「生理周期が長いのは体質?それとも病気?」と、不安や疑問を感じている人は少なくありません。
生理周期が長くなる背景には、ホルモンバランスの乱れや婦人科系の病気、更年期による影響など、さまざまな原因が関わってくるのです。
この記事では、生理周期が長い人の特徴や、排卵日・妊娠週数の数え方、年齢別の受診目安についてくわしく解説します。
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正常な生理周期は25日~38日で、この範囲内であれば6日前後ずれても問題ありません。
しかし、生理周期が常に39日を超えると「稀発月経(きはつげっけい)」と呼ばれます。
生理不順を放置すると、不妊の原因となったり、骨を丈夫にする「卵胞ホルモン(エストロゲン)」の分泌が低下し、骨がもろくなったりするため、婦人科での適切な対応が必要です。
ここからは、生理周期が長い人の特徴をみていきましょう。
男性ホルモンの働きが優位だったり、乳汁を分泌する「プロラクチン」が多く分泌されていたりすると、排卵が正常に起こらず、月経周期が乱れることがあります。
ほかにも、ストレスや睡眠不足、急激なダイエット、睡眠薬や精神安定剤などの治療を長期で受けた後などに、ホルモンバランスが崩れることがあるでしょう。
加齢やストレス、無理なダイエットなどで卵巣や脳下垂体の働きが落ちていると、脳からの排卵の指示がうまくできず、排卵が起こらなくなることがあります。
すると、無排卵月経による生理不順が引き起こされるのです。
何らかの病気が原因で、生理周期が長くなることも。
稀発月経を引き起こす病気の例は、以下のとおりです。
- 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS):卵胞の発育に時間がかかり、小さな卵胞がたくさんできる
- 高プロラクチン血症:乳汁の分泌や、生理の抑制にかかわるプロラクチンが増える
- 甲状腺の病気:甲状腺機能亢進症・低下症によって月経不順になる
生理周期が長いと感じたら、病気の可能性を疑って、婦人科を受診するとよいでしょう。
妊娠週数は、最後の生理開始日を妊娠0週0日目として計算し、2週間後の妊娠2週0日目が排卵日にあたります。
妊娠週数は、生理周期が28日で安定している人を基準としているため、生理周期が長い人は当てはまらないケースが多いです。
生理周期が長い人は、生理開始から5週目や6週目であっても、妊娠週数は4週という場合もあります。
生理周期が長い人は、基礎体温を測定して、排卵日を把握しておくとよいでしょう。
妊娠を望んでいる人は、排卵日予測検査薬を使うこともおすすめです。
30代後半〜40代前半から「生理周期が長い」「経血量が不安定」といった生理不順に悩まされる人が増えます。
なぜなら、加齢により女性ホルモンである卵胞ホルモンや黄体ホルモンの分泌を司る、卵巣の機能が低下するためです。
生理周期が長くなる人もいれば、生理周期が24日以下になる「頻発月経」になる人もいます。
経血量にも変化がみられ、月経血が極端に少ない「過少月経」や、ダラダラと出血が長く続く「過長月経」に悩まされることも。
40代後半から50歳ごろにかけて、生理の回数が減っていき、生理が1年以上ない「閉経」を迎えます。
生理周期が長い時、いつ婦人科を受診するか迷う人も多いでしょう。
ここからは、年齢別に受診の目安を紹介します。
これから紹介する目安に当てはまらなくても、1年に1度の子宮がん検診や婦人科系の検査などで定期的な受診がおすすめです。
生理が始まって間もない10代は、性機能が未熟なため、生理周期が乱れやすいです。
ただし、規則正しく来ていた生理が突然遅れた、3ヶ月以上生理がないなどのケースでは、身体に異変が起こっているケースも隠れているため、婦人科を受診するとよいでしょう。
生理不順が続いたり、生理が3ヶ月以上止まったりしている場合は、すぐに受診しましょう。
生理不順と合わせて月経痛の症状がひどい場合は、月経困難症の可能性もあります。
月経困難症とは、生理痛や吐き気、頭痛などの多岐にわたる症状によって、日常生活に支障をきたす状態のこと。
原因疾患のない「機能性月経困難症」と、子宮内膜症や子宮腺筋症などの病気による「器質性月経困難症」に分けられます。
生理によるトラブルは我慢せず、まずは気軽に婦人科で相談してみましょう。
40代以降は、卵巣機能の低下によって生理周期が乱れやすい時期です。
さらに仕事や子育て、親の介護などでストレスが溜まりやすいのも影響します。
不正出血か生理か判断できない出血がみられる場合、子宮がんのおそれがあるため、早めの受診が必要です。
生理周期が長い状態が続くと「稀発月経」と診断されることがあります。
稀発月経の背景には、ホルモンバランスの乱れや卵巣・脳下垂体の機能低下、婦人科系の病気、更年期など、さまざまな要因が隠れているのです。
妊娠を希望する場合は、排卵のタイミングを見極めるためにも、基礎体温の記録や排卵検査薬の活用をおすすめします。
年齢や症状に応じて、早めに婦人科を受診することで、将来の健康や妊娠に向けた対策にもつながりますよ。
- 生理周期が39日以上になると「稀発月経」と呼ばれる
- 生理周期が長くなる原因は、ホルモンバランスの乱れや加齢、ストレスなど
- 生理周期が長い人は、妊娠週数や排卵日の数え方に注意が必要
- 多嚢胞性卵巣症候群や高プロラクチン血症などの病気が隠れている可能性も
- 年齢別に受診の目安を知り、気になる症状があれば早めの受診を