
沢岻 美奈子 医師
プロフィール
日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医。女性ヘルスケア認定医。神戸にある「沢岻美奈子女性医療クリニック」と恵比寿「Takushi clinic」の院長。子宮がんや乳がん検診、骨粗鬆症検診まで女性特有の病気の早期発見のための検診を2013年の開院以来数多く行なっている。
https://takushiminako.com/
PR/この記事は一部プロモーションを含みます
\アンケート実施中/
「生理前になるとイライラが止まらない」「家族やパートナーに当たってしまって自己嫌悪に陥る」——そんな悩みを抱えている人は、決して少なくありません。
この記事では、生理前のイライラが起こるメカニズムやPMS・PMDDの違い、食事や運動などのセルフケア、市販薬やサプリの選び方、そして病院を受診すべき判断基準までをわかりやすく解説します。
「自分だけがおかしいのかも」と感じている人も、まずは原因を知るところから始めてみてくださいね。
生理前にイライラしたり、情緒不安定になったりする場合、PMS(月経前症候群)やPMDD(月経前不快気分障害)の症状かもしれません。
PMSやPMDDの原因は、はっきりと解明されていませんが、黄体期の女性ホルモンの変化が関係しているといわれています。
排卵直前に、女性ホルモンの1つである卵胞ホルモンの分泌量が減少します。
すると、幸福感を増したり、心身をリラックスさせたりする作用をもつセロトニンも減少してしまい、精神的な不調が出やすくなるのです。
ほかにも、ストレスや対人関係などの環境的な要因、飲酒・喫煙などの生活習慣、肥満、精神疾患の既往歴の有無も、PMSやPMDDに関わっていると考えられています。
女性の生理周期は、おもに「卵胞期」「排卵期」「黄体期」「月経期」の4つの時期に分けられます。
この周期をコントロールしているのが、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という2種類の女性ホルモンです。
日本産科婦人科学会の解説によると、これらのホルモンは脳の視床下部や下垂体からの指令によって分泌量が変化し、排卵や月経のリズムをつくっています。
生理前のイライラを理解するためには、まずこの基本的なしくみを押さえておくことが大切です。
排卵が終わると、体は「黄体期」に入ります。この時期は黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が増える一方、卵胞ホルモン(エストロゲン)が急激に低下します。
エストロゲンには、脳内の「セロトニン」の働きを助ける作用があるとされています。セロトニンは気分を安定させる神経伝達物質であり、その分泌が減少すると、イライラや不安、落ち込みなどの精神症状が出やすくなるのです。
つまり、生理前に気持ちが不安定になるのは、ホルモンバランスの大きな変動が脳の神経伝達物質に影響を与えるためと考えられています。
生理前にイライラしてしまうと、「自分の性格が悪いのでは」と自己嫌悪におちいることがあるかもしれません。
しかし、ここまで解説したとおり、生理前のイライラはホルモンバランスの変動による生理的な反応です。
厚生労働省の「女性の健康推進室 ヘルスケアラボ*」でも、PMSの精神症状としてイライラが取り上げられており、意思の弱さや性格の問題ではないことが示されています。
「ホルモンの影響で一時的に感情が揺れやすくなっている」と捉えることで、自分を必要以上に責めずに済むのではないでしょうか。
*参考:女性の健康推進室ヘルスケアラボ
生理前のイライラは、PMSやPMDDが原因かもしれません。
とはいっても「PMSとPMDDの違いがわからない」という人は、多いのではないでしょうか?
ここからは、PMSとPMDDの特徴や症状について詳しくみていきましょう。
PMSとは、生理前3日~10日の間続く精神・身体症状のことで、生理が始まるとともに軽快・消失します。
PMSの症状は身体面と精神面の両方に現れます。
米国産科婦人科学会(ACOG)のガイドラインでは、PMSの代表的な症状として以下が挙げられています。
- 頭痛・腰痛・腹痛
- 乳房の張りや痛み
- むくみ・体重増加
- 肌荒れ・ニキビ
- 便秘や下痢
- イライラ・怒りっぽさ
- 不安・緊張感
- 気分の落ち込み
- 集中力の低下
- 過食や食欲の変化
これらの症状が生理前の3日〜10日間に繰り返し現れ、生理が始まると軽くなる場合は、PMSの可能性がありますよ。
「自分の症状はPMSなのかな?」と気になった時は、2〜3か月間、症状を記録してみましょう。
具体的には、以下のポイントを毎日メモするだけで十分です。
- その日の生理周期(月経何日目か)
- 気分の変化(イライラ・不安・落ち込みなど)
- 身体の不調(頭痛・腰痛・むくみなど)
- 症状の強さ(軽い・中くらい・つらいなど3段階で)
記録を続けると、「生理前の決まった時期に症状が出て、生理が始まると楽になる」というパターンが見えてきます。
この記録は、婦人科を受診する際にも役立つので、ぜひ試してみてくださいね。
PMDDとは、月経が始まる約2週間前から精神症状が強く、仕事や学業などの日常生活に支障をきたしている状態をさします。
PMDDは、PMSよりも精神症状が重く、日常生活に大きな支障をきたす点が特徴です。
米国精神医学会のDSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル 第5版)では、PMDDの主な症状として以下が定義されています。
- 著しい気分の不安定さ(急に悲しくなる、涙が止まらないなど)
- 強いイライラや怒り、対人関係のトラブル
- 著しい抑うつ気分や絶望感
- 強い不安や緊張
- 日常活動への興味の低下
- 集中力の著しい低下
- 疲労感・気力の減退
これらの症状のうち5つ以上が月経前の1週間に繰り返し現れ、月経開始後数日以内に軽快する場合、PMDDと診断される可能性があります。
「つらさのレベルが以前と違う」と感じたら、早めに医療機関に相談しましょう。
PMSとPMDDは、症状が現れる時期(月経前)が共通しているため混同されがちですが、重症度や診断基準に大きな違いがあります。
| 比較項目 | PMS | PMDD |
|---|---|---|
| 症状の中心 | 身体症状と精神症状の両方 | 精神症状がとくに強い |
| 日常生活への影響 | 不快だが生活はおおむね送れる | 仕事・家事・人間関係に著しい支障が出る |
| 診断基準 | 明確な国際基準は限られる | DSM-5に診断基準が明記されている |
| 推定有病率 | 月経のある女性の約70〜80%が何らかの症状を経験 | 月経のある女性の約3〜8%程度 |
| 主な治療アプローチ | セルフケア・生活習慣改善・漢方薬など | 抗うつ薬(SSRI)・低用量ピル・カウンセリングなど |
「イライラはあるけれど仕事や家事はなんとかできる」のか、「生活そのものが成り立たないほどつらい」のかが、大きな分かれ目になります。
判断に迷った場合は、婦人科や心療内科に相談してみてくださいね。
自分の症状がどの程度なのか、日常生活への影響度で考えるとわかりやすいです。以下はあくまで目安ですが、受診を考えるきっかけにしてみてくださいね。
- 軽度(セルフケアで対応可能)
イライラや不調を感じるが、仕事や家事はいつもどおりこなせる。周囲との関係にも大きな問題はない - 中等度(生活習慣の改善+市販薬を検討)
イライラで集中力が落ちたり、家族に当たってしまうことがある。日常生活にやや支障が出ている - 重度(医療機関への相談を推奨)
イライラや感情のコントロールが難しく、仕事を休んだり、対人関係のトラブルが起きている。自分を傷つけたい気持ちが出ることもある
重度の症状に心当たりがある場合は、我慢せずに早めに医師に相談するのが望ましいです。
生理前にイライラがひどくなると「PMSかな」と考えがちですが、似たような精神症状が出る別の病気・状態も存在します。
- うつ病
生理周期に関係なく、2週間以上にわたって気分の落ち込みや意欲低下が続く場合は、うつ病の可能性があります - 双極性障害(躁うつ病)
気分が極端に高揚する時期と落ち込む時期を繰り返す場合は、PMDDとの鑑別が必要です - 甲状腺機能の異常
甲状腺ホルモンの乱れによってイライラや不安が起こることがあります - 更年期障害
40代以降でホルモンバランスが大きく変わる時期には、PMSと更年期障害の症状が重なることもあります
「生理が終わっても気分がよくならない」「月経周期と関係なくイライラが続く」場合は、PMS・PMDD以外の原因が隠れている可能性があるため、医療機関で相談してみましょう。
「このつらさは我慢すべきなの?」「病院に行くほどではないのかも」と迷っている人は多いのではないでしょうか。
ここからは、セルフケアで様子をみてよいケースと、医療機関に相談したほうがよいケースの目安を紹介しますね。
以下のような状態であれば、まずは生活習慣の見直しやセルフケアで様子をみてよいでしょう。
- 生理前にイライラや気分の落ち込みがあるが、日常生活はおおむね送れている
- 家族や職場の人との関係に大きな問題は起きていない
- 食事や運動、睡眠の改善をまだ試していない
- 症状が毎月同じ程度で、悪化傾向はみられない
こうしたケースでは、次のセクションで紹介するセルフケア(食事・運動・睡眠の見直し、サプリメントや市販薬の活用など)から始めてみるのがおすすめです。
セルフケアだけでは対応が難しい可能性があるサインとして、以下のような状態が挙げられます。
- セルフケアを1〜2か月続けても症状が改善しない
- イライラや感情の爆発で、パートナーや子ども、職場の人との関係にトラブルが起きている
- 仕事や家事に集中できず、パフォーマンスが明らかに落ちている
- 月を追うごとに症状が重くなっていると感じる
こうした状態が続いている場合は、婦人科や心療内科の受診を検討しましょう。
受診の際は、先ほど紹介した症状の記録を持参すると、医師に状況が伝わりやすくなります。
以下のような症状がある場合は、できるだけ早く医療機関を受診してください。
- 自分を傷つけたい、消えてしまいたいという気持ちが出てくる
- 生理前に限らず、常にイライラや抑うつ感が続いている
- 子どもやパートナーに暴力をふるってしまう、またはふるいそうになる
- 日常生活がまったく送れない(仕事に行けない、家事ができない、外出できないなど)
これらは、PMDDだけでなく他の精神疾患が関与している可能性もあります。
一人で抱え込まずに、婦人科・心療内科・精神科のいずれかに相談してくださいね。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、診断や治療方針の決定は、必ず医師などの専門家と相談のうえ行ってください。
生理前にイライラして周りの人に当たってしまうと、罪悪感が湧いてきて余計につらくなりますよね。
ここからは、日常生活のなかで取り組める対策を紹介します。
今日から取り組めるものばかりなので、参考にしてくださいね。
生理前のイライラを緩和するためには、食事に意識を配ることが大切です。
ここからは、食事のポイントを詳しく解説します。
PMSを軽くする食べ物については、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
生理前の2週間は、黄体ホルモンの影響を受けて、血糖値が変動しやすい時期です。
食欲が増したり、イライラが悪化したりする時は、血糖値が下がっているかもしれません。
ここで血糖値を急激に上げてしまうと、その後急降下して悪循環におちいる可能性もあります。
血糖値の変動をゆるやかにするために、以下の方法を試してみてくださいね。
- 血糖値を急激に上げる砂糖を含む食べ物や果物、チョコレートなどを避ける
- 穀物類や豆類、いも類などのゆるやかに血糖値を上げる食べ物を摂取する
- 1日の食事を4回~6回などに小分けする
情緒不安定になっている時は、神経が緊張・興奮していたり、ホルモンバランスが乱れていたりするのかもしれません。
イライラを和らげたり、ホルモンバランスを整えたりするために、積極的に摂取したい栄養素は、以下のとおりです。
- ビタミンB6やカルシウム、マグネシウム:イライラや情緒不安定を和らげる
- イソフラボン:女性ホルモンに似た作用を示す
- ビタミンE:神経伝達物質の代謝に関わる
また、神経の緊張や興奮を抑えるためには、コーヒーや紅茶などのカフェインを含む飲み物を控えましょう。
「栄養バランスに気をつけたいけれど、忙しくて料理する余裕がない」という人もいるでしょう。
コンビニで手軽に買える食品のなかにも、PMS対策に役立つものがありますよ。
- バナナ: ビタミンB6やマグネシウムを含み、セロトニンの材料となるトリプトファンも摂取できる
- アーモンドやくるみなどのナッツ類: マグネシウムやビタミンEが豊富
- 豆乳や豆腐: イソフラボンを手軽に摂取できる
- ヨーグルト: カルシウム補給に役立つ
- ゆで卵やサラダチキン: たんぱく質が豊富で血糖値の安定にもつながる
コンビニで食事を選ぶ時は、菓子パンやスイーツよりも、たんぱく質やビタミン・ミネラルを含む食品を意識して選んでみてくださいね。
生理前のイライラを悪化させる可能性がある食べ物・飲み物もあります。
以下のものは、黄体期にはとくに摂りすぎに注意しましょう。
- カフェインを多く含む飲み物(コーヒー・紅茶・エナジードリンクなど): 神経を興奮させ、イライラや不眠を悪化させることがある
- アルコール: 気分の落ち込みやイライラを助長する可能性がある
- 砂糖を多く含むお菓子や清涼飲料水: 血糖値の急上昇・急降下を招き、気分の乱高下につながりやすい
- 塩分の多い食品: むくみを悪化させ、身体的な不快感が増す可能性がある
完全にやめる必要はありませんが、「生理前の1〜2週間だけ意識して減らす」だけでも違いを感じられるかもしれません。
適度な運動は気分転換になり、イライラを始めとしたPMS症状の緩和につながります。
- ストレッチ
- ヨガ
- ウォーキング
- ジョギング
- 水泳
「有酸素運動はPMSの予防や症状の軽減に役立つ」と、さまざまな研究で報告されています。
運動する気力がない時は、深呼吸を心がけるだけでも、気分がすっきりするでしょう。
「運動が良いのはわかるけれど、なかなか続かない」という人は、まず日常の動作を少しだけ変えるところから始めてみましょう。
- 通勤時にひと駅分歩く
- エレベーターの代わりに階段を使う
- 昼休みに10〜15分の散歩をする
- テレビを見ながら軽いスクワットやもも上げをする
- 寝る前に5分間のストレッチを取り入れる
運動は「毎日激しくやらなければいけない」わけではありません。
週に2〜3回、1回20〜30分程度の軽い有酸素運動を続けるだけでも、PMS症状の軽減が報告されています。
イライラが高まった時は、ストレッチや呼吸法で体の緊張をほぐすのも効果的です。
- 楽な姿勢で座るか横になる
- 鼻からゆっくり4秒かけて息を吸い、お腹をふくらませる
- 口からゆっくり8秒かけて息を吐き、お腹をへこませる
- これを5〜10回繰り返す
腹式呼吸は副交感神経を優位にして、気持ちを落ち着かせる効果が期待できます。
イライラしそうだなと感じた時に、その場で取り組めるのでおすすめです。
首や肩をゆっくり回すストレッチも、体のこわばりをほぐしてリラックスにつながります。
生理前は眠気が増したり、反対に寝つきが悪くなったりすることがあります。
睡眠の質はイライラと密接に関わっているため、黄体期はとくに睡眠環境を整えることが大切です。
寝つきが悪い時は、以下の工夫を試してみてくださいね。
- 就寝の1〜2時間前にぬるめのお湯(38〜40℃程度)で入浴する
- 寝る前のスマートフォンやパソコンの使用を控え、ブルーライトの刺激を減らす
- カフェインは午後3時以降は控える
- 寝室の温度・湿度を快適に保つ(室温は18〜22℃程度が目安)
- 先ほど紹介した腹式呼吸を布団のなかで行う
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023*」でも、規則正しい生活リズムと適切な睡眠環境が良質な睡眠に重要であると示されています。
睡眠不足が続くと、脳の感情を制御する機能が低下し、イライラしやすくなることがわかっています。
一方で、「休日にまとめて寝だめをする」のも、生活リズムの乱れにつながるため逆効果になることがあります。
平日と休日の起床時間の差はなるべく2時間以内に抑えて、毎日の睡眠リズムを一定に保つことを心がけましょう。
黄体期はホルモンの影響で眠気が強くなりやすいため、無理をしすぎず、いつもより少し早めに布団に入るのがおすすめです。
ストレスが溜まると、PMSやPMDDの症状が悪化しやすくなるといわれています。
生理前のイライラを軽減するためには、ストレスとの向き合い方を見直すことも大切です。
生理前のイライラがひどい時期に、いつもどおりの生活を完璧にこなそうとすると、かえってストレスが増してしまいます。
「生理前の1週間は70%の力でOK」と自分に許可を出してあげましょう。
すべてを完璧にやらなくても、大きな問題にはならないことがほとんどです。
「今はホルモンの影響でいつもよりつらい時期なんだ」と自分の状態を受け入れることが、イライラの悪循環を断ち切る第一歩になります。
イライラしやすい時期を乗り切るためには、あらかじめ「手抜きルール」を決めておくと気持ちが楽になります。
- 食事は無理に手作りしなくてよい(惣菜・宅配・冷凍食品をフル活用する)
- 洗濯物はたたまずに「とりあえずボックス」に入れる
- 掃除は目につくところだけにする
- パートナーや家族にあらかじめ「この時期はつらいから助けてほしい」と伝えておく
「手抜き」ではなく「省エネ運転」だと考えると、罪悪感も減るのではないでしょうか。
家族の協力が得られると、イライラの頻度もぐっと下がります。
PMSの軽減が期待できる栄養素を、サプリメントで取り入れるのもおすすめです。
- マグネシウム
- カルシウム
- 亜鉛
- ビタミンD
- ビタミンB6
- ビタミンE
ただし、サプリメントに頼るだけでなく、食事内容や生活習慣も見直してくださいね。
PMS向けのサプリメントに含まれることが多い成分と、その期待される作用を整理します。
- チェストベリー(チェストツリー): 黄体ホルモンのバランスを整えるとされ、複数の臨床研究でPMS症状の改善が報告されている
- マグネシウム: 神経の興奮を抑え、イライラやむくみの緩和に役立つ
- ビタミンB6: セロトニンの合成に関わり、気分の安定に寄与する
- カルシウム: PMSスコアの改善に効果があるとする研究が複数ある
- γ-リノレン酸(月見草オイル): ホルモンバランスの調整をサポートする
サプリメントの効果には個人差があるため、まずは1〜3か月を目安に試してみて、変化を観察するのがよいでしょう。
サプリメントを選ぶ際は、以下のポイントを意識してみてくださいね。
- 配合されている成分の種類と含有量が明記されている製品を選ぶ
- GMP(適正製造規範)認定工場で製造されているか確認する
- 口コミだけで判断せず、公式サイトの成分情報をチェックする
- 持病がある人や薬を服用中の人は、医師・薬剤師に相談してから始める
なお、サプリメントはあくまで「栄養補助食品」であり、薬のような即効性は期待しにくいです。
食事の見直しと併用しながら、長い目で続けることが大切です。
PMSに効く市販薬の服用によって、イライラの緩和が期待できますよ。
PMSに効果のある市販薬については、以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください。
ここからは、生理前のイライラに悩んでいる人におすすめの市販薬を紹介します。

プレフェミン
ゼリア新薬工業
プレフェミンは、市販で唯一購入できるPMS治療薬です。
プレフェミンに配合されているチェストベリーが、イライラや気分の落ち込みなどの精神症状、胸の張りや頭痛を緩和する効果をもちます。
乳がん・子宮がんなどの女性ホルモンが関わる病気の既往がある場合や、低用量ピルの服用中は使えない点に注意しましょう。

命の母ホワイト
小林製薬株式会社
命の母ホワイトには、11種類の生薬が配合されていて、ホルモンバランスや自律神経を整えて、イライラを鎮めてくれます。
腰や頭の痛み、めまいなどを改善する効果も期待できますよ。

加味逍遙散 かみしょうようさん ツムラ
ツムラ

加味逍遙散 かみしょうようさん クラシエ
クラシエ
加味逍遙散は、生理前のイライラや不安などの精神症状に悩んでいる人によく使われる漢方薬です。
自律神経を調整する効果が期待でき、日ごろから疲れやすい人に特におすすめします。

抑肝散加陳皮半夏 よくかんさんかちんぴはんげ ツムラ
ツムラ

抑肝散加陳皮半夏 よくかんさんかちんぴはんげ クラシエ
クラシエ
抑肝散加陳皮半夏は、ストレスが溜まってイライラする人におすすめの漢方薬です。
自律神経の安定させる作用や、胃腸の機能を調整する効果があるため、生理前のイライラにも使われます。
市販薬は手軽に入手できる一方、自己判断で使い続けることにはリスクもあります。以下の点に注意しましょう。
- 用法・用量を必ず守り、効果が感じられない場合は漫然と飲み続けない
- 持病がある人や他の薬を服用中の人は、薬剤師に相談してから購入する
- 妊娠中・授乳中の人は、使用できない市販薬がある
- 2〜3か月服用しても改善が見られない場合は、医療機関の受診を検討する
2025年2月時点では、PMS治療薬として日本国内で承認・販売されている要指導医薬品はプレフェミンのみです(ゼリア新薬工業公式サイト*より)。
症状に合った薬を見つけるためにも、迷ったら薬剤師に相談してみてくださいね。
*参考:ゼリア新薬工業公式サイト
サプリ・市販薬・漢方の使い分けの考え方
サプリメント・市販薬・漢方薬は、それぞれ特徴や向いている人が異なります。
迷った時は以下の目安を参考にしてみてくださいね。
- サプリメント: 症状は軽めだが、栄養面からケアしたい人に。即効性は低いが、長期的な体質改善を目指す場合に向いている
- 市販の漢方薬(加味逍遙散・抑肝散加陳皮半夏など): 体質に合えば精神症状・身体症状の両方にアプローチできる。自分の「証(体質タイプ)」がわからない場合は薬剤師に相談するのがおすすめ
- PMS治療薬(プレフェミン): PMS症状全般に対する効果が認められた要指導医薬品。購入には薬剤師からの説明が必要
いずれも「効果がない=我慢するしかない」ではありません。
セルフケアで改善しない場合は、医療機関で処方薬(低用量ピルや抗うつ薬など)を検討する選択肢もあります。
生理前のイライラは自分だけの問題ではなく、周囲の人との関係にも影響しやすいものです。
ここからは、パートナーや子ども、職場の人にイライラ期を上手に伝えるためのヒントを紹介しますね。
パートナーに生理前のつらさを伝える時は、「イライラしているのはあなたのせいではなく、ホルモンの影響なんだ」と具体的に説明するのが効果的です。
たとえば「生理前の1週間くらいはホルモンバランスが崩れてイライラしやすくなるの。八つ当たりしてしまったらごめんね。あなたに怒っているわけじゃないから」というように伝えると、相手も状況を理解しやすくなりますよ。
イライラ期のカレンダーを共有するのもおすすめです。
あらかじめ「この時期はつらいかも」と伝えておくだけで、パートナーの受け止め方が変わることがあります。
お子さんがいる場合は、年齢に合わせたわかりやすい表現で伝えましょう。
小さなお子さんには「ママは体の調子がちょっと悪くて、イライラしやすい日があるの。ママが怒りっぽくなっても、あなたのせいじゃないからね」と伝えるだけでも十分です。
思春期のお子さんであれば、「生理前はホルモンの関係で気持ちが不安定になりやすいんだよ」と少し具体的に説明してもよいでしょう。
お子さん自身も将来同じ悩みを抱える可能性があるため、オープンに話すことは大切な教育の機会にもなりますよ。
職場では、生理やPMSの話をしにくいと感じる人も多いです。
無理に詳しく話す必要はありませんが、業務に影響が出そうな場合は「体調不良」として伝えるのも一つの方法です。
信頼できる上司や同僚には「月に一度、体調が不安定になる時期がある」と伝えておくと、いざという時にフォローを頼みやすくなります。
最近では、PMSやPMDDに対する社会的な理解も広がりつつあるため、以前よりも伝えやすい環境が整ってきているといえるでしょう。
どうしても仕事がつらい日は、可能であればリモートワークやフレックスタイムを活用するのも選択肢の一つですよ。
どんなに気をつけていても、イライラして周囲に当たってしまうことはあります。
大切なのは、そのあとにフォローすることです。
気持ちが落ち着いたら「さっきはきつい言い方をしてごめんね。生理前で気持ちのコントロールが難しかったの」と素直に伝えましょう。謝罪と理由をセットにすることで、相手も「自分が悪かったわけではないんだ」と安心できます。
「イライラしてしまった自分が悪い」と自己嫌悪に陥るよりも、「フォローまでがセット」と考えると気持ちが楽になりますよ。
生理前のイライラがひどい時や、職場や家庭で支障をきたしている場合は、無理せずに医師に相談するのが望ましいです。
また。生活習慣を見直しても症状がよくならない場合も、受診をおすすめします。
ここからは、生理前のイライラで受診すべきクリニックの科や、治療法について詳しくみていきましょう。
生理前のイライラがひどくPMDDが疑われる時は、抗うつ薬の処方も検討されるため、心療内科で診療を受けることをおすすめします。
ただし、以下のポイントに当てはまるケースは、別の病気が隠れている可能性があるため、婦人科の受診がおすすめです。
- 月経周期が不安定である
- 生理痛がみられる
- イライラだけでなく、身体症状もある
PMDDの診断自体は婦人科でもできるため、生理にまつわる悩みがある場合は、まずは婦人科に相談するのもよいでしょう。
「病院に行こう」と思った時に、どの診療科を選べばよいか迷う人は少なくありません。
以下を参考にしてみてくださいね。
- 婦人科: 生理不順・生理痛などの身体症状もある場合や、低用量ピル・漢方薬での治療を希望する場合に適している。PMSやPMDDの診断も可能
- 心療内科・精神科: イライラや抑うつ・不安などの精神症状が強い場合に適している。抗うつ薬(SSRI)やカウンセリングの処方を受けられる
- 両方の受診: 身体症状と精神症状の両方がつらい場合は、婦人科と心療内科の両方にかかることも選択肢の一つ
まずは「自分がいちばんつらいと感じる症状」を基準に診療科を選び、必要に応じて他科への紹介を受けるのがスムーズですよ。
PMDDの主な治療法は、抗うつ薬や低用量ピルの服用です。
抗うつ薬は、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を用います。
低用量ピルは、女性ホルモンである卵胞ホルモンと黄体が配合されていて、ホルモン排卵を抑えて体内の女性ホルモン量をある程度一定に保てる薬です。
ホルモンバランスの急激な変化を抑えられるため、PMSやPMDDの改善が期待できます。
低用量ピルは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンを少量ずつ配合した薬で、排卵を抑えて体内のホルモン変動を穏やかにします。これにより、PMSやPMDDの症状改善が期待できます。
日本産科婦人科学会のガイドラインでも、低用量ピルはPMS・PMDDの治療選択肢の一つとして推奨されています。
ただし、血栓症のリスクや喫煙との関係など、服用前に確認すべき注意点もあります。
必ず医師の診察を受けたうえで処方してもらいましょう。
PMDDで精神症状がとくに強い場合は、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が処方されることがあります。
SSRIはセロトニンの働きを高める薬で、PMDDに対しては国際的にも第一選択薬として推奨されていますよ。
SSRIは継続的に服用する方法のほか、月経前の一定期間だけ服用する「間欠投与」という方法もあります。
副作用として、吐き気や眠気が出ることがあるため、医師と相談しながら自分に合った飲み方を見つけることが大切です。
医療機関で処方される漢方薬は、市販品と同じ成分でも保険適用で入手できるメリットがあります。
PMS・PMDDの治療でよく使われる漢方薬としては、加味逍遙散(かみしょうようさん)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などが代表的です。
漢方薬は「証(しょう)」と呼ばれる体質や症状のタイプに合わせて選ぶため、自己判断よりも医師や薬剤師に相談するのがおすすめですよ。
効果が出るまでに2週間〜1か月程度かかることが多いため、焦らずに続けてみてくださいね。
PMDDによるイライラや対人関係のトラブルが繰り返し起きている場合は、カウンセリングや認知行動療法(CBT)の活用も選択肢の一つです。
認知行動療法では、「イライラしてしまう自分はダメだ」といった考え方のパターンに気づき、より柔軟な捉え方に修正していく練習を行います。
薬物療法と併用することで、症状のコントロールがしやすくなるケースもありますよ。
カウンセリングは心療内科やメンタルクリニックで受けられるほか、オンラインで対応している施設も増えています。
PMSやPMDDの症状は、年齢やライフステージによって変化することがあります。
ここからは、年代別の特徴と、今後悪化させないためにできることを紹介しますね。
10代・20代は、ホルモン分泌のリズムがまだ安定しきっていないことが多い時期です。
そのため、生理周期が不規則だったり、PMSの症状が月によってバラついたりすることがあります。
この年代ではPMSの認知度が低く、「生理前のイライラは普通のこと」と思い込んで対策をしないケースも少なくありません。
若いうちから自分の体のリズムを記録しておくと、将来的に症状が悪化した時の判断材料になるため、ぜひ習慣にしてみてくださいね。
出産後に月経が再開すると、以前よりもPMS症状が強くなったと感じる人がいます。
これは、産後のホルモンバランスの変化や、育児による睡眠不足・ストレスが重なるためと考えられています。
育児中は自分の体調を後回しにしがちですが、イライラが強くなると子どもやパートナーとの関係にも影響します。
つらいと感じたら、パートナーや家族、地域の子育て支援サービスに頼ることをためらわないでくださいね。
30代後半以降は、卵巣機能が少しずつ低下し、ホルモン分泌のバランスが変わりやすくなります。
この時期は、PMSの症状に加えて更年期障害の初期症状(ホットフラッシュ・動悸・不眠など)が重なるケースもあります。
「以前よりもイライラがひどくなった」「今までになかった身体症状が出てきた」と感じる場合は、PMSだけでなく更年期の影響も考えられます。
婦人科でホルモン検査を受けると、自分の状態を客観的に把握できるのでおすすめです。
PMS・PMDDを長期的にコントロールするためには、日ごろから以下のような習慣を意識してみましょう。
- 生理周期と症状を継続的に記録する(アプリやノートで手軽に)
- バランスのよい食事・適度な運動・十分な睡眠を基本にする
- ストレスを溜め込みすぎない環境づくりを心がける
- 定期的に婦人科検診を受ける
- 症状が変化した時は早めに医療機関に相談する
PMSやPMDDは「仕方のないもの」として放置するのではなく、積極的にケアすることで生活の質を大きく改善できる可能性がありますよ。
生理前のイライラは、ホルモンバランスの変動によって引き起こされる生理的な反応であり、「性格が悪いから」「意思が弱いから」ではありません。
PMSとPMDDは重症度に違いがあり、セルフケアで対応できる範囲と、医療機関に相談すべきラインを知っておくことが大切です。
食事・運動・睡眠の見直し、サプリメントや市販薬の活用など、自分に合った方法を見つけてみてくださいね。
イライラで家族やパートナー、職場の人との関係に悩んでいる場合は、自分の状態を周囲に伝えることも大きな一歩になります。
症状がひどい場合は、我慢せずに婦人科や心療内科を受診しましょう。
年齢やライフステージに合わせたケアを続けることで、長期的に症状をコントロールし、仕事や育児、人間関係をより安定させることができます。
- 生理前のイライラがひどい時はPMSやPMDDの可能性がある
- PMSは生理前3日~10日の間続く精神・身体症状
- PMDDは精神症状が強く日常生活に支障をきたしている状態
- 生理前のイライラを抑えるには、食事の仕方や運動習慣の見直し、サプリメントや市販薬の服用が効果的
- 生理前のイライラがひどい場合は、心療内科・婦人科の受診を検討しよう
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。症状が気になる場合は、医師などの専門家にご相談ください。

