ピルの副作用で血栓症になるのはなぜ?症状・発症リスクのある人や予防法を解説

月経困難症の治療や避妊の目的で効果が期待されているピル。

ピルの副作用は、不正出血や吐き気など軽症のものがほとんどですが、重篤な副作用に血栓症があります。

今回はピルの副作用「血栓症」について、症状・発症の理由やリスクのある人・予防方法などをわかりやすく解説します。

ピルの副作用「血栓症」とは?

血栓症とは、何らかの原因で血管の中に血のかたまり「血栓」ができて血管をふさいでしまう病気です。

血栓症には動脈血栓症と静脈血栓症の2つがあり、ピルの副作用は静脈血栓症の方が多くみられます。

血栓で血管がふさがれてしまうと、詰まった場所から先にある臓器や組織の細胞が死んでしまい深刻な症状があらわれます。

血栓リスクが高まる要因で主なものは以下の3つです。

  • 体質で血液が固まりやすい
  • 長時間同じ体勢で過ごしている
  • 動脈硬化が進行している

血栓症は血管が詰まった場所によって、病気の名前が変わります。

たとえば、脳の血管が詰まれば脳梗塞、肺の血管が詰まるとエコノミークラス症候群です。

ピルの副作用で血栓症が起こるのはなぜ?

ピルの副作用で血栓症が起こるのは、ピルに含まれる卵胞ホルモンのエストロゲンの影響で血液が固まりやすくなるからです。

ピルを服用して体の中に取り込まれたエストロゲンは、肝臓で作られる血液を固める作用のあるタンパク質を増やし、反対に血液が固まるのを抑えるタンパク質を減らします。

そのため血栓が発生しやすくなるのです。

血栓症はピルに含まれるエストロゲン量が多くなるほど発症リスクが高くなります。

現在は血栓症のリスクを考慮して、エストロゲン量を低用量化した薬が多く使用されています。

ピルの副作用による血栓症はいつから出る?

ピルの副作用による血栓症は、服用開始から3~4ヶ月以内にもっとも起こりやすいとされています。

血栓症の発症リスクは、ピルの服用を長期間続けると徐々に下がります。

しかし、ピルの服用をいったん中止して再開する場合は、血栓症のリスクが上がるため注意しましょう。

ピルの副作用で血栓症を発症する人数は年間1万人のうち3~9人に対し、ピルを服用していない人の場合は年間1万人のうち1~5人です。

血栓症を発症する確率は、ピル服用の有無で大きな差はないため、極度に副作用を怖がる必要はありません。

ピルの副作用で血栓症になったらどんな症状が現れる?

ピルの副作用で血栓症になると、以下のような初期症状があらわれます。

激しいお腹の痛み

血栓症が腹部に起きたときにあらわれます。

強い胸の痛み、胸を押しつぶされるような痛み、息苦しさ

血栓症が胸や肺に起きたときにあらわれる症状です。

今まで体験したことのない激しい頭痛、めまい

脳に血栓症が起きたときにあらわれます。

舌のもつれ、しゃべりにくさ、目のかすみ、視野が狭くなる

血栓症が脳に起きたときにあらわれる症状です。

ふくらはぎの痛み、むくみ、しびれ、皮膚の赤みや腫れ

脚の静脈に血栓症が起こったときにあらわれます。

上記の症状があらわれたら、ピルの服用を中止して早急に医療機関を受診しましょう。

その際は、ピル服用中であることを必ず医師に伝えてください。

ふくらはぎの血栓症には要注意

ふくらはぎがむくんだり赤紫色になって腫れたりしている場合は、脚の深いところの血管が詰まる「深部静脈血栓症」を起こしている可能性があります。

深部静脈血栓症が起こると、脚の血管にできた血栓が心臓を経由して肺に流れていき、肺の血管を詰まらせる「肺塞栓症」につながるのです。

深部静脈血栓症と肺塞栓症はつながりが深いため、両方をあわせて「静脈血栓塞栓症」と呼ばれています。

肺塞栓症は重症になると命にかかわるため、ふくらはぎの異変に気付いたらただちに医療機関を受診しましょう。

ピルの副作用で血栓症になりやすい人は?

以下の項目に該当する場合は、ピルの副作用で血栓症になりやすく、心血管系の病気の引き金になる可能性があるため要注意です。

  • 1日15本以上喫煙する35歳以上の女性
  • 40歳以上の女性
  • 喫煙者
  • 血栓性素因のある人
  • 手術を受ける人
  • 高血圧症の患者
  • 脂質代謝異常のある人
  • 肥満の人
  • 入院・飛行機移動など長時間動かない人

条件によってはピル服用ができないケースもあるため、ピルを処方してくれるクリニックで相談しましょう。

ピルの副作用「血栓症」を予防するには?

血栓症を予防するには、血液をドロドロさせないことと血流をよくすることが大切です。

日ごろから取り組める血栓症の予防方法を紹介します。

こまめに水分補給する

体内の水分が不足すると血液の流れが悪くなるため、こまめな水分補給が必要です。

1日6~8回、間隔は2~3時間ごとにコップ1杯程度の水分を取りましょう。

とくに起床時・就寝前・お風呂上がりなど、体内の水分が失われている時間帯に水分補給すると血栓症の予防につながります。

水分補給するとき、アルコールやカフェインの多い飲み物はかえって体から水分を排出しやすくなるため注意してください。

運動をおこなう

運動不足は、血行が悪くなったり、動脈硬化や肥満が進んだりして血栓ができやすくなる原因です。

ヨガやウォーキングなど適度な運動をおこなうと、血管の中で血栓ができにくくなり、内臓脂肪を減らして肥満を防ぐ効果があります。

ほかにも運動によって筋肉を動かすため、血行がよくなることも期待できます。

デスクワークや長時間の移動で同じ姿勢が続くときは、数時間おきに足首の曲げ伸ばしやふくらはぎのストレッチをおこない、脚の血行を改善しましょう。

たばこを控える

喫煙している人がピルを服用すると、喫煙していない人と比べて血栓症を起こすリスクが2倍以上になります。

また喫煙すると血管が狭くなり、血流が悪くなります。

ピル服用をきっかけに禁煙に取り組みましょう。

禁煙を開始して24時間後には心臓発作のリスクが低下します。

禁煙を長期間続けるほど体の機能が回復するため、さまざまな病気にかかるリスクが低下するのです。

ピルの副作用「血栓症」は予防が大切!水分補給と運動を忘れないようにしよう

ピルの副作用「血栓症」とは、血管中に血のかたまりである血栓ができて血管をふさいでしまう病気です。

ピルに含まれるエストロゲンの影響で、血液を固まりやすくするタンパク質が増えるため、血栓ができやすくなります。

血栓症の主な初期症状は、強い胸の痛み、激しい頭痛、ふくらはぎの痛みや脚のむくみです。

発症リスクは、喫煙者・40歳以上の人・長時間同じ姿勢で過ごす人などで高くなります。

こまめな水分補給・適度な運動・禁煙をおこない、ピルの副作用「血栓症」を予防しましょう。

この記事のまとめ
  • ピルの副作用の血栓症とは、血管中に血のかたまりができて血管をふさぐ病気
  • ピルに含まれるエストロゲンの影響で、血栓ができやすくなる
  • 血栓症の主な初期症状は、強い胸の痛み・激しい頭痛・ふくらはぎの痛みや脚のむくみ
  • 血栓症の発症リスクは、喫煙者・40歳以上の人・長時間同じ姿勢で過ごす人などで高くなる
  • 血栓症の予防方法は、こまめな水分補給・適度な運動・禁煙がある

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