経血量が増える過多月経と違い、生理の量が少ない場合は不快感をあまり抱かないため、見逃してしまう人もいます。
しかし、今まで1週間程度あった生理が2日~3日で終わってしまったり、経血量が少なくない回数が増えてきたりすると「病気が隠れているのではないか」と不安ですよね。
今回は、生理の量がいつもより少ない時に考えられる原因について解説します。
生理の量が少ない時の対処法も紹介するので、参考にしてくださいね。
1回の生理周期での総月経量は20mL~140mL、生理の持続期間が3日~7日が正常です。
1周期あたりの出血量が20mL以下の場合を過少月経、持続時間が2日以内の場合を過短月経と呼びます。
過少月経では、生理初日~2日目でもナプキンに茶色の出血がある程度で、おりものシートでも吸収が間に合うことも。
また過短月経は、過少月経と併発しやすいです。
ここからは、生理の量がいつもより少ない時に考えられる原因を解説します。
避妊目的や子宮内膜症、月経困難症などの治療で、低用量ピルや子宮内黄体ホルモン放出システムを使用していると、子宮内膜が薄くなるため経血量が減ります。
なかには、まったく出血が起こらない人も。
しかし、これらはホルモン治療の効果のため心配いりません。
ホルモン治療を中止すれば、月経は元に戻りますから安心してくださいね。
生理の量が減る原因の1つが、女性ホルモン分泌の乱れです。
女性ホルモンは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンに分けられます。
卵胞ホルモンが少ないと、子宮内膜が厚く増殖しません。
また黄体ホルモンの分泌量が減ると、子宮内膜をはがす作用が弱ります。
つまり、女性ホルモンの分泌量が低下すると、生理の量が少なくなるのです。
ホルモンバランスの乱れは、偏った食生活やストレス、睡眠不足、過度なダイエットによって起こります。
卵巣・甲状腺・脳の病気が、過少月経や過多月経を引き起こすケースもあります。
単なるストレスだと片づけずに、過少月経をきっかけに婦人科を受診すると、病気を早期発見できる可能性がありますよ。
月経量がいつもより少ない時は、妊娠による着床出血の可能性があります。
着床出血とは、子宮内膜に受精卵が着床する際に起こる出血のことで、生理予定日と同じくらいの時期に起こるため、生理と勘違いする人も少なくありません。
個人差はありますが、出血期間は1日~3日と短く、生理と比べて量が少ないのも特徴です。
ただし、生理の量が少ないだけで妊娠だと判断できないため、生理予定日の1週間前後を目安に妊娠検査薬を使用してくださいね。
経血量が少ない場合、一時的なホルモンバランスの乱れによるものが多いです。
しかし、なかには病気が隠れているケースもあります。
ここからは、生理の量が少ない時に考えられる病気についてみていきましょう。
多嚢胞性卵巣症候群とは、卵胞の成長が途中で止まり、たくさんの嚢胞が卵巣内に留まってしまう病気で、不妊の原因の1つです。
20歳~45歳女性の5%~8%にみられるといわれています。
定期的な排卵が起きないため、不正出血や無月経、月経不順のほか、子宮内膜が成熟しにくく経血量が少なくなることも。
黄体機能不全により、黄体からのホルモン分泌が不十分になると、経血量が少なくなります。
- 排卵後の基礎体温が低い
- 高温期が短い
- 排卵後から生理までの期間に不正出血がある
- 生理不順がみられる
月経量の減少に加えて上記の症状がある場合は、黄体機能不全を疑います。
受精卵が着床しにくかったり、流産率が高まったりして不妊の原因になるため、早めに婦人科を受診してくださいね。
甲状腺ホルモンが過剰に分泌されるバセドウ病では、黄体形成ホルモンや卵胞ホルモンの分泌に異常をきたすため、排卵障害や月経異常を引き起こすことがあります。
また、血液を固める働きが活性化し、止血されやすくなることも。
子宮内膜がはがれた直後に止血されるため、経血量が少なくなるのです。
下垂体腺腫とは、脳下垂体にできる腫瘍のことで、多くの場合は良性です。
下垂体から分泌されるホルモンは、卵巣からの女性ホルモン分泌をうながします。
しかし下垂体に腫瘍があると、ホルモン分泌に異常が生じて卵巣機能を抑制するため、生理の量が少なくなるのです。
生理の量が少ない状態を放置すると、不妊になる可能性があります。
経血の量が少ない人は、女性ホルモンのバランスが崩れていたり、多嚢胞性卵巣症候群や黄体機能不全などの病気が隠れていたりするかもしれません。
月経血の減少などの生理トラブルを放置していると、子宮や卵巣がダメージを受け続けるため、不妊のリスクが上がります。
妊娠を望む場合は特に、経血量が少ないことを放置せず、早めに受診してくださいね。
生理の量が少ない時は放置せず、生活習慣を見直すきっかけにつなげるとよいでしょう。
ここからは、経血量が少ない時に日常生活でできることを紹介します。
また病院を受診する目安や検査、治療法についても紹介するので、参考にしてくださいね。
生理の量が少ない時は、女性ホルモン分泌の動きを確認するために、基礎体温の測定をおすすめします。
基礎体温とは、毎朝目覚めた時に測る安静時の体温のことです。
基礎体温の変化をグラフにすることで、自分の月経周期や排卵の有無がわかりますよ。
また受診の際に基礎体温のグラフを持参すると、過少月経の原因の特定につながることもあります。
基礎体温を測るメリットや正しい測り方については、以下の記事で詳しく解説しています。
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肥満や痩せすぎは、生理の量が少なくなる原因のため、食生活や運動習慣を見直しましょう。
またストレスや睡眠不足は、ホルモンバランスに悪影響を与え、月経異常を引き起こすことがあります。
心身をリフレッシュさせる機会をもったり、十分な休息や睡眠時間を確保したりしてくださいね。
次のポイントに当てはまる人は、一度婦人科を受診して検査を受けましょう。
- 最近、過少月経・過短月経になった
- 20代を過ぎても過少月経・過短月経が改善しない
- 下腹部痛や性交時痛、月経痛などの症状がある
- 出産後に月経が再開したものの、過少月経・過短月経が続いている
- 日常的に性交渉をおこなっても1年以上妊娠しない
婦人科の受診は、無排卵月経などの不妊の原因が隠れていないか、調べるきっかけになりますよ。
婦人科を受診すると、一般的に以下の検査がおこなわれます。
- 超音波検査:子宮や卵巣の異常の確認
- 血液検査:女性ホルモンや女性ホルモンの分泌をうながす性腺刺激ホルモン、排卵を抑制するプロラクチンの分泌量を確認する
年代や妊娠希望の有無に合わせて、漢方薬や排卵誘発剤、ホルモン療法などが検討されますよ。
生理の量が少ないのは、女性ホルモンの分泌に異常が生じている可能性があります。
また卵巣や甲状腺、脳に病気が隠れている可能性も否定できません。
月経量が少ない場合は妊娠している可能性もありますが、出血量だけで判断するのではなく、妊娠検査薬を使用しましょう。
生理の量が少ない状態を放置すると、不妊になる可能性があります。
生活習慣の見直しとともに、基礎体温を測定する習慣をつけましょう。
経血量の減少に加えて生理痛や妊娠しにくいなどの気になることがあれば、すぐに婦人科を受診して検査・治療を受けてくださいね。
- 低用量ピルなどを使用していると経血量が減ることがあるが、心配はいらない
- 生理の量が少ないのは、女性ホルモン分泌量の低下や卵巣などの病気が原因かも
- 月経量がいつもより少ない時は、妊娠による着床出血も考えられる
- 経血の減少を放置すると、不妊につながる可能性があるため、婦人科を受診しよう
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