【医師監修】漢方薬ツムラとクラシエの違いは?メーカー別に効果や成分など解説

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この記事の監修医師

菊池 大和 医師

プロフィール
日本慢性期医療協会総合診療認定医、日本医師会認定健康スポーツ医、認知症サポート医、身体障害者福祉法指定医(呼吸器)。総合診療のかかりつけ医として地域を支えるため2017年、神奈川県綾瀬市に「きくち総合診療クリニック」を開院。

風邪を引いたり月経トラブルがあったりしたときに、漢方薬を利用したことはありませんか?

漢方薬の商品やメーカーがたくさんあり、どのような違いがあるのか気になる人もいるでしょう。

今回は漢方薬の「ツムラ」と「クラシエ」について、効果や成分の違いなどを詳しく解説します。

漢方薬メーカー「ツムラ・クラシエ・コタロー」の違いとは?

日本国内の漢方薬メーカーは、現在60社ほどあります。

そのうち大手のツムラ・クラシエ・コタローの3社の違いをみていきましょう。

ツムラの漢方

創業130年の株式会社ツムラが製造しています。

医療用の漢方市場において、国内シェア率は約83%ともっとも高い割合です。

厚生労働省が認可している医療用漢方製剤148処方のうち、129処方を製造しています。

クラシエの漢方

クラシエ株式会社が製造しています。

旧社名のカネボウ時代だった1966年に薬品事業を始めました。

医療用漢方製剤は約60処方を製造し、国内シェア率はツムラに次いで2番目に多く約10%ほどです。

一般用漢方製剤(OTC医薬品)の国内シェア率は、クラシエがもっとも高くなっています。

一般用漢方製剤には、カウンセリング販売をしている薬局・薬店専用の商品があります。

コタローの漢方

創業1929年の小太郎漢方製薬株式会社が製造しています。

コタローは、日本で初めて漢方エキス剤を商品化しました。

医療用漢方製剤は79処方を製造し、薬の形状には粉・錠剤のほかにカプセル剤もあります。

一般用漢方製剤には、カウンセリング販売をしている薬局・薬店専用の商品があります。

【漢方薬別】ツムラとクラシエの違い

ツムラとクラシエの漢方薬には、多くの違いがあります。

理由のひとつに、認可されている漢方薬の大半は「日本薬局方」や「一般用漢方製剤製造販売承認基準」で定められた製法で作っていることがあげられます。

「日本薬局方」や「一般用漢方製剤製造販売承認基準」は、厚生労働省が作成した医薬品の規格基準をまとめたものです。

漢方製剤の製法は、1つの漢方薬に対して複数あるため、メーカーがどの製法を使用しているかで差があります。

よく使われる医療用の漢方薬で内容を比較していきましょう。

葛根湯(かっこんとう)

葛根湯は風邪や肩こりで処方される漢方薬です。

使用される生薬使用量の違いは以下のとおりになります。

クラシエの葛根湯は、薬の形状によって生薬の使用量に違いがあります。

ツムラ葛根湯エキス顆粒クラシエ葛根湯エキス細粒クラシエ葛根湯エキス錠
日局カッコン4.0g8.0g4.0g
日局タイソウ3.0g4.0g3.0g
日局マオウ3.0g4.0g3.0g
日局カンゾウ2.0g2.0g2.0g
日局ケイヒ2.0g3.0g2.0g
日局シャクヤク2.0g3.0g2.0g
日局ショウキョウ2.0g1.0g1.0g

ツムラとクラシエの粉薬で、大きな差があるのは生薬のカッコンの使用量です。

生薬のカッコンには体を温めて熱を下げたり、肩こりをやわらげたりする効果があります。

乙字湯(おつじとう)

乙字湯は痔の治療で処方される漢方薬です。

使用される生薬量の違いは以下のとおりになります。

ツムラ乙字湯エキス顆粒クラシエ乙字湯エキス細粒
日局トウキ6.0g6.0g
日局サイコ5.0g5.0g
日局オウゴン3.0g3.0g
日局カンゾウ2.0g2.0g
日局ショウマ1.0g1.5g
日局ダイオウ0.5g1.0g

乙字湯では生薬のショウマとダイオウの使用量に少し差があります。

ショウマには炎症を抑える効果があり、ダイオウには便秘を改善する効果があります。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

当帰芍薬散は、月経トラブルや冷え性で処方される漢方薬です。

使用される生薬と成分量の違いは以下のとおりになります。

ツムラ当帰芍薬散エキス顆粒クラシエ当帰芍薬散エキス細粒
日局トウキ3.0g3.0g
日局センキュウ3.0g3.0g
日局シャクヤク4.0g6.0g
日局ブクリョウ4.0g4.0g
日局ソウジュツ4.0g
日局ビャクジュツ4.0g
日局タクシャ4.0g4.0g

当帰芍薬散では、使用されている生薬7種類のうち、ツムラとクラシエで1種類が異なります。

ツムラはソウジュツが使われ、クラシエはビャクジュツが使われています。

ソウジュツとビャクジュツの効果はどちらも、胃腸機能の改善と水分代謝の調整です。

クラシエとツムラの漢方はどっちが効く?

使用される生薬の種類や量に違いはあっても、同じ名前の医療用漢方薬であれば、メーカーによる効果の差はほとんどありません。

薬の形状がメーカーによって異なり、ツムラは粉の粒が大きい顆粒剤を作り、クラシエは粉の粒が小さい細粒剤と錠剤を作っています。

同じ名前の漢方薬でも、形状の違いによって味やにおいの感じ方が変わる可能性があります。

ドラッグストアで買える漢方薬の場合は?

ドラッグストアで買える一般用漢方薬と医療用漢方薬は、同じ名前であれば生薬成分も同じです。

一般用漢方薬は、服用する人が自分で選んで購入するため、安全性を考慮し、医療用漢方薬と比べて成分量が少なく作られています。

一般用漢方薬の成分量は、多くが医療用の1/2から3/4程度です。

クラシエの一般用漢方薬のなかには、満量処方の漢方薬があります。

満量処方とは、「日本薬局方」や「一般用漢方製剤製造販売承認基準」で定められた基準における最大の成分量で作られたものです。

満量処方の漢方薬は、パッケージに「満量処方」と記載されています。

最大成分量であるため効果はしっかり得られますが、体質に合わなかったときの副作用が強くあらわれる可能性があるため、購入前に薬剤師や登録販売者に相談しましょう。

ツムラとクラシエどっちがいい?自分に合った漢方薬の選び方

含まれている生薬や成分量のほかに、ツムラとクラシエで違いがある点を解説します。

自分に合った漢方薬を選ぶときの参考にしてください。

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漢方薬の種類

医療用漢方薬は、厚生労働省に認可されているものが148処方あります。

そのなかで、ツムラは129処方、クラシエは約60処方の漢方薬を製造しています。

医療機関へ行く場合は、医師から体質や症状にあったものを処方してもらえるため、漢方薬を希望するときは気軽に相談してみましょう。

一般用漢方薬の認可されているものは294処方あり、一部は医療用漢方薬と同じ処方です。

そのうちドラッグストアで購入できる一般用漢方薬では、ツムラ50処方以上、クラシエ70処方以上あります。

購入する際は、パッケージに記載されている選び方のポイントを十分確認しましょう。

服用方法

医療用漢方薬では、メーカーや製品によって服用回数が決められています。

ツムラの製品は、1日3回服用するのが原則となっています。

クラシエは、細粒に1日2回と1日3回の製品がありますが、錠剤は1日3回のみです。

生活スタイルによって、薬の服用回数は大きく左右されます。

服用できない時間帯がある場合は、漢方薬を処方してくれる医師に相談しましょう。

一般用漢方薬では、ツムラもクラシエも商品によって服用回数が異なります。

症状が改善するまでしっかり服用することが重要ですので、服用回数を守れる製品を選ぶようにしましょう。

薬の形状

医療用漢方薬の形状は、ツムラは顆粒のみ、クラシエには細粒と錠剤があります。

漢方薬は独特の味や風味を持つものが多く、飲みにくいと感じることもあります。

人によっては薬の形状に得意・不得意があるでしょう。

医療機関を受診する場合、薬の形状について気になることがあれば医師や薬剤師へ相談するとよいでしょう。

一般用漢方薬の形状は商品によって異なり、ツムラは顆粒・液剤・浸剤・錠剤・トローチがあり、クラシエには顆粒・錠剤・液剤があります。

漢方薬のツムラとクラシエの効果に大きな差はない!症状や好みにあった漢方薬を選ぼう

大手漢方薬メーカーのツムラとクラシエは、同じ名前の漢方薬であれば、効果にそれほど差はありません。

同じ名前の漢方薬でも、メーカーによって生薬成分や成分量が異なるのは「日本薬局方」や「一般用漢方製剤製造販売承認基準」で定められた製法が1つではないためです。

医療用漢方薬はツムラの方が種類が多く、一般用漢方薬はクラシエの方が種類が多くあります。

ツムラとクラシエのどちらも、一般用漢方薬の多くは安全性を考えて、医療用漢方薬よりも成分量が少なくなっています。

メーカーや商品によって薬の形状や服用回数が異なるため、自分が服用しやすいものを選ぶとよいでしょう。

この記事のまとめ
  • 漢方薬のツムラとクラシエは、同じ名前の漢方薬であれば、効果の差はほとんどない
  • 同じ名前の漢方薬でも、メーカーによって漢方薬の生薬成分や成分量が異なるのは、厚生労働省が認めた製法が1つではないため
  • 医療用漢方薬はツムラの方が種類が多く、一般用漢方薬はクラシエの方が種類が多い
  • メーカーにかかわらず、一般用漢方薬の多くは医療用漢方薬よりも成分量が少ない
  • メーカーや商品によって、薬の形状や服用回数が異なる

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