梅毒と口内炎の違いは?見分け方やいつから症状が現れるかなど解説

梅毒にかかると、口内炎に似た症状が現れるケースがあると知っていましたか?

梅毒は、1回の性交渉でも30%の確率でうつる感染力が高い病気で、性器だけでなく口内に感染することも。

梅毒と口内炎を早い段階で見分けて受診すれば、治療で完治できます。

それでは、梅毒と口内炎はどのように見分ければよいのでしょうか。

今回は、梅毒と口内炎の症状の違いや見分け方、梅毒の治療法や予防法を解説します。

梅毒と口内炎の違い

梅毒とは、梅毒トレポネーマが病原体の性感染症のことです。

感染者との性交渉が主な感染経路ですが、オーラルセックスやキスだけでも感染するほど、高い感染リスクがあります。

梅毒はほかの病気とよく似た症状が現れるため「偽装の名人」といわれることも。

口腔粘膜に感染すれば、口内炎と似た症状が出ます。

ここからは、梅毒と口内炎それぞれの特徴をみていきましょう。

梅毒の特徴

唇や口腔内に梅毒が感染したとき、初期症状として唇や口腔内に痛みのないしこりができますが、口内炎とよく似ており、勘違いされることが多いです。

その後しこりが潰瘍化しますが、痛みが強くないこともあり見逃されることも。

また、初期症状から4~10週間経過すると、乳白色の粘膜斑が口内にできることがあります。

初期の潰瘍や粘膜斑には梅毒トレポネーマがたくさん存在するため、オーラルセックスやキスで感染してしまうのです。

口内炎の特徴

口内炎とは、口内や周辺の粘膜に起きる炎症の総称です。

最も多いのがアフタ性口内炎(潰瘍性口内炎)で、ストレスや疲れによる免疫力の低下、ビタミンB2をはじめとした栄養不足などが原因と考えられています。

赤く縁取られた2~10mm程度の丸くて白い潰瘍が口腔内に発生し、飲食時にしみたり、痛みを感じたりするのが特徴です。

また、ウイルス・細菌感染や物理的刺激による口内炎もあります。

梅毒と口内炎の見分け方

ここからは、梅毒と口内炎の見分け方を紹介します。

梅毒による口内のしこりと口内炎は症状がよく似ており、自己判断が難しいことも。

口内炎だと決めつけず、医療機関を受診することを視野に入れましょう。

痛みの有無

梅毒と口内炎では、痛みの有無や程度が異なります。

口内炎は痛みをともなうケースがほとんどですが、梅毒でできた口腔内のしこりは痛みがないことが多いです。

ただし、梅毒とほかの感染症を併発している場合は痛みが現れることも。

また、初期症状が落ち着いた4〜10週間後には、痛みのある潰瘍がみられることもあります。

「痛みがあるからただの口内炎」と言い切れない点に注意しましょう。

症状が改善するまでの期間

症状が改善するまでの期間も、梅毒と口内炎を見分けるうえで重要なポイントです。

口内炎は一般的に、約10日~2週間で治癒します。

もし2週間以上経過しても症状が改善しない場合は、梅毒の可能性を考慮に入れましょう。

ほかの症状の有無

梅毒では、口内のしこりや潰瘍以外にもさまざまな症状が現れるため、口内炎と見分けられることも。

もし口腔内以外にもしこりや潰瘍がみられる場合や、リンパ節に腫れがある場合は梅毒の可能性があるため、すぐに医療機関を受診しましょう。

梅毒による口内の症状はいつから?

梅毒による口内の症状は、大きく分けて2つの時期にみられることが多いです。

ここからは、2つの時期とそれぞれの時期に現れる口内の症状の特徴を解説します。

感染から約3週間後から口内にできものができる

梅毒に感染してから約3週間後に、初期症状として感染部位のしこり(初期硬結)が現れます。

口内に梅毒が感染していれば、口内炎のようなしこりがみられるのです。

その後しこりが潰瘍化しますが、治療せずとも数週間で消失してしまいます。

また、口内の症状と同時期に、感染部位近くのリンパ節が腫れることも。

この時期は、早期顕症梅毒1期と呼ばれます。

感染から3ヶ月後に口腔粘膜に炎症がみられることも

感染後約3ヶ月、初期症状から4〜10週間後の早期顕症梅毒第2期に、乳白色の粘膜斑や赤色の炎症(梅毒性粘膜疹)が口腔内に現れることがあります。

また、第2期の30%で有痛性の口腔内の浅い潰瘍がみられるという報告も。

口腔内に感染した梅毒の多くは、第2期に発見されることが多いです。

梅毒の治療法

梅毒は、早期梅毒のうちに適切な治療をおこなえば完治する病気です。

昔は「梅毒は命を落とす病気」といわれていましたが、抗菌薬の発展により命を落とすリスクがある晩期顕性梅毒まで進むことはほとんどなくなりました。

感染時期や症状によって、抗菌薬の服用方法や期間が異なります。

ここからは、梅毒の治療法についてみていきましょう。

ペニシリン系抗菌薬を内服する

基本的な治療法は、ペニシリン系抗菌薬の内服です。

梅毒の進行時期によって服用期間が異なります。

  • 第1期:2~4週間
  • 第2期:4~8週間
  • 第3期:8~12週間

ペニシリンアレルギーがある場合は、テトラサイクリン系抗生物質が選択されます。

抗菌薬による治療開始後24時間以内に、頭痛や筋肉痛、発熱などの症状が起こることも。

これは体内で大量の菌が破壊されたことによるもので、1日程度で治まります。

また、治療開始8日後以降には、薬疹が起こることがあるため、注意しましょう。

症状がよくなっても、体内に菌が残っている可能性があるため、自己判断で抗菌薬の内服を中止しないでください。

2021年には、持続性ペニシリン製剤が承認され、アモキシシリンと並んで治療の第一選択になりました。

第1〜2期の早期梅毒であれば1度の筋肉注射で効果があるため、内服を忘れてしまう人の治療効果を維持できます。

神経梅毒では抗菌薬を点滴投与することも

病原体が中枢神経まで浸潤した神経梅毒では、内服での治療ではなく、10~14日間のペニシリンの点滴が必要になります。

また、視神経や内耳神経に感染した眼梅毒(視神経炎、神経網膜炎など)・内耳梅毒(難聴など)の治療も同様です。

治療効果の確認で4週間ごとに梅毒検査をおこなう

梅毒には症状がない潜伏梅毒があるため、血液検査で治療効果を確認する必要があります。

治療終了後も半年程度は複数回検査をおこない、再発していないかをチェックするため、定期的な受診が必要です。

梅毒の予防法

感染性が高い梅毒は完治したあとも、再感染するリスクがあります。

適切な予防方法を知り、自分の身を守りましょう。

梅毒の感染予防のために気をつけたいことは、以下のとおりです。

  • 不特定多数との性交渉を避ける
  • 性交渉のときは必ずコンドームを使用する
  • 新しいパートナーができたら一緒に性感染症検査を受ける
  • 自分やパートナーが梅毒を治療している間はキスや性交渉を控える

コンドームなしのオーラルセックスや、感染部位がコンドームに覆われていないときに、皮膚や粘膜が触れて感染することも。

また、梅毒に感染している女性が妊娠すると、流産・死産のリスクが高まるとともに、子どもが先天梅毒にかかる可能性があるので、妊娠前に梅毒検査を検討してください。

梅毒と口内炎の違いを見分けるのは難しい!2週間以上治らないなら医療機関を受診しよう

梅毒にかかると、口内炎のようなしこりや潰瘍ができることがあります。

梅毒と口内炎の症状を見分けるポイントには、痛みの有無や症状が改善するまでの期間、他の症状の有無がありますが、自己判断できないケースも多いです。

口内炎のような症状が2週間以上続く場合は、医療機関を受診してください。

梅毒はペニシリン系抗菌薬による治療で完治する病気ですが、完治したあとも再感染するリスクがあります。

「一度かかったから免疫がついただろう」と考えず、コンドームの使用やパートナーを1人に限定することを心がけ、自分の身を守りましょう。

この記事のまとめ
  • 梅毒は挿入をともなう性交渉だけでなくオーラルセックスやキスで感染する可能性がある
  • 梅毒による口内の症状は無痛性のことが多いが、併発している病気や時期によっては痛みが出るため、口内炎との自己判別が難しい
  • 口内炎は約10日〜2週間で治ることが多いため、2週間以上症状が続くなら梅毒を疑い、医療機関を受診する
  • 初期に治療すればペニシリン系抗菌薬の内服もしくは筋肉注射による治療で完治できる
  • 感染力が高く、完治後も再感染するリスクがあるため、コンドームの使用などで適切に感染予防をおこなおう

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