中用量ピルは、生理にまつわるトラブルに使用される薬です。
「どのような副作用があるか知りたい」「避妊効果はあるの?」という疑問を持っている人もいるでしょう。
今回は中用量ピルについて、副作用や避妊効果、低用量ピルとの違いなどをわかりやすく解説します。
中用量ピルは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類が配合されている薬です。
不正出血・月経困難症(PMS)・月経不順・月経日の調整・緊急避妊などの目的で処方されています。
中用量ピルは低用量ピルと比べて卵胞ホルモンの配合量が多いため、効果は十分に得られるものの、副作用が起こりやすい特徴があります。
中用量ピルはプラノバール・ルテジオン・ソフィアAの3種類がありましたが、平成31年にルテジオンとソフィアAが販売中止になったため、現在日本国内で処方できるのはプラノバールのみです。
中用量ピルと低用量ピルはどちらも、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類が配合されている薬ですが、1錠あたりの卵胞ホルモンの配合量や使用目的に違いがあります。
中用量ピルと低用量ピルの違いについて下表にまとめました。
1錠あたりの卵胞ホルモン量 | 使用目的 | |
中用量ピル | 50μg | 不正出血 月経困難症 月経不順 月経日の調整 緊急避妊 |
低用量ピル | 50μg未満(多くが30~35μg) | 月経困難症 経口避妊 |
中用量ピルのプラノバールは、1回に服用する量や飲む日数が処方された目的によって異なります。
服用方法をあやまると、正しい効果が得られない可能性があるため、前もって確認しましょう。
不正出血は「機能性子宮出血」とも呼ばれています。
一時的なものではなく1週間以上まとまった量の出血が続いている場合にプラノバールが処方され、1日1錠ずつ7~10日間続けて服用します。
この方法は、乱れたホルモンバランスを一旦リセットする目的があり、プラノバールを飲み終えてから1週間前後で消退出血(生理に似た出血)が起こるのです。
月経不順とは月経周期が長すぎたり短すぎたりする状態をいい、過多月経は月経の出血量が異常に多く、通常のナプキンでは1時間ももたない状態です。
月経不順や過多月経の治療では、月経開始5日目よりプラノバールを1日1錠、21日間続けて服用します。
21日分飲み終えたら、7日間の休薬期間を作ります。
プラノバールは月経困難症(PMS)や子宮内膜症にも適応があり、服用方法は月経不順や過多月経と同じです。
しかし、プラノバールは卵胞ホルモンの含有量が多く、副作用が起こりやすいため、月経困難症や子宮内膜症には低用量ピルの処方が多くみられます。
月経移動の場合、生理を遅らせるか早めるかで服用開始するタイミングが変わります。
生理を遅らせる場合、移動させたい生理予定日の5~7日前から、プラノバールを1日1錠ずつ服用します。
プラノバール服用中は生理が起こらないため、遅らせたい日まで服用を続けましょう。
生理を早める場合は、移動させたい生理の1回前の生理において、生理開始から5~7日以内にプラノバールを飲み始めます。
1日1錠ずつ最低10日間服用し、飲み終えてから2~4日後に生理が起こるしくみです。
月経移動させたいときは、服用開始のタイミングが重要であるため、時間に余裕をもって医師に相談するとよいでしょう。
緊急避妊薬として使用する場合、性交渉から72時間以内にプラノバールを1回2錠服用し、12時間後にもう2錠服用します。
性交渉から24時間以内に服用できると70%以上の妊娠阻止率がありますが、時間が経過するほど避妊率が低下するため、できるだけ早く医療機関を受診するようにしましょう。
近年は避妊率の高いアフターピルが登場し、プラノバールを緊急避妊で使用する機会は少なくなっています。
中用量ピルを緊急避妊で使用したときは、服用後7日前後で消退出血が起これば避妊成功です。
消退出血が起こるまでは、性交渉を控えるようにしましょう。
中用量ピルの緊急避妊は、ほかのアフターピルと比べて妊娠阻止率が低く、現在ではあまり推奨されていません。
また中用量ピルは、日常的な避妊薬として使用されていませんが、ホルモンの働きによって排卵を抑えたり受精卵の着床を防いだりするため、結果として避妊効果があります。
生理初日から5日目までの間に服用開始し、少なくとも7日間飲み続けると避妊効果が得られます。
初めて服用する場合、連続服用した日数が7日を超える前に性交渉すると妊娠の可能性があるため注意しましょう。
中用量ピルは、吐き気や頭痛などの副作用が起こりやすいため、日常的な避妊目的であれば低用量ピルやミニピルの使用が一般的です。
中用量ピルのプラノバールでよくみられる副作用は以下のとおりです。
多くの場合、飲み始めてから数日~1週間程度で副作用症状はおさまります。
- 吐き気
- 食欲不振
- 頭痛
- 胸の張り
- むくみ
- にきび
中用量ピルの重大な副作用には血栓症があります。
以下の初期症状があらわれたら、服用を中止してすぐに医療機関を受診してください。
- ふくらはぎの痛みやむくみ
- 強い胸の痛み
- 激しい頭痛
- 息切れ
血栓症とは、血管のなかに血のかたまりの「血栓」が作られて血管を詰まらせる病気です。
ピル服用によって血栓症を起こす割合は、年間1万人のうち3~9人というデータがあります。
喫煙・年齢・肥満・高血圧症・脂質代謝異常などによって、血栓症を起こすリスクが高まります。
当てはまる要因があれば、服用する前に医師に相談しましょう。
プラノバールを飲んで太ったと感じる理由に、配合されている女性ホルモンの影響があります。
なかでも黄体ホルモンには体内に栄養や水分をたくわえる働きがあるため、プラノバールを服用しているうちは体重が1~3kg増えることがあります。
プラノバールの服用による体重増加やむくみは一時的なもので、服用を中止するともとに戻るため心配はいりません。
中用量ピルは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンが配合された薬で、現在国内で処方できるのはプラノバールのみです。
低用量ピルと比べて、中用量ピルは1錠あたりの卵胞ホルモン量が多いため、効果は高いものの副作用が強くあらわれやすい特徴があります。
日常的な避妊・月経困難症・子宮内膜症には低用量ピルが処方され、中用量ピルは不正出血や月経移動に使うことが一般的です。
中用量ピルの飲み始めによくみられる副作用は、吐き気・頭痛・むくみなどがありますが、多くは1週間以内に改善します。
重大な副作用の血栓症は、喫煙や年齢などによって発症リスクが高まるため、事前に医師へ確認しましょう。
- 中用量ピルで、現在国内で処方できるのはプラノバールのみ
- 中用量ピルは、低用量ピルと比べて1錠あたりの卵胞ホルモン量が多い
- 中用量ピル主な使用目的は、不正出血や月経移動
- 中用量ピルのよくある副作用に吐き気・頭痛・むくみなどがあるが、多くは1週間以内に解消する
- 重大な副作用の血栓症は、喫煙や年齢などによって発症リスクが高まるため、前もって医師に相談すること
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