体内の鉄分が不足することで発症する疾患は「貧血」です。
貧血は、検査で血液中のヘモグロビン値が基準値内に入っているかどうかで判断します。
血中ヘモグロビン値に異常はなくても、体内の貯蔵鉄(フェリチン)が不足している「潜在性鉄欠乏症」も注意が必要です。
貧血や潜在性鉄欠乏症は、20代~40代の日本人女性の約65%が該当するといわれています。
今回は、鉄分不足のチェックリストとともに、貧血になる原因や解消方法を確認しましょう。
(参考:厚生労働省「貧血・かくれ貧血 | 女性特有の健康課題|働く女性の心と体の応援サイト」)
体内の鉄分量が不足すると、さまざまな症状が現れます。
鉄分不足でみられる以下の症状に当てはまるかどうか、セルフチェックしましょう。
- 立ちくらみがよくある
- 体がだるい
- 動悸や息切れがある
- 顔色が悪いと言われる
- 瞼の裏側が白い
- 口内炎や舌炎になりやすい
- 頭痛や肩こりがつらい
- 爪が割れやすい
- 知らないうちにあざができている
- 肌が荒れたり抜け毛が増えたりしてきた
上記の症状はほかの病気でもみられますが、複数当てはまる場合は鉄分不足の可能性があります。
女性は月経があるため、男性と比べて鉄分不足になりやすいといわれています。
鉄分不足を起こす原因は、出血量が多い・鉄分摂取量が少ない・鉄分必要量が増えるの3つです。
ひとつずつ具体的に確認しましょう。
過多月経のように、昼間でも夜用ナプキンを使用しないといけないほど経血量が多いと、鉄分の排泄量も多くなるため、鉄分不足を起こしやすくなります。
過多月経になる原因には、子宮筋腫・子宮腺筋症・子宮内膜ポリープなどの子宮の病気や、黄体機能不全・無排卵周期症などのホルモン分泌の乱れが挙げられます。
偏食によって栄養素がかたよったり、ダイエットなどで食事量が減ったりすると、鉄分の摂取量が必要量に届かなくなり鉄分不足を招きます。
きちんと食事をとっているように思えても、外食やインスタント食品が多い場合は、栄養がかたより鉄分摂取量が少ない可能性があるため注意が必要です。
妊娠中や授乳中は、胎盤や母乳を通じて赤ちゃんに鉄分を送るため、母親の鉄分の必要量が増えます。
そのため、普段通りの食生活を続けると、鉄分不足になる可能性が高くなるのです。
厚生労働省では、妊娠初期9mg/日、妊娠中期・後期は16mg/日、授乳中は9mg/日の鉄分摂取を呼びかけています。
(参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会「日本人の食事摂取基準(2020年版)」)
鉄分は、体への吸収率が低いため、鉄分不足を解消するにはとり方の工夫が必要です。
5つの方法について、それぞれ詳しくみていきましょう。
鉄分にはヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があります。
鉄分不足が気になるときは、吸収率のよいヘム鉄を多く含む食材をとるようにしましょう。
ヘム鉄の吸収率は15~25%程度、非ヘム鉄は2~5%程度です。
ヘム鉄を多く含む食材には、赤身の肉・レバー・まぐろやかつおなどの魚類があります。
非ヘム鉄を多く含む食材は、ほうれん草・小松菜・貝類・ひじきなどです。
鉄分はビタミンCやタンパク質と一緒にとると吸収率がアップします。
ビタミンCには鉄分を吸収しやすい形に変える働きがあり、ブロッコリー・カラーピーマン・いも類に多く含まれています。
非ヘム鉄の多い野菜や海藻類は、タンパク質と一緒にとると吸収率がアップします。
タンパク質の多い肉・魚・卵・牛乳と組み合わせて調理すると良いでしょう。
鉄分摂取に気をつけたメニューを選んでも、吸収を下げる食材があるため、食べ合わせに注意が必要です。
食材にタンニンやリン酸が多く含まれていると、鉄分と結合して吸収されにくい状態に変化するため、一緒にとらないようにしましょう。
タンニンが含まれるものにはコーヒー・紅茶・緑茶があり、リン酸が含まれるものにはインスタント食品・加工肉・清涼飲料水が挙げられます。
鉄製の調理器具を使うと、調理中に鉄が少しずつ溶け出すため、鉄分が手軽に補給できます。
調理をするときに、お酢やトマトを使ったメニューにするとより多くの鉄分が溶け出します。
表面がテフロン加工やホーロー加工されている鉄製の調理器具は、調理をしても鉄分が溶け出さないため注意が必要です。
最近は、普通の鍋ややかんに入れて沸かすだけで鉄分が補給できる「鉄玉子」も市販されているため活用してみましょう。
令和元年国民健康・栄養調査報告では、20歳以上65歳未満の女性における鉄分摂取量の平均は7.5mgと報告されています。
月経がある女性に推奨される鉄分摂取量は、1日あたり10.5~12.0mgとなっており、通常の食事のみでは足りない可能性があります。
そのため、鉄分が含まれたサプリメントを利用するのもひとつの手です。
鉄分はとり過ぎると鉄過剰症を発症するため、サプリメントを利用する場合は、決められた摂取量を守るようにしましょう。
(参考:厚生労働省「日本人の食事摂取基準」策定検討会「日本人の食事摂取基準(2020年版)」)
(参考:厚生労働省「令和元年国民健康・栄養調査報告」)
20代〜40代の日本人女性は、約65%が体内の鉄分不足であるといわれています。
鉄分不足になる背景には、過多月経による鉄分排泄量の増加・偏食やダイエットによる鉄分摂取量の減少・妊娠や授乳による鉄分必要量の増加があります。
鉄分不足の解消には、ヘム鉄をとる・ビタミンCやタンパク質と一緒にとる・鉄製の調理器具を使うなど、効率よく摂取できるような工夫が必要です。
鉄分不足のチェック項目にいくつも当てはまる場合は、内科のある医療機関で血液検査を受けて体調を確認し、食生活を見直してみましょう。
- 20代~40代の日本人女性は、約65%が体内の鉄分不足
- 鉄分不足になる原因に、過多月経・偏食・ダイエット・妊娠・授乳がある
- 鉄分はヘム鉄をとる・ビタミンCやタンパク質と一緒にとる・鉄製の調理器具を使うなど効率よく摂取する工夫が必要
- 貧血症状に心当たりがある場合は、医療機関で血液検査を受けること
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