「生理前・生理中に膝や指の関節が痛い」と悩む人は多いもの。
「もしかすると関節リウマチかもしれない」と不安に思う人も少なくないでしょう。
なぜ生理前から生理中にかけて関節の痛みが出るのでしょうか。
今回は、生理中に関節痛が起こる理由や関節リウマチとの関係を解説します。
生理中に試せる関節痛の治し方も紹介するので、参考にしてみてくださいね。
生理中の関節痛には、ホルモンバランスの変化が関わっている可能性があります。
生理周期は、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という女性ホルモンのバランスで生まれるもの。
約1ヶ月の生理周期の間に、女性ホルモン分泌が大きく変動するため、体調を崩す人が多く、関節痛が生じることも。
ただし、関節痛は生理中に現れる代表的な症状ではないので、生理の影響によるものと言い切れないことを押さえておきましょう。
ここからは、生理中に関節痛が起こりやすい理由をくわしく解説します。
生理中は体重が増加し関節に負担がかかるため、関節痛が起こりやすいです。
生理前の体重増加には、プロゲステロンの分泌量の上昇が関わっています。
生理前から生理中に体重が増加する理由は、以下のとおりです。
- 体に水分を溜め込みやすくなるから
- 食欲が増加しやすいから
- 運動量が減少しやすいから
- 便秘しやすくなるから
個人差はありますが、何もしなくても体重は1~3kg増えるので、関節に負荷がかかりやすいですよ。
ホルモンバランスの変化に影響されて自律神経が乱れると、生理中に筋肉や関節の痛み、関節のだるさなどが現れやすいです。
自律神経は代謝や内臓、筋肉の動きなどに関与しており、バランスを崩すと心身にさまざまな不調が現れます。
交感神経が優位なままだと、筋肉が収縮し血流が悪化するので、関節が痛む人がみられますよ。
生理前に起こる関節痛は、PMS(月経前症候群)の可能性があります。
PMSとは月経前3~10日間続く精神的・身体的症状で、月経開始とともに軽快・消失するもの。
原因ははっきりと解明されていませんが、女性ホルモンの変動が関わっていると考えられています。
また、ストレスによる自律神経の乱れにも影響を受けることも。
関節痛のほかには、頭痛や筋肉痛などの身体症状や、イライラや集中力の低下などの精神症状が現れます。
精神症状が強い場合をPMDD(月経前不快気分障害)と呼ぶことも。
市販薬での対応も可能ですが、日常生活に支障が出ている場合は婦人科を受診しましょう。
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生理前に関節痛があると「関節リウマチかもしれない」と不安に思うかもしれません。
しかし、生理前の関節痛はPMSの可能性もあり、リウマチと区別が難しいです。
リウマチは、朝起きてから30分以上手のこわばりが続いたり、痛みや腫れが手指の第2関節に左右対称に出たりするのが特徴。
これらの症状に当てはまる場合は、リウマチ専門医に相談してください。
また、生理前になるとリウマチによる関節痛が悪化する人が多いです。
これは、炎症や痛みを抑えるエストロゲンの分泌量が低下するからだと考えられています。
生理周期とリウマチの関連性は確定していませんが、生理の約10日前から生理終了までの間に痛みが悪化すると感じる人が多いです。
「生理期間に関節痛が出たら対処する」という限定的な取り組みよりも、日頃から栄養バランスのとれた食生活や、ストレスを溜めないことを心がけましょう。
そのうえで、これから紹介する生理前・生理中の関節痛の治し方を取り入れてくださいね。
関節痛を改善するために、血流をよくする作用のある食べ物を意識的に摂取しましょう。
生理中は自律神経の乱れから血流が滞り、関節痛が出やすい時期。
ビタミンEやEPA(エイコサペンタエン酸)を含む食べ物を取り入れれば、血流がよくなり関節痛の緩和が期待できます。
ビタミンEは以下の食べ物に多く含まれています。
- 卵
- アーモンド
- アボカド
- 大豆
- オリーブオイル
これらの食べ物は生で食べるよりも、炒め物などで油脂と一緒に摂取すると、ビタミンEの吸収率がアップしますよ。
EPAを摂取するためには、以下に挙げる青魚を意識的に摂取しましょう。
- サバ
- ニシン
- イワシ
- サンマ
- ウナギ
EPAは加熱していない青魚に多く含まれます。
また、魚の摂取頻度が多い女性では、中等度の月経痛を有するリスクが低いという報告も。
肉中心の食生活を送っている人も、旬の魚を食事に取り入れてみてくださいね。
関節を温めると、血流が改善し関節痛が和らぎやすいです。
- 痛みがある部分にカイロを当てる
- お風呂にゆっくり浸かる
- ひざかけを利用する
また、関節痛を予防するために、日頃から体を冷やさない生活習慣を心がけましょう。
関節痛を和らげるには、以下の漢方薬を服用するのも効果的です。
- 桂枝加苓朮附湯(けいしかりょうじゅつぶとう)
- 五積散(ごしゃくさん)
- 薏苡仁湯(よくいにんとう)
漢方薬には水分の代謝や体の冷え、血行不良を改善する効果が期待できますよ。
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生理中の関節痛が一時的であれば、しばらく様子を見てもよいでしょう。
しかし、次のようなケースは早めに婦人科を受診してください。
- 日常生活に支障が出るほど関節痛がつらい
- 関節痛以外の症状を併発している
ここからは、関節痛以外の症状を併発している時に考えられる病気を紹介します。
ただし、ほかの病気が隠れている可能性もあるので、自己判断せずに医師の診断を仰ぐのがおすすめです。
月経困難症とは、月経中に起こる病的な症状のことです。
月経痛だけでなく、頭痛や吐き気、気分変動なども含まれます。
月経困難症の分類は、子宮内膜症や子宮筋腫などの病気による器質性月経困難症と、痛みの原因となる病気のない機能性月経困難症です。
生活に支障が出るほどの症状があるなら、すぐに婦人科で治療を受けてくださいね。
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更年期には、加齢やエストロゲンの減少により関節痛が起こることも。
更年期障害では関節の違和感から始まり、肩や手指・膝などの関節痛を生じます。
関節痛以外にも、ほてりやのぼせ、頭痛などがある場合は、婦人科を受診しましょう。
生理中の関節痛には、女性ホルモンの変化やそれにともなう自律神経の乱れが関わっています。
生理前に関節が痛む場合、PMSと関節リウマチの区別は難しいもの。
また生理期間に関節痛が生じていても、生理とは関係がないほかの病気によるものかもしれません。
関節の痛みが強く日常生活に支障がある場合や、月経痛や頭痛などのほかの症状もある場合は、原因を特定・治療するために婦人科を受診しましょう。
- 生理中の関節痛には、ホルモンバランスの変化による体重増加や自律神経の乱れが関わることがある
- 生理前の関節痛はPMSやほかの病気の可能性があるため、関節リウマチによる痛みと言い切れない
- 関節の痛みを和らげるには、血流を改善する生活習慣を意識して
- 生理中に関節痛以外の症状がある場合は、早めに婦人科を受診しよう
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