生理中は体調や気分が不安定になりやすく、シャワーを浴びることさえ負担に感じる場合があります。
しかし、入浴を控えることで衛生面に影響が出るのではと心配になる方もいるでしょう。
この記事では、生理中に無理なく清潔を保つための方法や、気持ちを軽くする工夫について解説します。
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生理中の入浴に対しては、多くの人が戸惑いや迷いを感じています。
週1回以上湯船に浸かる習慣がある20〜40代女性300名を対象にしたアンケート調査では、生理中の入浴方法として「シャワーのみ」が54.0%と最も多く、入浴を控える人も含めると、実に半数以上が湯船に浸かっていない実態が明らかになりました。
また「生理中の正しい入浴方法が分からない」と答えた人は76.7%にのぼり、入浴に関する知識の不足も背景にあると考えられます。
こうしたデータからも「シャワーさえめんどう」と感じる気持ちは特別なことではなく、多くの人が同じような悩みを抱えていると言えるでしょう。
また、温泉などの公共施設では入浴を控える方も多く、生理中の入浴に対する迷いや不安が表れています。
生理中は体調だけでなく、衛生面にも気を配る必要があるといわれています。
しかし、シャワー浴だけでも必ずするべきか、どの程度のケアが必要なのか迷う方も多いのではないでしょうか。
ここでは、生理中の体の変化と清潔を保つための基本的な考え方を解説します。
生理中は、ナプキンや下着に経血が長時間触れることで、デリケートゾーンの蒸れや雑菌の繁殖が起こりやすくなります。
とくに、経血が皮膚に付着したままの状態が続くと、においやかゆみの原因にもなりかねません。
肌が敏感になっている時期でもあるため、普段よりもやさしく丁寧なケアが求められます。
毎日入浴できない場合でも、デリケートゾーンだけは清潔に保つ意識が大切です。
なお、経血の漏れや蒸れを少しでも抑えるには、ナプキンだけでなく月経カップなどのアイテムをうまく使うのもひとつの手です。
生理中はデリケートゾーンの肌がふだんより敏感な状態になります。
そこに経血や汗、生理用品による摩擦が加わることで、かゆみや赤みといった皮膚トラブルを引き起こす可能性があるのです。
また、雑菌が繁殖すると独特なにおいが強くなり、自分でも不快に感じます。
さらに、雑菌の繁殖が進むと、まれに感染症のリスクにつながることもあるため注意が必要です。
こうしたトラブルを防ぐには、清潔な状態を保つだけでなく、肌への刺激をできるだけ減らしましょう。
体調や気分がすぐれない生理中は、無理に全身を洗う必要はありません。
ただし、デリケートゾーンは経血や汗がたまりやすく、放置すると肌トラブルの原因になりかねないため、最低限のケアは欠かせません。
とくに経血量が多い日は、デリケートゾーンに不快感が残りやすいため、部分的な洗浄だけでも行いましょう。
洗浄料を使う場合は、刺激の少ないデリケートゾーン専用品を選ぶのがおすすめです。
生理中は血流が滞りやすく、体の冷えが生理痛を悪化させる原因になります。
そんなときは、足湯で下半身を温めてからシャワーを浴びるのがおすすめです。
足元からじんわり温まることで、全身の巡りがよくなり、痛みや重だるさがやわらぐケースもあります。
無理なくリラックスしながら清潔を保てる方法として、体調がすぐれない日にも取り入れやすいケアのひとつです。
生理中は気分が沈みがちで、シャワーもおっくうに感じることがありますが、ちょっとした工夫で「入ってよかった」と思える時間に変えることも可能です。
ここでは、シャワーのハードルを下げるアイデアを紹介します。
シャワーを習慣にするうえで「使いたくなるアイテム」があると、少し前向きになれます。
たとえば、香りに癒される入浴剤やボディソープなどお気に入りのスキンケアを揃えておくと、楽しみが生まれるでしょう。
「これを使いたいから入ろう」と思えることで、めんどうな気持ちを和らげやすくなります。
無理に気合いを入れるのではなく、小さなモチベーションをつくることが、続けやすさにつながるのです。
お風呂後の楽しみを用意しておくのもおすすめです。
たとえば、肌ざわりのよいパジャマに着替える、冷たい飲み物を用意する、好きな香りのボディミストでリラックスするなど、小さなご褒美があるだけでも気持ちが軽くなります。
「これがあるから頑張ろう」と思えることで、シャワーに向かうハードルが下がるでしょう。
心地よい習慣を取り入れることが、前向きな気分につながります。
音楽の力を借りて気持ちを整えるのもひとつの方法です。
シャワーを浴びる時間に、お気に入りの曲を流すだけでも空間の印象が変わり、気分が前向きになります。
テンポのよい音楽で気分を上げたり、リラックスできるメロディで緊張をほぐしたり、自分に合ったスタイルで取り入れてみましょう。
浴室用スピーカーや防水のスマートフォンを使えば、手軽に音楽のある入浴時間が楽しめます。
「シャワーはめんどう」と感じる一方で、体のベタつきやにおいが気になると、気持ちまで落ち着かなくなります。
そんなときは、汗や経血を洗い流してさっぱりできることに意識を向けてみるのも、ひとつの方法です。
清潔を保てば、肌の不快感が減り気持ちにも少し余裕が生まれると考えてみましょう。
義務ではなく、自分のためのケアとして捉えることが、前向きに続けるためのポイントです。
どうしてもシャワーに入る気力が湧かないときは、無理をせず、できる範囲で清潔を保つ方法を取り入れることが大切です。
ここでは、無理をせず実践できる対処法や、手間を減らす工夫を紹介します。
シャワーを浴びなくても清潔を保ちたいときは、部分的なケアを取り入れるのがおすすめです。
とくに経血や汗が気になるデリケートゾーンは、蒸れやすく、においやかゆみの原因にもなりやすいため、こまめな拭き取りを行いましょう。
専用のウェットシートや赤ちゃん用のおしりふきなど、肌に負担の少ないものを使い、やさしく拭き取るようにしてください。
短時間で手軽にすませられるうえ、肌の不快感も和らぎます。
無理のない清潔習慣として、生理期間にも取り入れやすい方法です。
入浴できないときでも、体の一部を温めながら拭き取ることで、心身ともにリフレッシュしましょう。
なかでも首や脇は汗をかきやすく、においや不快感が出やすい場所です。
蒸しタオルでやさしく拭くことで、肌がすっきりするだけでなく、血行も促されてリラックス効果も期待できます。
電子レンジで温めたタオルをビニール袋に入れておけば、寝る前など好きなタイミングで使えるのもメリットです。
髪のベタつきやにおいが気になると、気分もすっきりしません。
そんなときに便利なのが、水を使わずに使えるドライシャンプーがおすすめです。
スプレータイプやシートタイプなどがあり、皮脂や汗を吸着して頭皮や髪のべたつきを抑えてくれます。
シャワーを浴びる余裕がないときや、外出先や仕事の合間など、限られた時間での利用にも便利です。
持ち歩きにも便利なサイズも多いため、活用しやすいアイテムといえます。
生理中は体も心も不安定になりやすく、シャワーさえ負担に感じる日もあります。
そんなときは、無理に頑張ろうとせず、自分ができる範囲で清潔を保てる方法を選ぶことが大切です。
ウェットシートや蒸しタオルでの部分的なケア、音楽やスキンケアで気持ちを整える工夫など、さまざまな方法があります。
正しい情報を知り、小さな工夫を積み重ねることで、シャワーへのハードルを下げ、快適に過ごす時間を取り戻しましょう。
- 生理中の入浴・シャワーは辛いと感じている女性が多い
- シャワーに入れない日は無理をせずに部分的な清拭で対処する
- 香りのよいスキンケアやお気に入りの音楽で、入浴への気持ちを後押しする
- 蒸しタオルやドライシャンプーなどのアイテムを活用して清潔を心がける
