森 久仁子 医師
プロフィール
大阪医科大学を卒業後、同大学産婦人科学講座に入局。同大学産婦人科学講座助教、和歌山労災病院をへて平成25年、和歌山市に「森女性クリニック」を開院。
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ピルは経口避妊薬とも呼ばれ、女性が主体で行える避妊法です。
避妊目的のほかに、ピルは生理痛・PMS・ニキビの改善などさまざまな効果があります。
ピルについて「効果はいつからでるのか」「飲み忘れたときはどうしたらよいか」など気になっている人もいるでしょう。
この記事ではピルの効果が現れる時期・服用方法・飲み忘れたときの対処法について、わかりやすく解説します。
ピルは月経周期をコントロールしている女性ホルモン(卵胞ホルモン・黄体ホルモン)が含まれた薬です。
さまざまな用途で用いられ、ピルの効果がいつ現れるのかは使用する目的によって異なります。
ピルを初めて服用する場合、生理初日から5日目までに飲み始めると、服用開始した日から避妊効果が得られます。
ただし服用開始してから、最低1週間は続けて服用ができないと避妊効果は下がります。
避妊目的で服用するときは、飲み忘れないように注意が必要です。
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生理痛やPMSなど生理トラブルの改善は、ピル服用を始めて次の生理から効果が現れる人が多いです。
ピルを服用すると子宮内膜の増殖が抑えられるため、子宮内膜の厚みが原因で起こる生理痛が改善されます。
PMSは排卵後の急激なホルモンバランスの変化で生じますが、ピル服用により排卵が抑えられ症状が緩和されます。
ニキビの改善効果は、ピルを服用開始して2~3ヶ月後から現れることが多いです。
生理の前後で悪化するニキビは、排卵後の卵胞ホルモンの減少と黄体ホルモンの増加により、肌のバリア機能が乱れたり皮脂分泌が促進されたりして、毛穴が詰まることが原因で起こります。
ピルを服用すると、排卵を抑えてホルモン量がコントロールされるため、ニキビの改善につながります。
生理不順などで生理がなかなか始まらない場合、医師の判断によっては次の生理日を待たずにピルの服用を始めることがあります。
その際は、服用前に妊娠していないことの確認が必要です。
生理じゃない時にピルを飲み始めると、避妊効果を得られる時期が服用を始めたタイミングで異なりますので、薬を処方してくれる医師に確認しましょう。
避妊効果が得られるまでは、コンドームを使用するか性交渉を控えるようにしてください。
ピルの効果を発揮するための正しい飲み方は、毎日1錠ずつできるだけ同じ時間に飲むことです。
自分の生活リズムに合わせて服用する時間を決め、飲み忘れを防ぎましょう。
ここでは、ピルの服用方法「Day1スタート」と「Sundayスタート」の2種類の飲み方について紹介します。
Day1スタートとは、生理が始まってから24時間以内に服用開始する方法です。
Day1スタートの薬は、1シート中に21錠入りと28錠入りの2種類があります。
少なくとも1週間続けて服用しないと避妊効果が弱くなるため、飲み忘れに注意しましょう。
1シートに21錠のピルが包装されています。
1日1錠ずつ21日間連続で飲み切ったら、次の7日間は休薬期間で服用をお休みします。
この休薬期間中に「消退出血」という生理のような出血が起こります。
休薬期間の後は消退出血が止まっていなくても、すぐに新しいシートの服用を始めましょう。
次のシートの服用開始が遅れると、妊娠する可能性があるので注意してください。
1シート中に21錠のピルと、7錠のプラセボが包装されています。
プラセボは薬の飲み忘れを防ぐために、薬の成分を含まない偽薬のことです。
28日間毎日1錠ずつ服用し、すべて飲み切ったら新しいシートの服用を始めましょう。
消退出血は7錠のプラセボを服用中に起こります。
28錠タイプは、自分で休薬期間を作る必要がないため、初めてピルを服用する人や飲み忘れが心配な人におすすめです。
Sundayスタートは、生理が始まってから最初の日曜日に服用を開始する方法です。
たとえば、月曜日から土曜日の間に生理がきた場合は、次の日曜日から服用を始めます。
また生理開始が日曜日であれば、その日から服用開始します。
ピルを1週間続けて服用できるまでは、コンドームを使用するか性交渉を控えましょう。
Sundayスタートで服用すると、消退出血は4週目の月曜日ごろから始まり金曜日ごろに終わります。
週末に出血が起こらなくなるため、レジャーやスポーツなどの予定を入れたい人におすすめです。
気をつけていても、ピルの服用を忘れてしまうことは誰にでもあります。
飲み忘れに気づいたときは、あわてずに落ち着いて対応しましょう。
ピルを最後に服用してから、どのくらい時間が経過したかによって以下のように対処法が変わります。
気づいた時点で飲み忘れた1錠を服用し、次の服用時間が来たら予定通りその日の分を服用します。
以降は通常通りに服用を続けてください。
飲み忘れた前日の1錠と、その日に服用する分を合わせて、2錠まとめて服用します。
以降は通常通りの服用を続けましょう。
飲み忘れた日が第1週目の最初のころ、または第3週目の最後あたりの場合は、妊娠のリスクを低くするために、緊急避妊薬(アフターピル)の使用を検討してもよいです。
ピルを最後に服用して、48時間以上経ってから飲み忘れに気づいたときは、気づいた時点ですみやかに2錠服用してください。
次の日以降は通常通りの服用を続けてよいですが、避妊効果は落ちてしまいます。
ピルを1週間続けて服用できるまでは、コンドームを使用するか性交渉を控えましょう。
飲み忘れる前に性交渉があった場合の妊娠の可能性については、飲み忘れの時期によって異なります。
緊急避妊薬の必要性が高いです。
かかりつけのクリニックへ相談しましょう。
飲み忘れの直前に1週間続けて正しい服用ができていれば、緊急避妊薬の使用は検討しなくてよいです。
正しく服用できていなければ、緊急避妊薬の使用を考えましょう。
飲み忘れの直前に1週間続けて正しい服用ができていれば、緊急避妊薬は不要です。
現在服用中のシートを飲み終えたら、休薬期間を設けずに(プラセボは服用せず)、新しいシートの服用を始めましょう。
ピルを最後に服用してから72時間以上経つと、すでに生理が来ているか、間もなく生理が始まる状態になります。
ピルが残っていても、現在服用中のシートは使用できません。
次の生理初日から新しいシートの服用を開始しましょう。
新しいシートのピルを1週間続けて服用できるまでは、ほかの避妊方法を用いるか、性交渉を控えるようにしてください。
ピルは避妊・生理痛やPMSの緩和・ニキビを改善する目的で使われ、いつから効果がでるのかは目的によって変わります。
通常は生理開始に合わせてピルの服用を始めますが、生理不順がある場合は生理じゃない時にピルを始めることもあります。
効果を発揮するためには、ピルを毎日1錠ずつ決まった時間に服用し続けることが大切です。
万が一飲み忘れた場合、飲み忘れの日数や時期によって対処法が変わります。
ピルを処方してくれる医師に前もって確認しておきましょう。
- ピルの効果には、避妊・生理痛やPMSの緩和・ニキビの改善がある
- 効果を発揮するには、毎日1錠ずつ決まった時間に服用を続ける
- 飲み忘れた場合は、飲み忘れの日数や時期によって対処法が異なる
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