手足の冷えがつらい末端冷え性は、筋肉量の低下によって血流や代謝が落ちてしまうことが原因のひとつとされています。
また、自律神経のバランスが乱れることで、冷えが長引くことも。
この記事では、下半身やお腹まわりを中心とした筋トレと、冷えに効く食事のとり方を紹介します。
ストレッチのように気軽に取り入れられるものから始めて、冷えにくい体を目指していきましょう。
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筋肉は、体の熱を生み出す主要な器官であり、全体の熱産生の約6割を担っています。
特に女性は男性に比べて筋肉量が少なく、脂肪がつきやすいため、冷えを感じやすい傾向に。
筋肉は、収縮によって血液を全身に送り出すポンプの役割も果たしているため、筋肉が減ると血流も悪化して、冷えが強まりやすくなります。
そのため、加齢や運動不足によって筋肉が衰えると、代謝も低下し、冷えが慢性化するという悪循環に陥るケースも少なくありません。
末端冷え性の改善には、日常的に体を動かし、筋肉量を維持・向上させることが大切です。
冷えやすい手足の先を温めるには、下半身の筋肉を鍛えるのが効果的です。
ここでは、自宅で手軽にできる下半身のトレーニング方法を3つ紹介します。
お尻の筋肉を鍛えることで、骨盤まわりの血流が良くなり、下半身から手足への冷えの改善が期待できます。
- 仰向けに寝て膝を立て、足を腰幅に開く
- 腕は体の横に置き、手のひらを床につける
- お尻をゆっくり持ち上げ、肩から膝までを一直線にする
- 数秒キープしたら、ゆっくり元の位置に戻す
これを15〜20回、無理のない範囲で繰り返しましょう。
ヒップリフトは負荷が軽く、運動が苦手な方でも取り入れやすいトレーニングです。
慣れてきたら、膝にクッションを挟んで行うと、内ももの筋肉にも刺激が入り、さらに効果がアップします。
太ももは体の中でも特に大きな筋肉が集まる部分で、ここを鍛えることで血流や代謝が高まり、末端冷え性の根本的な改善につながります。
- 足を肩幅よりやや広めに開き、つま先は少し外向きにする
- 背筋を伸ばし、お尻を後ろに引くようにして体をゆっくり沈める
- 膝がつま先より前に出ないように注意
- 太ももの筋肉を意識しながら、元の姿勢に戻る
5~10回を1セットとして、1日2~3セット目安で行いましょう。
慣れないうちは、いすにつかまりながら行っても問題ありません。
続けることで足腰の強化にもつながり、冷えにくい体づくりが期待できます。
ふくらはぎの筋肉は、血液を心臓へ押し戻すポンプのような働きをしています。
ふくらはぎの筋トレを続けることで足先の血流が良くなり、冷えの改善につながるでしょう。
- 背筋を伸ばしてまっすぐ立つ
- かかとをゆっくり持ち上げ、つま先立ちの状態で2〜3秒キープ
- かかとをゆっくり下ろして元に戻す
この動きを10〜20回繰り返しましょう。
姿勢が安定しないときは、壁や椅子に手を添えて行ってください。
毎日少しずつ続けることで、足先の冷えをやわらげ、むくみ対策にも役立ちます。
お腹周りをしっかり動かすことで、内臓の働きが活性化し、全身の血流や代謝を高めやすくなります。
ここでは、末端冷え性の改善に役立つお腹の筋トレを見ていきましょう。
腹直筋をピンポイントで鍛えるクランチは、体幹の中心を支える力を高め、冷えの原因となる血流の滞りや代謝低下の改善に役立ちます。
- 仰向けになり、膝を曲げて太ももを床と垂直に上げる
- 両手を頭の後ろに添え、肩を床から浮かせる
- おへそをのぞき込むように上体を丸める
- 息を吐きながら体を起こし、吸いながら戻す
この動きを、15〜20回を目安に行ってください。
クランチは、道具が不要で自宅でも取り入れやすい基本的な腹筋運動です。
勢いで起き上がらず、腹筋をしっかり使って動かすことが大切です。
下腹部や太ももまわりの筋肉を同時に動かすことで、血流を促進し、下半身から末端への冷えを和らげる効果が期待できます。
- 仰向けに寝て、背中をしっかり床につける
- 両手は頭の後ろで軽く組む
- 足を床から持ち上げ、自転車をこぐように交互に回す
この動きを10〜20回を目安に行い、慣れてきたら回数を増やしていきましょう。
頭を少し浮かせて膝を見ると、負荷がアップします
動きがシンプルで負荷も調整しやすいため、すき間時間にも続けやすいトレーニングです。
お腹の側面にある腹斜筋を鍛えることで、体幹のバランスが整いやすくなり、血流や代謝の向上を通じて冷えにくい体へと近づけます。
- 仰向けになり、膝を軽く曲げて両脚を持ち上げ浮かせる
- 両手を斜め後ろに伸ばし、体を安定させる
- お腹をへこませながら、両膝をそろえたまま右に倒す
- 息を吸いながら真ん中に戻し、左側も同様に倒す
左右交互に4〜8セットを目安に行いましょう。
体をひねる動きが入るため、腹筋の中でも普段使いにくい筋肉をしっかり刺激できます。
動作はゆっくり丁寧に行うのがポイントです。
筋トレで筋肉を動かしたあとは、栄養の摂り方にも気をつけましょう。
ここでは、冷え性対策をサポートするために、筋トレ後に積極的にとりたい食べ物を紹介します。
サラダチキンは、筋トレ後に必要なたんぱく質をしっかり補える便利な食材です。
脂肪が少なく消化にも優れているため、冷えの原因となる筋肉不足の対策にも役立ちます。
コンビニで手軽に買えるうえ、味のバリエーションも豊富なので、飽きずに取り入れやすいのも嬉しいポイントといえるでしょう。
野菜と一緒にサラダにすれば、ビタミンやミネラルもプラスできて、よりバランスの取れた一皿になります。
ひじきは、ミネラルや食物繊維が豊富で、筋トレ後の体を内側から整える働きがある食材です。
特に鉄分やカルシウムは、血流や代謝の維持に欠かせないため、冷え性改善にも役立ちます。
大豆やにんじんと一緒に煮物にすることで、たんぱく質やビタミン類もバランスよく摂取できるのも嬉しいポイントです。
作り置きしやすいため、忙しい日の食事にもプラス一品として取り入れてみましょう。
玄米は、白米に比べてビタミンやミネラル、食物繊維が豊富で、筋トレ後の体づくりをサポートしてくれます。
糖質を含みながらも、血糖値の急上昇を抑えやすいため、エネルギー源としても優れている食材です。
冷えの改善には基礎代謝の向上が欠かせないため、炭水化物も質にこだわって選びましょう。
きのこや根菜を使った味噌汁と一緒に取り入れることで、体を温めながら栄養バランスを整えやすくなります。
ゆで卵は、良質なたんぱく質やビタミン、ミネラルが手軽にとれる万能食材です。
筋肉の材料になるだけでなく、ビタミンB群や鉄分が血流をサポートし、冷えの予防にもつながります。
1個で満足感が得られるため、間食やおかずの一品としても優秀。
ゆでておけば保存も効くので、まとめて作っておくのがおすすめです。
塩だけでなく、酢やマスタードなどで味を変えると飽きずに楽しめます。
乳製品には、筋肉の合成を助けるたんぱく質や、血流や骨の健康に欠かせないカルシウムが豊富に含まれています。
特に、ヨーグルトやチーズは手軽に食べられるうえ、冷えの原因にもなる栄養バランスの乱れを整えるのに役立つでしょう。
生活習慣として朝食や間食に取り入れれば、不足しがちな栄養を無理なく補えます。
砂糖の少ないプレーンタイプを選び、果物やナッツを添えると、さらに効果的です。
末端冷え性を和らげるには、血流や代謝を支える筋肉をしっかり維持することが大切です。
なかでも、下半身やお腹まわりを意識的に動かすことで、体の内側からじんわりと温まりやすくなります。
さらに、筋トレのあとに必要な栄養をきちんと補えば、筋肉が育ちやすくなり、冷えにくい体づくりにつながっていくのです。
運動も食事も、できることから少しずつ習慣にして、冷えと向き合っていきましょう。
- 筋肉には熱を生み出し血流を促す役割があり、冷え対策に必要
- 下半身・お腹まわりの筋トレが体温を維持し冷えの改善に効果的
- 筋トレ後はたんぱく質とビタミンを摂れるような食事を意識する
