【医師監修】梅毒が流行っているのはなぜ?原因は?感染経路や予防する方法も解説

この記事の監修医師

須山 文緒 (すやま ふみお) 医師

プロフィール
京都大学医学部卒業、倉敷中央病院、国立成育医療研究センター、新百合ヶ丘総合病院の勤務を経て、2022年から杉山産婦人科新宿に勤務。
https://www.sugiyama.or.jp/doctor/shinjuku

梅毒が流行っているとテレビやインターネットで見て、不安を感じる人もいるでしょう。

今回は梅毒について以下のことをわかりやすく解説します。

  • 梅毒が流行っているのはなぜか
  • 梅毒が流行っている原因は何か
  • 梅毒を予防する方法はあるのか

そのほか梅毒の検査を受けられる場所も解説しますので、正しい梅毒の知識を身につけるようにしましょう。

梅毒が流行っているのはなぜ?

梅毒はここ10年で感染者数が急増し、コロナ禍で一時減少したものの、2022年から2023年にかけて患者数が1万人以上となり、流行の勢いが止まりません。

梅毒が流行っているのはなぜなのか理由をみていきましょう。

検査や治療を受ける人が少ない

梅毒は、症状が現れたり消えたりをくり返すことが特徴で、感染していることに気づかない人が多くいます。

梅毒の感染者が感染していることに気づかない間に性交渉を行い、相手に感染させてしまうことが、流行の原因の1つです。

梅毒は1970年代までは比較的多かったものの、再流行するまでは日本国内でめったに見ることがなかった病気であるため、梅毒の症状を熟知している医師が少ないことも感染拡大の原因に挙げられます。

梅毒は皮膚症状から神経症状までさまざまあり、医師も気づかず見逃されてしまうことがあり、適切な治療を受けられないこともあるのです。

不特定の人との性交渉経験がある

梅毒の感染は、性交渉や性的接触の機会があるほど高リスクです。

近年ではSNSなどを通じた出会いから、不特定の人と性交渉をする人が増えていることが流行の原因といわれています。

また国立感染症研究所が公表しているデータによると、感染者のうち直近6ヶ月以内に、男性の約4割が風俗の利用歴あり、女性の約4割が風俗の従事歴ありとなっています。

しかし、感染者のうち約2割は、直近6ヶ月以内のパートナーが1人だけである点にも注意が必要です。

梅毒とは?

梅毒の感染源は「梅毒トレポネーマ」という病原体です。

2012年頃までは1000人にも満たなかった梅毒感染者数が、2014年から急激に増え始め、2023年には約1万5千人と公表されています。

感染者の年齢層について、男性は20代~50代に多く、女性は20代が突出しています。

梅毒には、どのような特徴があるのか次から確認しましょう。

「偽装の達人」といわれる病気

梅毒は、症状が現れたり消えたりをくり返すやっかいな感染症で「偽装の達人」と呼ばれています。

よくみられる症状のしこりやバラ疹は、治療を行わなくても数週間で自然に消えてしまうのです。

梅毒の症状について、以前は時間の経過によって異なるとされていましたが、順番どおりに現れないケースも多くみられるようになり、医師も判断に迷うことがあります。

梅毒は、一度かかっても生涯にわたる免疫は得られないため、再び感染する可能性があることもやっかいな点の1つです。

治療しないと赤ちゃんにも影響を及ぼす病気

妊婦が梅毒に感染したとき、治療しないままだと約40%は胎盤を通じてお腹の赤ちゃんに感染します。

梅毒にかかったまま妊娠したり、妊娠中に梅毒に感染すると、流産・死産・早産の原因になるのです。

無事に生まれても、あとから難聴・視覚障害・知的障害などの先天性梅毒が判明することもあります。

大きな問題点は、治療を受けても約14%はお腹の赤ちゃんに感染してしまうことです。

赤ちゃんへの影響を避けるために、妊活中の人は妊娠する前に検査を受けておきましょう。

梅毒の感染経路は?

梅毒は、唾液・精液・おりものなどの体液が、皮膚や粘膜に直接触れることで感染します。

梅毒は感染力が強いため、オーラルセックス、アナルセックス、キスでも感染するのです。

感染が成立すると、性器まわり、口やのどの粘膜、肛門まわりなどに症状が現れます。

梅毒に感染したときの症状や経過は?

梅毒に感染すると、どのような症状が現れるのか確認しましょう。

時系列で現れやすい症状はありますが、なかには順番どおりに現れないケースもあるため注意が必要です。

感染後3週間程度

感染した場所のまわりに、しこり、リンパ節の腫れ、ただれが現れます。

しこりは、痛みをともなわないケースが多くみられます。

症状が現れやすい場所は、性器まわり、口やのどの粘膜です。

人によっては、足の付け根のリンパ節が腫れることもあります。

これらの症状は、1ヶ月ほどで症状が自然に消えてしまいますが、完治したわけではないため注意が必要です。

感染後数ヶ月

症状が自然に消えてしまい治療せずに過ごしていると、体に潜んでいる梅毒は全身に広がります。

感染後3ヶ月ほど経ったころから、手のひらや足の裏を含んだ体全体に赤い発疹(バラ疹)が現れます。

バラ疹は治療しなくてもしばらく経つと消えてしまいますが、梅毒は体内に残っているのです。

ほかにみられる症状には、発熱や倦怠感、脱毛、性器、肛門周辺にできる平べったいイボのような扁平コンジローマがあります。

感染後数年から数十年

感染してから治療を受けずに数年以上経つと、全身に広がった梅毒が臓器を侵すため、皮膚のみならず、脳・神経・心臓・血管などに重篤な障害を引き起こします。

具体的な症状は以下のとおりです。

  • 皮膚や筋肉にゴムのようなできもの(ゴム疹)
  • 麻痺や認知機能の低下
  • 大動脈瘤・大動脈破裂

症状しだいでは、命を落とすこともあります。

梅毒を予防するには?

梅毒は、性的接触により感染している人の体液に直接触れることで感染します。

予防するには、感染リスクを減らすことが重要です。

自分でできる感染予防について確認しましょう。

コンドームを使用する

性交渉のときは、体液に直接触れないようにコンドームを使うのが有効です。

経口避妊薬(ピル)を服用していても、性感染症予防のためにコンドームを使用しましょう。

しかし、梅毒は感染力が強く、コンドームに覆われていない部分から感染する可能性があります。

コンドームを使えば100%安心ということではないので注意しましょう。

不特定の人との性交渉を避ける

梅毒は、性的接触があるほど感染リスクが高くなります。

梅毒は自覚症状のない期間があるため、知らずしらずのうちに相手に感染させていることもあるのです。

不特定多数の人との性的接触は避けるようにしましょう。

梅毒が気になるときは何科に行けばいい?

梅毒に感染しているかどうかは血液検査で判明します。

心配のある性交渉や性的接触からすぐの検査は、受けても陰性と判断されることがあるため、1ヶ月ほど経過してから受診するとよいです。

梅毒の検査は、泌尿器科、婦人科、皮膚科、感染症科などの医療機関で受けられます。

感染が判明したときは、抗菌薬を適切に服用することで治療可能です。

医療機関のほかに、保健所でも梅毒の検査を受けられます。

保健所では、梅毒以外の性感染症やHIV感染症の検査も受け付けています。

地域によっては、検査を匿名・無料で受けられるため、いきなり医療機関を受診するのに抵抗がある人は相談するとよいでしょう。

梅毒の流行は一人ひとりの予防意識で変わる!感染の心当たりがあれば積極的に検査を!

梅毒は、梅毒トレポネーマという病原体による感染症です。

症状が消えている間に性的接触をすることや、不特定の人との性交渉などが原因となって、近年大流行しています。

梅毒のやっかいな特徴は、治療を行わなくても完治したように見えることと、妊婦が感染するとお腹の赤ちゃんに感染して影響が出ることです。

梅毒は、感染者の唾液・精液・おりものなどの体液が、性的接触により直接皮膚や粘膜に触れることでうつります。

感染予防するには、性交渉のときにコンドームを使用すること、不特定の人との性的接触を避けることが有効です。

梅毒の感染は血液検査で判明します。

検査は、泌尿器科・婦人科・感染症科などの医療機関や保健所で受けられます。

この記事のまとめ
  • 梅毒は、梅毒トレポネーマという病原体による感染症
  • 梅毒流行の原因には、無症状期間の性交渉や不特定の人との性的接触などがある
  • 梅毒は、感染者の体液に直接触れることで感染する
  • 感染予防は、コンドームの使用や不特定の人との性的接触を避けることが有効
  • 梅毒の検査は、泌尿器科・婦人科・感染症科などの医療機関や保健所で受けられる

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