生理の終わりかけになると、体調が回復してくる人は多いもの。
しかし、なかには生理が終わる頃に心身の不調を訴える人もいます。
もし生理後につらい思いをしているなら「生理後症候群」かもしれません。
今回は、生理後症候群について詳しく解説します。
生理による不調を引き起こす貧血の対処法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
生理後症候群とは、生理が終わる頃から終了後1週間程度の間に現れる、心身の不調をさします。
医学的な正式名称ではありませんが、多くの女性が経験するものです。
原因は明らかになっていませんが、月経周期にともなうホルモンバランスの変化や、鉄分不足が関わっているとされています。
生理後症候群の症状は、以下のとおりです。
- 茶色のおりもの
- だるさや疲労感
- 肌荒れ
- 頭痛
- 腹痛
- 気分の落ち込み・情緒不安定
- 立ちくらみ・めまい
茶色のおりものは、体内に残っていた経血が酸化したものと考えられるため、心配はいりません。
一方で、うつ症状や情緒不安定、だるさなどは日常生活でつらい思いをするため、できるだけ早く対処したいもの。
出血が続いた生理後は、鉄分不足による貧血になりやすいため、立ちくらみやめまい、強い倦怠感などを抱く人もいます。
生理後症候群とPMSでは、症状がみられる時期が異なります。
PMSは月経前3日〜10日前に起こる精神症状・身体症状で、生理開始とともに症状が軽快するのが特徴です。
精神症状が強い場合を、PMDD(月経前不快気分障害)と呼ぶことも。
生理前は問題なくとも生理後に不調をきたす人は、生理後症候群を疑いましょう。
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生理後症候群の確立された治療法はなく、対症療法がおこなわれます。
血液検査でヘモグロビンや鉄・フェリチン(貯蔵鉄)の数値を確認し、必要に応じて鉄剤や漢方薬の処方がおこなわれることも。
血中の鉄やフェリチンの値は、健康診断では確認しないことがほとんどです。
生理後の不調が続く場合は、精密な血液検査をしてもらうことをおすすめします。
生理後症候群の症状は、鉄欠乏性貧血や「潜在性鉄欠乏」によるものかもしれません。
潜在性鉄欠乏とは、血中ヘモグロビン値に異常がないものの、フェリチンが欠乏しているため、全身のだるさやうつ症状などが引き起こされた状態をさします。
女性は生理中に血液を多く排出するため、貧血や潜在性鉄欠乏になりやすいです。
特に、経血量が異常に多い「過多月経」では、貧血の症状がみられるケースが多くあります。
ここからは、生理後症候群の症状と、生理による貧血を引き起こす過多月経のセルフチェック項目をみていきましょう。
生理後症候群の症状についてのチェック項目は、以下のとおりです。
- 生理後に身体のだるさを感じる
- 倦怠感や無気力感を抱く
- 月経後にお腹が冷えて下痢をする
- ふらつきや息切れがみられる
- 寝る前に足がむずむずする
生理後のうつ症状やだるさ、ふらつきなどがある場合は、我慢せず医師に相談しましょう。
過多月経かどうかをチェックする項目は、以下のとおりです。
- 昼でも夜用ナプキンが手放せない
- 普通サイズのナプキンを使うと1時間もしないうちに漏れる
- 経血にレバー状の大きな塊が混ざっている
- 以前よりも経血量が増えた
以下の項目に1つでも当てはまる場合は、過多月経による貧血かもしれません。
- 血液中の鉄が少ないと言われた経験がある
- 立ちくらみやめまい、動悸がある
- 疲れやすい
- だるい
- 頭痛や頭が重い感じがある
生理についてほかの人と話す機会もほとんどないため、自身の経血量が多いことに自覚がない人も多いです。
貧血が進んで本格的に体調を崩す前に、婦人科の受診を検討してくださいね。
貧血を引き起こす過多月経の裏には、女性特有の病気が隠れている可能性があります。
- 子宮内膜症
- 子宮腺筋症
- 子宮筋腫
- 子宮内膜ポリープ
これらは、強い生理痛などの不快な症状によって日常生活に支障をきたす「月経困難症」の原因にもなるため、婦人科を受診して早めの治療を受けるべきです。
こうした病気だけでなく、女性ホルモン分泌の異常でも過多月経になるケースもあります。
生理後の心身の不調が気になる人には、鉄分不足による貧血や、潜在性鉄欠乏の可能性を考え、生活習慣を見直すことをおすすめします。
ここから紹介する対処法を取り入れてみてくださいね。
睡眠不足では鉄分の吸収が妨げられるため、日頃から十分な睡眠を確保しましょう。
ホルモンバランスや自律神経の乱れの原因となる、ストレスを溜めない工夫も大切です。
生活のリズムを整えて、身体をしっかり休めましょう。
貧血を改善・予防するために、鉄分不足を補うバランスのとれた食生活を心がけましょう。
鉄分を多く含む食材の例は、以下のとおりです。
- レバー
- うなぎ
- のり
- ごま
- 貝類
- 緑黄色野菜
- 煮干し
これらの食材だけでなく、鉄分の吸収率を上げるビタミンCやたんぱく質もしっかり摂取しましょう。
鉄分は肉や魚に含まれる「ヘム鉄」と、緑黄色野菜などに含まれる「非ヘム鉄」に分かれ、ヘム鉄のほうが吸収率はよいと言われています。
今まで鉄分を意識して摂取していなかった人は、まずヘム鉄を中心に摂取しましょう。
コーヒーや紅茶などに含まれる「タンニン」は鉄分の吸収を妨げるため、同時に摂取するのは控えてくださいね。
低用量ピルの服用で経血量が減り、貧血症状の悪化を防ぐ効果が期待できます。
低用量ピルとは、卵胞ホルモンと黄体ホルモンという2種類の女性ホルモンが配合された薬です。
子宮内膜の増殖を抑える効果により経血量が減少するため、過多月経や月経痛に悩んでいる人におすすめです。
低用量ピルは医師の処方が必要な薬のため、生理後の不調や過多月経に悩んでいる人は、婦人科を受診しましょう。
【低用量ピルの種類一覧】保険適用されるピルや副作用・服用方法も解説生理が終わってから約1週間後まで続く心身の不調は、生理後症候群かもしれません。
生理後症候群では、うつっぽい症状や倦怠感、ふらつきなどを感じることがあります。
生理後症候群による症状は、鉄欠乏性貧血や「潜在性鉄欠乏」が原因の可能性があります。
過多月経がある人は生理によって貧血になりやすいため、この記事でセルフチェックしたうえで、一度婦人科で相談してみてください。
生理による貧血を改善するには、規則正しい生活やバランスのよい食事を心がけましょう。
- 生理後の情緒不安定やだるさなどの不快な症状は、生理後症候群の可能性がある
- 生理の3日~10日前から不調を感じるPMSとは違い、生理後症候群では生理終了後1週間で症状が現れる
- 生理後症候群の裏には、貧血や潜在性鉄欠乏が隠れているかもしれない
- 生理後症候群や過多月経のセルフチェックをおこない、必要があれば婦人科を受診して
- 睡眠不足や不規則な食生活を改善し、規則正しい生活や食習慣を心がけよう
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