生理前になると「ゾクッと寒気がする」「身体が冷える」といった症状に悩まされていませんか?
この寒気は、女性ホルモンの変動やPMS(月経前症候群)が原因かもしれません。
しかし、風邪などの感染症との見分け方や、いつ病院を受診すべきかわからないという人も多いでしょう。
この記事では、生理前の寒気の原因から対処法、受診のタイミングまで詳しく解説します。
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生理前に寒気を感じやすい理由として、以下の2つが考えられます。
- PMSによる寒気
- 自律神経の乱れによる身体の冷え
どちらも女性の体に自然に起こる変化ですが、個人差によって症状の強さは異なります。
寒気や身体の冷えは、PMSの症状のひとつとしてあらわれることがあります。
PMSとは、生理予定日の3〜10日ほど前に心や身体に起こる不調の総称で、人によっては「毎月決まって寒気がする」といったパターンをくり返すことも少なくありません。
この寒気の背景には、女性ホルモンの変化によって基礎体温が上下することが関係しています。
生理前は、黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響で体温がわずかに上がる高温期になりますが、生理直前になるとこのホルモンが急激に減少し、体温が一気に下がって低温期に入ります。
体温の「上昇から下降」への切り替わりに身体がついていかず、急に冷えを感じたり「ゾクッ」と寒気がしたりすることがあるのです。
とくに身体の感覚が敏感な人ほど、寒暖差のような違和感を覚えやすくなります。
生理前に寒気を感じる原因として、自律神経の乱れも関係していると考えられます。
自律神経は体温の調整に深くかかわっており、バランスが崩れることで身体がうまく熱を保てず、冷えを感じやすくなるのです。
この自律神経の乱れは、ホルモンの変動やストレス、睡眠不足などによって起こりやすくなります。
交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズにいかなくなると、体温調節が不安定になり、手足が冷たくなったり、体の芯から冷えを感じたりすることがあります。
寒気を感じたとき、「風邪かな?」「もしかしてコロナ?」と不安になる人もいるかもしれません。
ここでは、生理前の寒気と感染症による寒気の違いを見分けるポイントを解説します。
生理前の寒気は、通常ほかの症状をともないません。
一方、以下のような症状がある場合は、風邪やインフルエンザ、新型コロナなどの感染症が疑われます。
- 発熱
- のどの痛み
- 咳
- 全身のだるさ
これらの症状をともなう場合は、自己判断せずに医療機関を受診しましょう。
「寒気がいつも生理の数日前に起きる」「生理が始まるとおさまる」といった周期性がある場合は、PMSの症状と考えられます。
このような寒気は病気ではなく、ホルモンの変化による自然な反応であることがほとんどです。
まずは「OiTr」などのアプリを使って、生理や体調の記録をつけておくと、自分のリズムが把握しやすくなります。
寒気を感じたとき、すぐにできる対策があると安心ですよね。
ここでは、身体を温める工夫からホルモンバランスを整える生活習慣まで、手軽にできるセルフケアを解説します。
寒気を感じたら、まずは「身体を冷やさないこと」が基本です。
とくに、首・お腹・足首などの冷えやすい部位を中心に温めるようにしましょう。
羽織ものやレッグウォーマーを取り入れたり、温かい飲み物をこまめにとったりすることで、内側と外側の両方から冷えを防げます。
衣類や飲み物は、日常の中で取り入れやすい対策なので、寒気が出やすい人は早めに意識すると安心です。
シャワーだけで済ませるのではなく、ぬるめのお湯にゆっくり浸かることで血流が促進され、寒気の緩和につながります。
寝る前に軽いストレッチを取り入れるのも、血流改善に効果的です。
1回40秒〜60秒を目安に、太もも、ふくらはぎ、股関節まわりなど、太い血管がとおる部位をやさしく伸ばしましょう。
筋肉がほぐれて血行が良くなり、リラックス効果も得られるため、睡眠の質の向上にもつながります。
寒気の根本的な原因にホルモンバランスの乱れがある場合、生活習慣を整えることで改善が期待できます。
まずは、しっかり睡眠をとり、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。
とくに鉄分やビタミンB6は、女性ホルモンの生成をサポートする栄養素として知られています。
日常では、以下の食品を取り入れると良いでしょう。
- 豆乳
- 納豆
- 肉・魚
- さつまいも
- バナナ
また、ストレスを溜め込まない工夫をすることで、自律神経も安定し、冷え対策にもつながります。
寒気だけでは判断が難しいこともあるため、ほかの症状やタイミングとあわせて考えることが受診を判断するポイントです。
セルフケアをしても寒気がつらいままだったり、気になる症状があったりする場合は、医療機関での相談を検討しましょう。
寒気以外の以下の不調が同時にあらわれている場合は、風邪や感染症などの可能性もあります。
- 発熱
- 関節痛
- 吐き気
- 極度の倦怠感
とくに、いつもより寒気が急激に強くなった場合や、突然ガタガタ震えるような症状が出たときは注意が必要です。
早めに医師の診察を受けるようにしましょう。
「寒くて布団から出られない」「集中力が続かない」といったレベルであれば、自然な体調変化の範囲を超えている可能性があります。
PMSのなかでも重い症状であると考えられるため、婦人科や内科で相談し、必要であれば治療や漢方薬の使用などのサポートを受けましょう。
寒気が毎月の生理周期に関係なくあらわれる場合は、PMS以外の原因が関係している可能性があります。
たとえば、鉄分不足による貧血や、甲状腺機能の低下などでも身体が冷えやすくなります。
こうしたケースでは、内科での血液検査などが必要になることも少なくありません。
あらかじめ症状の記録をつけておくと、医師への説明もスムーズです。
生理前の寒気は、ホルモンバランスの変動やPMSによって起こる自然な身体の反応です。
決して異常なことではないため、過度に心配しすぎる必要はありません。
ただし、症状がつらくて日常生活に支障が出ている、ほかにも気になる症状があるなどの場合は、無理せず医療機関で相談しましょう。
適切なセルフケアと必要に応じた医療サポートを受けることで、毎月の不快な症状を和らげられます。
- 生理前の寒気はおもにホルモンバランスの変化とPMSが原因と考えられる
- 発熱やのどの痛みがあれば風邪やインフルエンザなどの感染症を疑う
- 暖かい服装や入浴、規則正しい生活などで症状を和らげる工夫をする
- 生理周期に関係なく寒気が続く場合は別の病気の可能性もある
- 日常生活に支障が出るほどつらい場合は医療機関を受診する
