排卵日の前後に体調が崩れ、これは何の症状なのかと気になった経験のある方も多いのではないでしょうか。
生理前でもないのに下腹部が痛んだり、強い眠気に襲われたりすると、理由がわからず不安になるものです。
排卵の前後は女性ホルモンが大きく動く時期にあたり、心身にさまざまな変化が現れることがあります。
この記事では、排卵日の前後に起こりやすい症状を時期ごとに整理し、PMSとの違いや受診の目安をわかりやすく解説します。
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排卵とは、卵巣のなかで成熟した卵子が外に飛び出すことをいいます。
厚生労働省のe-ヘルスネットでは、月経から卵胞期にかけてエストロゲンが徐々に増加し、月経開始から2週間ほどで黄体形成ホルモンが急増して排卵が誘発されると説明されています。
排卵を境に周期は黄体期へ移り、今度はプロゲステロンが増えていきます。
つまり排卵日は、2つの女性ホルモンが入れ替わる折り返し地点にあたります。
この切り替わりの時期に、体調の変化を感じる方が少なくありません。
排卵期の症状は、排卵の前と後で現れ方が変わります。
同じだるさでも、関わっているホルモンが違うためです。
ここでは、時期ごとに起こりやすい変化を一覧にまとめました。
| 時期 | 起こりやすい変化 | 主に関わるホルモン |
|---|---|---|
| 排卵の数日前 | おりものが増える/下腹部の違和感/気分が上向く | エストロゲンが増えていく |
| 排卵日の前後 | 下腹部の片側の痛み/少量の出血/だるさ・眠気 | エストロゲンが下がり、排卵が起こる |
| 排卵後(黄体期) | 基礎体温が上がる/胸の張り/むくみ/気分の落ち込み | プロゲステロンが増えていく |
すべての症状が毎回現れるわけではありません。
まったく感じない方もいますので、当てはまらなくても心配はいりません。
排卵が近づくとエストロゲンの分泌が増えていきます。
この時期は体調が比較的安定しやすく、変化に気づきにくい方もいます。
排卵が近づくと、子宮の入り口から分泌される頸管粘液の量が増えるといわれています。
白っぽく濁っていたものが透明に近づき、指で伸ばすと糸を引く状態に変わります。
排卵期の変化としては、もっとも気づきやすいもののひとつです。
おりものの変化についてはくわしく解説した記事がありますので、下記記事をご覧ください。
排卵日のおりものはどう変わる?伸びるおりものの特徴と目安にするときの注意点
卵胞が育つ過程で、下腹部に張るような違和感を覚える方がいます。
痛みというほどではなく、なんとなく重いと表現されることが多い感覚です。
左右どちらか一方に感じることもあります。
エストロゲンが増える時期は、気分が安定しやすいといわれています。
肌の調子がよく感じられたり、活動的になれたりする方もいます。
生理前の落ち込みと対比して、この時期を過ごしやすいと感じる方は少なくありません。
排卵が起こる前後は、ホルモンの動きがもっとも大きい時期です。
体調の変化を感じやすいのも、この数日間になります。
排卵の前後に下腹部が痛むことがあり、排卵痛と呼ばれています。
左右どちらか一方に感じることが多く、チクチクする痛みや、重く引っぱられるような感覚と表現されます。
毎回同じ側とはかぎらず、月によって変わることもあります。
排卵痛の起こる時期や続く長さについては、下記記事でくわしく解説しています。
周期の中頃に少量の出血が見られることがあり、排卵期出血や中間期出血と呼ばれています。
エストロゲンが一時的に下がることで起こる、一過性の変化とされています。
おりものに少し血が混じる程度から、うっすら色がつく程度までさまざまです。
ただし、量が多い場合や毎回続く場合は、別の要因が関わっている可能性もあります。
排卵の前後に、からだが重く感じられたり眠気が強くなったりすることがあります。
e-ヘルスネットでは、排卵後に増えるプロゲステロンの影響で眠気が強くなると説明されています。
日中にどうしても眠くなる日が周期の真ん中に来る場合は、この時期にあたっている可能性があります。
無理に頑張ろうとせず、その日の予定を軽くしておくと過ごしやすくなります。
毎月決まった時期に体調が崩れるのに、生理前ではないから理由がわからない。編集部にも、そう感じていたスタッフがいました。周期を数か月記録してみたところ、不調の日がちょうど周期の真ん中に並んでいたそうです。理由がわかるだけで、その日の予定の立て方は変わります。
排卵が終わると、プロゲステロンが増える黄体期に入ります。
生理前の不調につながっていく時期でもあります。
排卵後はプロゲステロンの働きで基礎体温が高くなり、高温期に入ります。
e-ヘルスネットでも、黄体期には基礎体温が高くなると説明されています。
人によっては、微熱があるような火照りとして感じられることがあります。
MSDマニュアル家庭版では、エストロゲンとプロゲステロンの血中濃度が上昇すると乳房内の乳管が拡張すると説明されています。
その結果、乳房が膨らんだり、触れると痛んだりすることがあるとされています。
下着が当たって痛いと感じる日が周期の後半に集中するのは、このためです。
プロゲステロンにはからだに水分をためこむ働きがあるといわれています。
顔や脚のむくみ、体重の増減を感じる方もいます。
また、腸の動きがゆるやかになることで便秘につながることもあるとされています。
ホルモンの変動は、気分の揺れにも関わるといわれています。
排卵後から生理前にかけて、イライラしやすくなったり気分が沈みやすくなったりする方がいます。
この時期の気分の変化は、次に説明するPMSと重なる部分があります。
排卵期の不調とPMS(月経前症候群)は、症状が似ているため混同されがちです。
大きな違いは、起こる時期にあります。
| 排卵期の不調 | PMS(月経前症候群) | |
|---|---|---|
| 起こる時期 | 生理開始のおよそ2週間前 | 生理開始前の3〜10日 |
| 周期上の位置 | 排卵の前後 | 黄体期の後半 |
| 落ち着くタイミング | 排卵が終われば数日で軽くなる | 生理が始まると軽快する |
| 特徴的な症状 | 片側の下腹部痛、おりものの変化 | イライラ、気分の落ち込み、胸の張り |
周期の真ん中で不調が出て数日で落ち着くなら、排卵期の変化である可能性があります。
生理が近づくにつれて強くなり、生理が始まると軽くなるようならPMSにあたります。
どちらも記録をつけていると判断しやすくなります。
PMSについては下記記事をご覧ください。
結論からいうと、目安にはなりますが特定はできません。
症状の出方には個人差が大きく、まったく感じない方もいます。
同じ人でも、周期によって感じたり感じなかったりします。
さらに、排卵痛と呼ばれる痛みが実際の排卵と同時に起きているとはかぎりません。
症状はあくまで、そろそろ排卵の時期らしいというサインとして受け止めましょう。
より正確に把握したい場合は、基礎体温や排卵検査薬と組み合わせる方法があります。
基礎体温の測り方については下記記事をご覧ください。
排卵期の不調は、周期のなかで自然に起こる変化です。
無理になくそうとするより、その時期を過ごしやすくする工夫を持っておきましょう。
下腹部の違和感がある日は、腹巻きやカイロでお腹まわりを温めると過ごしやすくなります。
冷たい飲み物を控えて、温かいものを選ぶのもひとつの方法です。
夏場の冷房も、膝掛けなどで調整しましょう。
眠気が強くなる時期は、夜更かしを避けて睡眠時間を確保しましょう。
食事を抜くと血糖値の変動で気分が揺れやすくなるため、時間を空けすぎないようにします。
むくみが気になる日は、塩分の多い食事を控えめにするのも有効です。
周期を記録していると、不調が出やすい時期がわかってきます。
その時期に大事な予定を詰め込まないだけでも、負担はかなり変わります。
体調が落ちる日をあらかじめ見込んでおくことは、自分を守る工夫のひとつです。
排卵期の不調は、生理痛ほど周りに理解されにくいところがあります。つらいと言いにくいまま、我慢している方もいるのではないでしょうか。まずは自分が把握しておくことから始めてみてください。
排卵期の不調の多くは、周期に伴う一時的な変化です。
ただし、痛みや出血が強い場合は別の要因が関わっていることもあります。
次のような場合は、婦人科で相談してみてください。
- 立っていられないほどの強い痛みがある
- 痛みが1週間以上続く、または毎周期悪化している
- 鎮痛薬を飲んでも痛みが治まらない
- 周期の中頃の出血が毎回続く、量が多い
- 発熱や吐き気をともなう
強い排卵痛が毎回続く場合、子宮内膜症や卵巣の疾患が背景にあることもあるとされています。
数か月分の記録があると、医師に状況を伝えやすくなります。
自己判断で様子を見続けず、気になる症状がある場合は医療機関へご相談ください。
以前は気にならなかったのに、30代や40代になってから排卵期の不調が強くなったと感じる方がいます。
年齢を重ねるとホルモンの分泌量やバランスが変化していくため、同じ周期でも感じ方が変わることがあります。
40代では、更年期に向けた変化が重なっている場合もあります。
周期そのものが乱れてきた、経血量が変わったといった変化があわせて起きているときは、一度婦人科で相談してみましょう。
更年期の兆候については下記記事をご覧ください。
排卵日の症状は何日くらい続く?
排卵日の症状がまったくないのは問題?
ピルを飲んでいても排卵日の症状は出る?
排卵日の前後に起こる不調は、女性ホルモンが入れ替わる時期の自然な変化です。
排卵の前はおりものの変化、排卵日の前後は片側の下腹部痛やだるさ、排卵後は基礎体温の上昇や胸の張りが現れやすくなります。
生理前に強くなるPMSとは、起こる時期で見分けられます。
症状だけで排卵日を特定することはできないため、基礎体温や記録とあわせて目安として使いましょう。
痛みや出血が強い場合や、年齢とともに不調が増したと感じる場合は、婦人科へご相談ください。
いつでもオイテルは、そんなあなたの「自分らしいからだのケア」をいつも応援しています。
- 排卵日はホルモンが入れ替わる折り返し地点
- 排卵前後で現れやすい症状は変わる
- PMSとは起こる時期で見分けられる
- 症状だけで排卵日は特定できない
- 痛みが強い日が続くなら婦人科で相談する

