「生理が予定どおりに来ない」「生理が何ヶ月も来ていない」など、生理の乱れで悩んでいませんか。
生理の乱れのことを「生理不順」といいます。
今回は、生理不順がどのような病気なのかを解説します。
ほかにも、原因や治し方、放っておくとどうなるかについても解説するので、生理不順を改善するのにぜひ活用してください。
生理不順は、生理が来るサイクルが短すぎたり長すぎたりする状態を指します。
正常な生理周期は25日〜38日、変動は6日以内とされており、この基準から1つでも外れていると生理不順と考えられるでしょう。
生理不順は、以下の3種類に分けられます。
頻発月経は、月経周期が24日以下の状態をいい、排卵がある場合とない場合に分けられます。
排卵がある場合は、20代〜30代に多く、卵巣の働きが低下し、ホルモン分泌が正しく行われてないことが原因です。
排卵がない場合は、思春期や更年期に多くみられ、経血量は少ないにもかかわらず月経日数が長引くという特徴があります。
頻発月経では、月経の回数が多くなることで、貧血を起こしやすくなります。
稀発月経は、月経周期が39日以上、3ヶ月未満の状態をいい、ホルモンバランスの乱れが主な原因です。
ホルモンバランスが乱れる原因は、過剰なストレスや急激なダイエットといった無理な生活習慣、婦人科系の病気などが挙げられます。
稀発月経にも、排卵のある場合とない場合があり、排卵がない場合は不妊症につながることもあります。
無月経は、妊娠以外で3ヶ月以上月経が来ない状態をいいます。
激しい運動習慣・婦人科や内科の病気などにより、ホルモンバランスが乱れることが主な原因です。
早期閉経や薬の副作用によって無月経になることも。
ごくまれに、18歳を迎えても1度も月経が来ない「原発性無月経」があり、原因は遺伝性の病気・子宮や膣の奇形とされています。
生理不順を引き起こす原因はさまざまありますが、代表的なものは以下の5つです。
1つずつ詳しくみていきましょう。
精神的なストレス、睡眠不足やハードワークによって疲労が続くと、生理不順になる可能性があります。
生理をコントロールするのは、卵巣から分泌される2種類の女性ホルモン(卵胞ホルモン・黄体ホルモン)です。
女性ホルモンの分泌量の調整は、脳の視床下部からの指令によって行われています。
ストレスや疲労は、脳の働きを低下させて、卵巣へ正しい指令を送れなくなるため、ホルモンバランスが乱れて、月経不順になるのです。
過度なダイエットを行い、体重が大きく減ると、生理不順につながります。
人間の体の機能は、生きることを最優先に働くため、体重が減って命が危険だと感じると、生命に直接かかわらない機能を止めるのです。
女性の場合、過度なダイエットによって、エネルギー不足になり体重が減ると、脳が生命の危機を感じて、卵巣へ女性ホルモンを分泌する指令を送れなくなります。
そのため、女性ホルモンが分泌されなくなり、生理不順を引き起こすのです。
多のう胞性卵巣症候群(PCOS)は、正しく排卵が行われないため、生理不順が起こります。
そのほか、にきびができやすい、毛深くなる、声が低くなる、肥満になりやすいなどの症状が伴うことも。
検査を行うと、卵巣のなかに、のう胞と呼ばれる袋状のものがたくさん発見されることも、多のう胞性卵巣症候群の特徴です。
高プロラクチン血症では、排卵が起こりにくくなるため、生理不順を引き起こします。
プロラクチンは、授乳期間中に母乳を作るためのホルモンです。
授乳中は、エネルギー消費が多いため、体に負担をかけないように、生理を止めて妊娠しないようにする仕組みになっています。
授乳していないにもかかわらず、プロラクチンの値が高くなる原因は、脳下垂体の腫瘍・薬の副作用・甲状腺の病気・ストレスなどです。
更年期で閉経が近くなると、女性ホルモンの分泌量が減るため、生理不順になりやすいでしょう。
ほかにも、経血量が極端に少なくなる「過少月経」、出血量が多すぎる「過多月経」、ホットフラッシュ、イライラしやすいなどの症状が現れる人も。
40歳未満で閉経を迎える「早期閉経」においても、同様の症状がみられます。
生理不順が長い間続くと、卵巣の働きが低下することが分かっています。
そのため、将来的に妊娠しにくくなる可能性があるでしょう。
また、卵巣の働きが低下して、エストロゲンの分泌量が減ると、全身に影響が現れます。
エストロゲンが少なくなると、骨密度が低下するため、骨折や骨粗しょう症につながることも。
また、エストロゲンが減少すると、血管の内側が傷つきやすくなり、動脈硬化が進行することが知られています。
生理不順があると、妊娠しにくい可能性はあるでしょう。
しかし、一概に妊娠できないというわけではありません。
生理不順になると、排卵のタイミングが掴みにくくなるケースが多くみられます。
そのため、妊娠の希望がなければ、避妊は必要です。
生理不順になった原因によっては、排卵が起きていないこともあるため、妊娠の希望があるときは早めの受診をおすすめします。
日ごろから基礎体温を記録して、診察時に医師に確認してもらうと良いでしょう。
生理不順の治し方は、原因によって異なり、大きく3つに分けられます。
原因ごとの治し方を確認しましょう。
ストレスや過度なダイエットによる生理不順の場合は、以下のような生活習慣の改善を行います。
- 6時間以上の睡眠をとる
- 趣味を見つける
- 読書やアロマなどリラックスする時間を作る
- 1日3食バランスのとれた食事をとる
- トレーニング量を見直す
妊娠の希望がない場合は、低用量ピルで治療することもあります。
多のう胞性卵巣症候群や高プロラクチン血症の場合は、それぞれの病気に対する治療を行います。
多のう胞性卵巣症候群では、排卵誘発剤による治療が一般的です。
薬の効果がないときは、排卵しやすいように卵巣にいくつかの穴を開ける手術を行います。
高プロラクチン血症の主な治療薬は、プロラクチン値を下げるドパミン作動薬です。
また、高プロラクチン血症を引き起こす薬を服用しているときは、該当する薬を中止または減量します。
どちらの病気の場合も、妊娠希望がないときは、低用量ピルで治療することもあるでしょう。
更年期の場合は、生理不順のほかに症状がなければ、治療せずに経過観察となることも。
ただし、生理不順がひどくて日常生活に支障があったり、動悸やのぼせなどの更年期症状がつらかったりするときは、ホルモン補充療法(HRT)による治療を行います。
体質により、ホルモン治療が行えない場合は、漢方薬で治療します。
生理不順かもしれないと感じたとき、すぐに病院へ行くべきか悩む人もいるでしょう。
早めに受診した方が良い目安について解説します。
生理が規則的に来ている人でも、風邪を引いたり、何日か寝不足が続いたりすると、生理周期が一時的に乱れることがあります。
通常の周期から、6日以内のずれであれば問題ないでしょう。
しかし、生理周期が毎回バラバラで、次回の生理予定日がまったく予測できない状態であれば、早めに病院を受診してください。
生理不順を引き起こす原因を突き止めることが重要です。
今まで生理がきちんと来ていても、急に3ヶ月以上生理が来なくなった場合は、病院を受診しましょう。
正しく排卵が行われず、卵巣の機能が低下している可能性があります。
卵巣機能が低下すると、将来的に不妊症や骨粗しょう症につながることもあるため、病院で検査を受けることが大切です。
ダイエットによって体重が大きく減ったり、激しいトレーニングを行ったりした後に月経不順になる場合は、女性ホルモンの分泌が止まっているかもしれません。
放置すると全身に影響が及ぶ可能性があるため、できるだけ早めに病院を受診しましょう。
このケースの月経不順は、体のエネルギー不足が原因と考えられているため、食事量や運動量を見直すことが必要です。
生理不順は、正常の生理周期(25日〜38日)ではない範囲で、生理が来る状態のことです。
月経周期などの特徴から、頻発月経・稀発月経・無月経の3種類に分けられます。
生理不順になる主な原因は、ストレス・過度なダイエット・婦人科の病気です。
治療せず放っておくと、不妊症や骨粗しょう症などを引き起こすことも。
原因によって治療方法は異なりますが、妊娠希望がないときは低用量ピルを使用することが一般的です。
生理周期がいつも不規則である・3ヶ月以上生理が来ない・ダイエット後に生理が来ないなどあれば、将来の健康に影響を与えるため、早めに婦人科を受診しましょう。
- 生理不順とは、正常の月経周期ではない範囲で、生理が来る状態を指す
- 生理不順になる主な原因は、ストレス・過度なダイエット・婦人科の病気
- 放っておくと、不妊症や骨粗しょう症になる可能性がある
- 原因によって、治療方法は異なる
- 生理不順がみられたときは、放置せずに早めに婦人科を受診する
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