松葉 悠子 医師
プロフィール
勝どきウィメンズクリニック院長。金沢大学医学部医学科卒。日本産婦人科専門医。周産期センターでの勤務を中心に産婦人科診療に従事。2度の出産と介護も経験。分娩施設や近隣の病院と連携し、妊婦健診や婦人科のプライマリーケアを行う。
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生理が始まった日はわかりやすいけれど、終わりはどのタイミングをいうのでしょうか。
自分の生理周期をしっかり知るために、始まりの日と終わりの日を知りたいという人は数多くいます。
そこで今回は、生理終了日の基準や正しい月経周期の数え方。
生理終了直前に出やすい症状や、周期を安定させる方法など改めて覚えておきたい知識を交えて解説します。
体のバランスを整えることにも繋がりますので、ぜひ参考にお読みください。
生理の最終日に、明確な基準はありません。
「血が完全に出なくなった日」「茶色いおりものに変わった日」など、終了のタイミングを決めるのは個人判断になります。
妊活や周期を測るために、生理終了日を知っておきたいという人もいますが、周期に必要なのは「月経の始まりから次の月経開始まで」を把握することです。
始まりの日の方が、終わりの日よりは重要です。
「正常周期が25日~38日程」「月経の期間が3~7日間」を目安として、自分の周期を見ていきましょう。
生理前に、イライラや体の不調が起こる症状として「PMS(月経前症候群)」が有名です。
しかし、生理終了直前や終了後に起こる不調を感じる方も少なからずいます。
これは「生理後症候群」と呼ばれ、厳密な医学用語ではありませんが、精神面や体にさまざまな症状をもたらします。
主にどのような症状が出るのかを見ていきましょう。
生理終了直前や直後に出る茶色のおりものは、経血の残りが混ざっていることが原因です。
そのため「生理後症候群」としては特に心配な症状ではありません。
帝王切開をうけたことがある方にもしばしばみられやすいです。
「帝王切開瘢痕部症候群」とよばれる疾患の症状のひとつです。
ただし、茶色のおりものがいつまでも止まらない・キツイ臭いがする・茶色から黒や緑に変色してきたなどの症状が出る場合は、医師に相談しましょう。
こうした症状は子宮疾患などの可能性もあるため、原因を突き止めることが大切です。
多く見られる症状が鉄不足から起こる「貧血」です。
また、貧血の診断は出ないのに、体内の鉄分が不足する「隠れ貧血(潜在性鉄欠乏性貧血)」になる人も多くいます。
生理中に経血が多すぎる「過多月経」を起こしたり、生理終了直前や直後に、貧血のような症状が多く出たりする人は、貧血や潜在性鉄欠乏が無いかを詳しく検査してみましょう。
ご自身では「経血量は普通だ」と思っていても、2時間程度でナプキンを交換していたり、漏れてしまったりすることがある、などの状況であれば、平均的な方よりも多く、貧血をきたしている可能性があります。
必要に応じて鉄剤などを処方してもらえば改善していくことができます。
先に紹介した「潜在性鉄欠乏」をはじめ、ホルモンバランスが安定しづらい人は、疲労感などの体の症状・ニキビなど肌荒れの症状が出る場合があります。
こうした症状がたまに出る程度なら、様子を見ても大丈夫です。
しかし毎回の生理後に症状が出るのであれば、やはり血液面に異常が隠れている可能性があります。
貧血について詳しい検査を受けたことが無い人は、必ず一度は受けるようにしてください。
貧血や鉄欠乏は、身体ではなく精神面に症状が出るケースがあります。
酷くイライラする・集中力が低下する・神経過敏が起きるなど、明らかにいつもの自分と違うと感じたら、医師に相談しましょう。
毎月の生理の度に日常生活に、少なからず支障をきたす症状は「異常」です。
「皆こんなものなのかな」などと我慢はせずに、漢方やホルモン製剤などの治療をおこなうことにより、症状を緩和させることができる場合がありますよ。
生理が終わったと思っていたのに、鮮血もしくは血の混じったおりものが再度出て、驚いた経験がある人もいるのではないでしょうか。
これは主に「不正出血」によって引き起こされるものです。
不正出血は、一時的なホルモンバランスの崩れで起こるものが多いのですが、中には治療を要する場合があります。
不正出血を引き起こす原因を知り、いつもと違うと感じたら診察・検査を検討しましょう。
婦人科の超音波検査を受けたことがない方は特に、一度診察をうけてもいいかもしれません。
生理期間には黄体ホルモン・卵胞ホルモンが分泌されています。
こうしたホルモン分泌のバランスによって一部の子宮内膜が剥がれ落ちるケースがあり、不正出血に繋がることも。
これは「排卵期出血(排卵出血)」といい、前回の生理と次の生理の中間に起こることが多いものです。
排卵期の出血はあまり心配のないですが、毎月起こったり出血量が多い場合には一度検査を受けておきましょう。
デリケートゾーンや子宮に疾患がある場合にも、不正出血は起こります。
デリケートゾーンの場合は炎症・性感染症、子宮の場合はポリープ・子宮頸がん・卵巣異常や筋腫といった可能性があります。
不正出血の他に腹部の痛みや幹部のかゆみ、おりものに緑など異常な色が混じっている場合は、診察・検査を受けてください。
妊娠初期にも、不正出血が起こります。
性行為から約3週間前後に起こりやすいのが「着床時出血」。
着床時からしばらくして血腫(血のかたまり)ができるのが「絨毛膜下血腫」。
特に「絨毛膜下血腫」は流産のリスクが高まるので、早めの検査が必要です。
ご自身で妊娠に気づいていない場合もあります。
普段の生理と違うなと感じる出血を起こした時に、妊娠の心当たりがあるならばすぐに婦人科を受診しましょう。
不正出血の原因が、性行為による裂傷のケースもあります。
気付かぬうちに爪などで深く傷をつけてしまうなど、ケガに繋がることも多いのです。
多少の痛みだったとしても、傷口から菌が入ると悪化する可能性があります。
出血とともに痛みを感じたり、目に見える傷があったりしたら医師の診察を受けてください。
まず、生理不順(月経不順)とは以下のような状態を指します。
- 月経日の予測がつかない
- 正常な周期である25日~38日以外に月経が起こる
- 3か月以上月経がない
これらの原因は、ホルモン分泌量のバランス乱れやストレスなどさまざまです。
放置していると、不妊症や子宮体がんといったリスクがあるため、周期を安定させていくことが大切です。
まずはここで紹介する方法を試し、改善しない場合は専門医の診察を受けましょう。
基礎体温を測ると、体のリズムがわかります。
女性ホルモンのバランスは1ヶ月の間に変動するため、排卵や月経の予測に役立つのです。
また、基礎体温の異常によって病気を診断する手がかりになることも。
まず一周期(1ヶ月)測ってみて、自分の体のリズムを把握しましょう。
生理不順(月経不順)をはじめ、婦人科に関係ありそうな不調に気付いた場合は、基礎体温表を持って婦人科を受診してください。
生理不順(月経不順)を起こす原因で、若い女性に多いと言われているのが「過度なダイエット」です。
特に若い世代ほど、心と体の成長に欠かせない栄養素が欠けることによってすぐにホルモンバランスが乱れてしまいます。
ストイックながんばりやさんに起こりがちです。
体重を減らしたいと思っても、少しずつということを心がけましょう。
1日3食をしっかりと摂りバランスの良い食事を心がけてください。
体の基礎を整えることが、生理周期の安定に重要なポイントのひとつとなります。
日々のストレスも、生理周期を乱してしまう原因となります。
しかしまったくストレスがない生活を送るというのは、現代社会では難しいこと。
そこで、リラックス時間を設けたり適度な運動をしたりしてストレスを発散させることが大切です。
また、睡眠時間を確保することも重要なポイント。
体が充分に休まらなければ、ストレスは蓄積されてしまいます。
しっかりした睡眠とストレス解消を心がけて、体のバランスを整えましょう。
生理の終了日は明確な基準がなく、個人の感覚によって差が出ます。
しっかりした周期を知りたい人は、生理の終わりよりも始まりの日に注目して、安定しているかを確認しましょう。
また、生理周期を安定させるには、ホルモンバランスを整えることが大切です。
日々の生活習慣にも着目して、ストレスを溜めない規則正しい生活を送りましょう。
- 生理の終了日に明確な基準はなく、個人の体感になる
- 周期を知るのに必要なのは、生理終了日よりも生理開始日
- 生理終了日の後に不正出血が続く場合は病院で検査を
- 「生理後症候群」という症状があることを知っておこう
- 基礎体温測定や規則正しい生活習慣で、生理周期を安定させることが大切
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