「生理中でも部活を休んでいいのかな?」と悩む女子中高生は多いです。
生理痛や頭痛、経血の排出によって、思うように動けないのに「サボってると思われたくない」「ほかの人は頑張ってるのに、自分だけ練習を休みにくい空気がある」などのプレッシャーから、無理してしまう人も少なくありません。
この記事は、生理中に部活を休むことへの罪悪感との付き合い方や、休む時の伝え方を解説します。
ナプキン・生理用ショーツの選び方なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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生理中に部活を休みたくても、周りの目が気になり、無理して参加してしまう人は多いのではないでしょうか。
ここからは、生理中に部活を休んでもよいのかという悩みを扱います。
生理の時の体調には個人差があり、理解してもらいにくい環境に置かれている人も少なくないでしょう。
しかし、生理中に部活を休むのは問題ありません。
スポーツ選手が怪我をして、コンディションが悪い時に運動を休むのと同じことだからです。
特に10代女性は、生理痛が重くなりやすいことも。
生理によって身体の中の血も少なくなり、脱水や貧血も起こしやすいため注意してください。
生理痛をはじめとした体調不良で部活を休みたい場合、伝え方を工夫しましょう。
どんな風につらさを感じているのか、症状を具体的に伝えるのがおすすめです。
- 立っているのもつらいほど生理痛があるため、お休みさせてください
- 椅子に座っていられないほどの腹痛があります
- 痛み止めを飲んだのですが、生理痛が治まりません
特に男性の先生が顧問だと、生理であることを伝えにくいと感じるかもしれません。
保健室の先生から伝えてもらうのも1つの方法です。
生理痛で学校を休む時の言い方の例は、以下の記事でも紹介しています。
生理期間の部活参加では、体調不良だけでなく、さまざまな悩みが生まれるもの。
ここからは、生理中の部活についてよくある悩みをまとめて解説します。
バスケ部、陸上部など運動部の試合中や、吹奏楽部の演奏中など、長時間トイレに行けずにナプキンを交換できないことがあるでしょう。
長時間ナプキンを交換できないと、経血が漏れてしまうリスクがあるだけでなく、衛生的にもあまりよくありません。
長時間変えられない場面の直前、直後をはじめ、ちょっとしたスキマ時間に交換するのが望ましいです。
タンポンやショーツ型ナプキンなど、長時間吸水が可能な生理用品も試してみてくださいね。
経血量が多く漏れてしまったり、匂いが気になったりして、周りに生理だとバレるのが嫌だと感じる人も多いです。
生理についてオープンにする人は増えてきたものの、今も恥ずかしいと感じる風潮は続いています。
漏れ・匂いの対策としては、こまめなナプキン交換が一番です。
持ち歩きが恥ずかしい場合は、ハンカチ型のナプキンポーチを使うのも良いでしょう。
生理痛や頭痛、吐き気などの体調不良でクラブ活動に集中できずに悩んでいる人は多いです。
体調に大きな問題はなくても、経血の漏れやナプキンのずれが気になる人も。
自分の身体と相談しながら、無理のないように過ごしてくださいね。
「生理中でも部活に参加したい」「大事な大会で休めない」という人もいるでしょう。
経血漏れやナプキンのずれを防ぐためには、自分に合った生理用品を選ぶことが大切です。
ここからは、おすすめの生理用品を紹介します。
羽つきナプキンは、身体の動きによるズレやヨレを最小限にするタイプ。
スポーツをおこなう時は、ナプキンをショーツにしっかり固定することが大切です。
羽をショーツの裏側にしまえる「サニタリーショーツ」と併用するとよいでしょう。
ナプキンをこまめに交換できない時は、タンポンを使うとよいでしょう。
タンポンとは、腟内に経血を吸収する製品のこと。
正しい位置に装着すれば、痛みを感じず、モレや匂いを感じにくいでしょう。
ただし、同じタンポンを8時間以上は入れっぱなしにしないことが大切です。
休憩時間などにトイレで交換しましょう。
ショーツそのものが経血を吸収してくれる吸水ショーツはムレにくく、ナプキンを使うよりも快適に過ごせると感じる人が多いアイテムです。
身体にフィットしたデザインを選べば、身体の動きによるズレも起きにくいでしょう。
吸水ショーツのおすすめは、以下の記事で紹介しています。
生理中に多くの人が悩むのは、お腹や腰の痛みでしょう。
無理せず部活に参加するためには、痛みの和らげ方を知っておくのがおすすめです。
ここからは、痛みを感じた時の対策を紹介します。
生理中に痛みがある時は、温めることで緊張がほぐれたり、血流がよくなったりして痛みが和らぐことがあります。
腹巻やひざかけを活用し、お腹周りや腰を温めるといいでしょう。
頭痛時は、首や肩の周辺を温めるのがおすすめです。
生理中にツボ押しを取り入れることで、不快感が和らぐことがあります。
おすすめのツボは、次のとおりです。
- 気海(きかい):おへそから指1本~2本下がったところにある
- 血海(けっかい):膝の皿の内側の端から指3本分上にある
- 合谷(ごうこく):手の甲側の親指と人差し指の骨が交わる部分よりも、少し人差し指寄りのくぼみにある
息を吐きながら5秒間ゆっくりと痛気持ちいい程度に押し、息を吸いながら5秒かけてゆっくり力を抜くことを3回~5回くり返すとよいです。
痛みがつらい場合は、我慢せずに痛み止めを飲むこともおすすめです。
痛すぎてどうしようもなくなるまで我慢すると、痛みの原因となる「プロスタグランジン」という物質が体内で増えてしまい、薬が効きにくくなります。
痛みが出始めたタイミングで飲むことで、プロスタグランジンの産生を抑えられますよ。
授業や部活動に出られないなど、生活がつらいレベルで生理による症状が重い場合は「月経困難症(げっけいこんなんしょう)」かもしれません。
ここからは、月経困難症について扱うとともに、受診の目安をみていきましょう。
月経困難症とは、生理の直前あるいは開始とともに、お腹や腰の強い痛み、吐き気・嘔吐(おうと)、下痢(げり)、頭痛などによって、日常生活に支障をきたす病的な状態のことです。
病気による「器質性(きしつせい)月経困難症」と、原因となる病気がない「機能性(きのうせい)月経困難症」に分けられます。
思春期の女性では、機能性月経困難症に悩む人が多いです。
10代〜20代前半女性のなかには、子宮の発達が十分ではない人も。
経血の出口である子宮頸管(けいかん)が狭いと経血がうまく外に出にくく、圧力がかかることによって生理痛が重くなりやすい傾向にあるでしょう。
生理中の部活がつらい時は、婦人科の受診を検討しましょう。
受診の目安は、以下のとおりです。
- 生理痛が強く、学校を休まざるを得ない
- 生理期間は痛み止めが手放せない
- 年齢を重ねるごとに生理痛がひどくなっている気がする
治療では、痛み止めのほか、低用量ピルや漢方薬が使われることも。
初めての生理以降、数年は性機能が十分に育っていないために生理が規則正しく来ない「生理不順」に悩まされる人も多いです。
ただし、生理不順は徐々に改善していくことが多いため、そこまで心配しなくてよいケースがほとんどでしょう。
生理中の部活参加には、体調やメンタル面での悩みがつきものです。
無理をして参加するよりも、身体の声に耳を傾けて休む選択をすることが、結果的に自分を守ることにつながります。
周囲に伝える時には、体調の具体的な状態を言葉にしたり、信頼できる先生に相談したりするとよいでしょう。
生理用品や痛みの対処法を工夫することで、より快適に過ごせる可能性もあります。
もし毎回のように生活に支障をきたすほどつらい場合は、「月経困難症」の可能性もあるため、婦人科で相談してみましょう。
- 生理中の体調不良で部活を休むのは悪いことではない
- 練習を休む時は具体的な症状を伝えると理解されやすい
- ナプキンやタンポン、吸水ショーツの工夫で漏れの心配が軽減される
- 痛みがある時は、体を温める・ツボ押し・痛み止めが効果的
- 生活に支障が出る生理痛は「月経困難症」の可能性あり
