も存在します。
冷えが気になる方は、以下のような食材を摂りすぎないよう注意が必要です。
| 【体を冷やす食べ物】 |
| ・バナナ・スイカ・パイナップル・レモン・トマト・ナス・きゅうり・豆腐・しじみ・緑茶・ミント |
これらの食材は、水分が多く含まれていたり、東洋医学で「寒涼性」と分類されているものが多く、体の熱を逃がしやすい特徴があります。
夏のような暑い季節には適していますが、冷え性の方や冬場は控えめにし、温める食材とのバランスを考えることが大切です。
東洋医学における「体を温める食べ物」とは、体内の熱を生み出し、血流や代謝を促す性質を持つ「陽性」の食材を指します。
冷えを改善するためには、こうした陽性の食材を日々の食事に取り入れることが大切です。
東洋医学では、すべての物事を「陰」と「陽」に分けて考え、心身のバランスを保つことが健康につながるとされています。
食材も同様に、体を冷やす「陰性」と温める「陽性」に分類され、寒い土地で育つ根菜類や発酵食品などが陽性の代表例です。
ただし、すべての食材が明確に陰陽に分かれるわけではなく、「中庸」と呼ばれる中間の性質をもつものもあります。
こうした陰陽のバランスに目を向けることが、東洋医学における冷え対策の基本とされているのです。
体を温める果物は、そのまま食べるだけでも冷え対策に役立ちますが、食べ方や組み合わせを工夫することで、より高い温活効果が期待できます。
ここでは、日常の中で取り入れやすい具体的な方法を見ていきましょう。
果物は一般的に水分が多く、体を冷やしやすいとされますが、加熱することで「陰性」から「中庸」または「陽性」に近づき、体を冷やしにくくなります。
とくにりんごやバナナ、桃などは、焼くことで甘みが増し、温活向きのホットフルーツとして楽しめるのが魅力です。
皮付きのまま加熱することで、ポリフェノールや食物繊維を効率よく摂れます。
朝食メニューやおやつにも取り入れやすく、焼くのは寒い季節にぴったりの食べ方です。
果物を乾燥させたドライフルーツは、水分量が少なくなることで体を冷やしにくくなり、温活にも取り入れやすい食品です。
食物繊維やミネラルが凝縮されており、少量でも満足感があるため、間食にもぴったりでしょう。
とくに、りんごやプルーン、いちじくなどは冷え性対策に適しており、鉄分やポリフェノールも含まれています。
より健康的を意識するなら、砂糖不使用のものを選んでみてください。
冷え対策として果物を取り入れるときは、白湯や紅茶などの温かい飲み物と一緒に摂るのがおすすめです。
果物そのものに水分が多いため、単体で食べると体を冷やすこともありますが、温かい飲み物を合わせることで体温の低下を防ぎやすくなります。
とくに朝食時や間食のタイミングで意識的に組み合わせると、体を内側からじんわり温める助けになるでしょう。
果物を摂るだけでなく、軽い運動やストレッチを組み合わせることで、体を温める効果がより高まります。
とくに食後は血流が活発になりやすく、ストレッチを取り入れることで全身に熱が巡りやすくなるのです。
肩や腰、足首などをやさしく動かすことで、冷えが気になる部位の血行も促進されます。
毎日の習慣として無理のない範囲で続けることが、効果的に長く続けるポイントです。
体の冷えを根本から改善するには、食事だけでなく生活習慣の見直しも大切です。
とくにお風呂に浸かる習慣は、体を芯から温めるうえで非常に効果的とされています。
シャワーだけで済ませるよりも、湯船にゆっくり浸かることで血流が促され、内臓の冷えにもアプローチできるのです。
果物や温かい飲み物を取り入れたあとは、リラックスも兼ねてしっかりと入浴することをおすすめします。
冷えは放っておくと、代謝の低下や体調不良につながるおそれがあります。
体を内側から温めるには、毎日の食事の中で意識的に温活に適した果物や食材を選ぶことが大切です。
みかんやりんごなどのフルーツはそのままでも良いですが、加熱したり、温かい飲み物と組み合わせたりすることで、より効果的に体を温めることができます。
生活習慣と食事の両面から、冷えに負けない体づくりを心がけましょう。
- 冷え対策には、体を温める食材を知って積極的に摂取するのが効果的
- 果物は焼いたりドライフルーツにしたりすることで、より温活向きになる
- 一緒に摂る飲み物の工夫や入浴習慣、ストレッチなどとの組み合わせもおすすめ
