生理前になるとひどい胃痛があり「病気が隠れているのではないか」と不安に思う人も少なくありません。
また、痛みが出た時の適切な対処法がわからず、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
今回は、生理前の胃痛が起こる原因や、痛みがひどい時の対処法を紹介します。
胃痛を予防する対策についても解説するので、ぜひ参考にしてくださいね。
生理前の決まったタイミングで、胃がチクチク・キリキリと痛むことがあります。
みぞおちや背中まで痛みが広がったり、横になっても改善しなかったりすることも。
なぜそんなことが起こるのか、ここからは、生理前の胃痛の原因を詳しくみていきましょう。
生理前の胃痛には、プロスタグランジンという物質の分泌が関わっています。
プロスタグランジンは、不要になった子宮内膜を経血と一緒に体外に出すために、生理前になると分泌される物質です。
プロスタグランジンには、子宮だけでなく胃や腸も収縮させる作用があるため、過剰に分泌されると胃痛や胃のムカムカ感、吐き気を引き起こすといわれています。
生理前だけに胃痛が起こる場合は、PMS症状の可能性があります。
PMSとは、生理3日〜10日前から続く、生理開始とともに軽快・消失する精神的・身体的症状のことです。
胃痛だけでなく、食欲不振や頭痛、便秘などの身体症状や、気分の落ち込みやイライラなどの精神症状が現れます。
原因ははっきりとはわかっていませんが、女性ホルモンの変動が関わっていると考えられていますよ。
生理前に胃痛がある時は、妊娠している可能性があります。
妊娠初期にホルモンバランスが変化することで、胃痛を感じる女性は少なくありません。
妊娠すると、体内で黄体ホルモンが多く分泌されます。
黄体ホルモンは胃腸の機能を低下させるため、胃痛や胸やけ、胃もたれ、吐き気、げっぷなどの消化器症状を引き起こすのです。
ただし妊娠初期と生理前の症状はよく似ているため、自己判断は難しいでしょう。
生理予定日の1週間後に妊娠検査薬を使用し、結果が陽性なら婦人科を受診してくださいね。
ストレス発散目的などで、以下に当てはまるような飲食物を摂取しすぎると、胃粘膜が傷ついて痛みが出ることがあります。
- 脂質が多い揚げ物やスナック菓子
- 辛い食べ物
- アルコール
- カフェインを含む紅茶やコーヒー
これらの摂取が増加すると、胃酸が胃粘膜に直接作用して痛みが生じるのです。
生理前の胃痛は、PMS症状以外にも、以下の消化器疾患が隠れている可能性が考えられます。
- 胃潰瘍
胃酸が粘膜を直接刺激して、空腹時・夜間のみぞおち付近の痛みや吐き気、嘔吐、食欲不振などを招く。ストレスや鎮痛薬の長期服用などが原因 - 機能性ディスペプシア
胃炎や胃潰瘍などの異常がないが、胃もたれや胃の痛みが現れる。不安やストレス、睡眠不足などの生活習慣の乱れが原因 - ピロリ菌感染
胃酸が過剰に分泌されて、粘膜が刺激を受けて胃痛が現れる
生理前の胃痛がひどい時は、すぐにPMSだと自己判断せずに、医療機関で検査・治療を受けましょう。
ここからは、生理前の胃痛を感じた時にできる対処法を紹介します。
ただし、生理前の胃痛がひどい時は、根本原因を特定して改善するのが望ましいことを押さえておきましょう。
身体を温めると、胃の痛みが和らぎやすいです。
月経前は女性ホルモン分泌のバランスが崩れるため、身体が冷えやすくなります。
白湯やしょうが湯、ルイボスティーなどのカフェインレスの飲み物の摂取がおすすめです。
また、湯たんぽやカイロ、温熱シートを使って、胃の周辺を温めるのもよいでしょう。
胃痛がひどい時は、保温効果のある寝具や部屋着を用意して、身体を冷やさないように注意してくださいね。
空腹時に胃痛が悪化する時は、こまめに少量の食事を摂取して、空腹を避けるように注意しましょう。
胃粘膜を保護する効果が期待できる、ホットミルクやヨーグルトがおすすめです。
胃もたれを招く脂っこい食べ物や塩分を多く含む飲食物、甘いものは控えて、消化のよい食事を摂取してくださいね。
生理前に痛みが出た時に姿勢や寝方を工夫すると、胃痛が和らぐことがあります。
一般的には、前かがみや体育座りで身体を丸めると腹部が温まるため、痛みが緩和しやすいです。
これは、生理痛がつらい時にもおすすめの姿勢ですよ。
また、胃の約4分の3は身体の左側に寄っているため、左側を下にして横になると胃への負担が減ります。
ただし、痛みが和らぐ姿勢には個人差があるため、自分が落ち着く姿勢を選びましょう。
生理前に胃やみぞおちの辺りがギューッとしめつけられるように痛む時、市販薬を服用すると症状を緩和できることもあります。
ここからは、生理前の胃痛を和らげる市販薬の選び方をみていきましょう。
生理前の胃痛だけでなく、生理痛や頭痛もある場合は、プロスタグランジンの産生を抑える非ステロイド性鎮痛薬がおすすめです。
イブプロフェンやロキソプロフェンナトリウムが主成分の市販薬が多くあります。
特に、イブプロフェンは子宮への移行性が高いため、生理痛によく使用されますよ。
胃に負担がかかりやすいため、胃粘膜を保護する成分が一緒に入っている鎮痛薬を選ぶとよいですね。
また、空腹での服用は胃に負担がかかりやすいため、消化のよいものを先に食べておきましょう。
胃が弱い人や暴飲暴食が続いている人は、胃への負担が少ないアセトアミノフェンが入っている薬を選びましょう。
痛みを抑える効果は非ステロイド性鎮痛薬より弱いですが、幅広い年齢で使いやすい成分です。
胃がキリキリ、ギューッとしめつけられるような痛みがある場合は、ブチルスコポラミンが含まれている市販薬を選びましょう。
ブチルスコポラミンには、消化管の緊張を緩める作用があります。
非ステロイド性鎮痛薬と一緒に配合されている市販薬も、ドラッグストアで販売されていますよ。
生理前に胃が痛い時、プロスタグランジンの分泌やPMS以外にも原因が隠れていることもあります。
安易に市販薬に頼らず、生理前だけの症状なら婦人科クリニック、生理後も痛みが続くなら消化器内科クリニックを受診しましょう。
また妊娠の可能性がある女性は、使ってはいけない薬が多いため、いきなり市販薬を使うのではなく、まずは医療機関に相談するのをおすすめします。
生理前を快適に過ごすために、日頃から生活習慣を整えましょう。
ここからは、生理前の胃痛を予防するために日常生活で気をつけたいことを紹介します。
胃痛の原因になるストレスは、意識的に発散するように心がけましょう。
過度なストレスを感じると、自律神経が乱れて交感神経が過剰に働きます。
すると胃の血管が収縮して、胃粘液の分泌が抑制されるため、胃に負担がかかりやすくなるのです。
また、自律神経が乱れると、体温調節がうまくできなくなり、冷えを感じるようになります。
冷えによって子宮の収縮が強まり、腹痛や胃痛が悪化する可能性があるため、日頃から身体を冷やさない工夫も大切です。
定期的に健康診断を受け、病気の早期発見・治療を心がけましょう。
生理前の胃痛の裏には、プロスタグランジンの過剰分泌や、PMS以外の重大な病気が原因に隠れていることがあります。
ホルモンバランスの変化やPMSだと決めつけず、病気の可能性を疑ってください。
低用量ピルを服用すると、子宮内膜の増殖が抑制され、プロスタグランジン分泌量が低下するため、生理前の胃痛が緩和する可能性があります。
ピルとは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種の女性ホルモンが配合された薬のこと。
低用量ピルは、PMSや子宮内膜症、月経困難症の治療に用いられます。
生理前の胃痛は、プロスタグランジンの過剰分泌やPMSによって引き起こされます。
また生理周期とは関係なく、食生活の乱れや消化器疾患が原因になっていることも。
胃の痛みがひどい時は安易に市販薬に頼らず、婦人科や消化器科を受診するのが望ましいです。
生理前の胃痛を予防するためには、自律神経を整えるためにストレスを発散しましょう。
日頃から自分の身体に気を配り、生理前を快適に過ごしてくださいね。
- 生理前の胃痛は、プロスタグランジンの過剰分泌やPMSによるものが多い
- 胃の痛みがひどい時は身体を温めたり、市販薬を服用したりすることで対処できる
- 生理痛や頭痛もある、胃がしめつけられるように痛むなど、自分の症状に合わせて市販薬を選ぼう
- できるだけ早く原因を特定・治療するために、婦人科や消化器科を受診する
- 生理前の胃痛を予防するためには、低用量ピルの服用もおすすめ
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