クラミジアに感染した女性に現れる症状は?原因や感染経路から治療法まで解説

日本で性感染症の感染者数第一位を占めるクラミジア。

女性が感染すると、どのような症状が現れるのでしょうか。

この記事では、クラミジアに感染した女性の症状や治療法に加えて、予防のための原因や感染経路もご紹介します。

男女ともに20代の若い方にも多い性感染症なので、「自分は大丈夫」と油断しないで目を通してみてください。

クラミジアとは?女性が感染する原因は?

クラミジアは、クラミジア・トラコマチスと呼ばれる病原体に感染して発症する性感染症の一種です。

日本国内で最も多い性感染症とされ、20代の感染者が増えています。

性交渉によって性器の粘膜から感染する場合が多く、お風呂の共有などで接触感染することはほぼありません。

女性では膣、尿道、咽頭、まれに腸や肛門に感染して発症します。

感染者と性交渉した場合、そのパートナーの感染率は50%以上と言われています。

いわゆる「ピンポン感染」でお互いうつしあう可能性が高いため、どちらかに感染が疑われたら双方とも検査を受けるのが望ましいでしょう。

女性の場合のクラミジア感染経路はどこ?

  • 性交渉による性器感染
  • 性器以外の性交渉による、咽頭、肛門、直腸

といったケースが大部分を占めます。

そのほか、感染者の体液が付いた手で目をこすり、目に感染する可能性もあります。

妊婦健診でも正常妊婦の3~5%にクラミジア保有者がいるとの統計結果があるほどで、それほど珍しい感染症ではありません。

「病院に行きづらい」と思わなくても大丈夫です。

(参考:NIID国立感染症研究所「性器クラミジア感染症とは」)

クラミジアにかかった女性の症状は?

クラミジアに感染した女性の症状はおりものの増加や不正出血などで、クラミジア特有の症状はありません。

感染しても半数の人は無症状であり、気がつくのが遅れる原因でもあります。

しかし、放置すると後に後遺症が残る可能性がありますので、早めの発見・対処が望ましいでしょう。

おりものの増加

クラミジアの感染によって子宮頸管に炎症が起こるとおりものの量が増えることがあります。

特徴的な色や臭いの変化はなく、クラミジア特有の症状ではないため気がつきにくい場合があるでしょう。

不正出血

クラミジアの感染によって子宮頸管炎が起こった結果、不正出血が生じる可能性があります。

これもクラミジア特有の症状ではないため、特に生理不順の方などは気が付かないことがあります。

性交痛・下腹部の痛み

クラミジアの感染を放置すると、身体の奥に感染が広がって炎症が起こり、性交痛や下腹部の痛みが現れる場合があります。

卵巣炎や骨盤腹膜炎などに進行した場合は骨盤内炎症性疾患となる可能性がありますので、放置せず早めの治療が必要です。

もし卵管に感染した場合は、自覚症状があまりないため発見が遅れることもあります。

女性がクラミジアに感染すると不妊症になる?

クラミジア感染は、男女ともに不妊症の原因の1つです。

自覚症状がないままに子宮頸管から子宮、卵管、骨盤内へと炎症が進行します。

卵管炎は卵管周囲の癒着を引き起こし、卵管閉塞や卵管水腫といった異常の原因となって卵管通過障害が起こるのです。

不妊治療の検査の際に、初めてクラミジア感染歴や卵管通過障害が判明することがあります。

また、子宮外妊娠の約3割はクラミジア感染しているというデータがあり、炎症による卵管機能の低下は子宮外妊娠のリスクにもなります。

女性のクラミジアの検査法は?

婦人科や泌尿器科、自治体の保健所で、クラミジアの存在の有無や感染歴検査が受けられます。

  • 心当たりがある
  • 気になる症状がある
  • パートナーが感染した

といった場合は早めに検査を受けるようにしましょう。

抗原検査

検査の時点でクラミジアに感染しているか調べます。

症状があって感染が疑われる部位に応じて、尿、うがい液、肛門分泌物などを

  • 結果が出るまでに2~3日要するリアルタイムPCR法
  • 当日中に結果が出ますが感度は劣るイムノクロマト法

のいずれかの遺伝子検査で調べる方法です。

感染の診断は、抗原検査の結果からなされる場合が多いでしょう。

抗体検査

クラミジアの感染歴を調べる検査です。

採血して、血液中のクラミジア抗体を調べます。

感染から4週間以降に検査可能で、早すぎた場合は偽陰性となることがあります。

IgAとIgGの2種類を調べ、それぞれの結果を組み合わせると以下のように感染状態が推定可能です。

  • どちらも陰性:感染歴がないか、ごく初期の感染
  • IgAのみ陽性:感染の可能性あり
  • IgGのみ陰性:過去感染の可能性あり
  • どちらも陽性:過去から継続して、現在も感染の可能性あり

女性のクラミジアの治療法は?

クラミジアに感染した場合、女性・男性を問わず抗生剤を内服します。

1回の内服で9割程度除菌が可能ですが、治療しきれない場合でも薬の種類を変更すると完治が期待できます。

完治には大体2週間程度かかりますが、症状が進行していれば数ヵ月と長期に渡る可能性もあります。

妊娠中でも使用可能な薬の種類があるため、受診時に必ず申し出るようにしましょう。

女性ができるクラミジアの予防法はある?

性行為の際の粘膜接触を避けます。

また、感染リスクを低下させるため、性交渉は特定のパートナーと行うようにしましょう。

  • 正しいコンドームの着用
  • 不特定多数との性交渉を避ける

この2点を守るようにしましょう。

女性がクラミジアに感染すると不妊になることも!無症状でも心当たりがあれば病院へ

女性がクラミジアに感染すると、おりものの増加や不正出血、性交痛などの症状が現れることがありますが、半分以上は無症状です。

放置すると炎症が子宮、卵巣といった腹部までおよび、不妊症や子宮外妊娠の原因になり得ます。

無症状で気がつかず、パートナーとうつしあうことも珍しくありません。

コンドームの適切な使用で感染を予防し、自覚症状がなくてもパートナーからの申し出があった場合、病院や保健所で検査を受けましょう。

この記事のまとめ
  • クラミジアに感染しても、半分は無症状で気づかないことが多いです
  • おりもの、不正出血、性交痛などが症状として起こる可能性があります
  • 放置すると不妊症や子宮外妊娠の原因になります
  • 感染予防のためにも、コンドームを正しく使用し、ピンポン感染を防ぎましょう

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