「生理痛に波がある気がするのはなぜ?」「生理痛の強さが月によって違うのがつらい」と悩んでいる人は多いです。
生理痛が重い時の過ごし方がわからず、痛みを我慢してしまう人もいるでしょう。
今回は「生理痛に波があるのはなぜ?」という疑問を解消するとともに、強い痛みを感じた時にできる対処法を紹介します。
病院を受診するべき目安も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
生理痛が月によって違う場合、その月の生活習慣が影響している可能性が高いです。
ここからは「生理痛に波があるのはなぜ?」という疑問に答えるとともに、日常生活で見直すべきことを紹介します。
生理痛が月によって違う場合は、体内のホルモンバランスが変化し、いつもより子宮内膜が厚くなっているのかもしれません。
月経周期は、女性ホルモン分泌の変化に影響を受けます。
前の生理が終わると、卵胞が成長し始めるとともに子宮内膜は厚みを増していき、排卵後に受精卵が着床しやすくなるように準備します。
妊娠が成立しなかった時に、不要な子宮内膜は血液とともに、月経血として子宮の外に排出されるのが生理の仕組みです。
この際、子宮を収縮させて、不要な子宮内膜を排出させるために「プロスタグランジン」という物質が分泌されます。
ホルモンバランスが変化して、いつも以上に子宮内膜が厚みを増すと、痛みの原因となるプロスタグランジンの分泌量が増加して子宮が過剰に収縮するため、月経痛が悪化するのです。
女性の身体はとてもデリケートで、少しの食生活の乱れやストレスでホルモンバランスが変わってしまうもの。
生理痛に月によって波があるのは、よくあることだとわかるでしょう。
ストレスが溜まると、血行や体温調節に関わる自律神経が乱れてしまい、生理痛がいつもよりも強くなることがあります。
ストレスによる血行不良が原因で、骨盤内がうっ血し、痛みが強まってしまうのです。
「生理痛が億劫だ、つらい思いをするのが嫌だ」という悩み自体がストレスになり、生理痛が悪化することも。
生理痛の強さに波がある場合は、日常生活を振り返ってストレスの原因を取り除くことが大切です。
身体が冷えると全身の血液循環が悪化し、プロスタグランジンが骨盤内に停滞するため、生理痛がほかの月よりも強くなるでしょう。
生理中は、ほかの期間よりも体温が下がりやすい時期です。
生理痛がいつもよりも強いと感じた月は、冷たい飲み物やエアコンなどで下腹部や腰を冷やしていなかったかチェックしましょう。
日常生活に支障が出るほど生理痛が重い時は「月経困難症」という病気を疑いましょう。
月経困難症とは、生理の直前や開始とともに、下腹部痛や腰痛、吐き気、嘔吐などのさまざまな症状が現れる状態のことです。
「生理痛はあるのが当たり前だから我慢するもの」と考える人が多いですが、学業や仕事に集中できないほどつらい思いをしているなら、婦人科を受診してください。
月経困難症は「機能性月経困難症」と「器質性月経困難症」の2つに分けられます。
機能性月経困難症は、子宮や卵巣などの臓器に原因となる病気がないにもかかわらず、生理痛などの症状が現れる状態です。
プロスタグランジンが、子宮を過剰に収縮させていることで起こります。
思春期に多くみられるほか、ストレスなどが原因となることも。
つらい症状の原因となる病気が骨盤内の臓器や組織にある場合を、器質性月経困難症と呼びます。
20代〜40代に多くみられ、生理の4日〜5日前から月経後まで痛みが続くため、長期間つらい思いをする人が多いです。
ここからは、器質性月経困難症の原因となる婦人科系の病気を紹介します。
子宮内膜症は、骨盤内や卵巣などの子宮以外の場所に、子宮内膜組織が増殖してしまう病気です。
月経が訪れると、増えた組織が通常の子宮内膜と同じく出血を起こします。
しかし、血を体外に排出できないため、子宮以外の場所に留まってしまうのです。
卵巣などに留まった血液が周囲の組織との癒着や炎症を起こし、強い痛みを生じさせます。
生理の時は、子宮内膜症がある部位からもプロスタグランジンが分泌されるため、生理痛がひどくなるでしょう。
組織との癒着や炎症によって、生理中以外にも下腹部痛や性交痛、腰痛などが現れることもあります。
子宮筋腫は、子宮筋層にできる良性の腫瘍で、経血量の増加や生理痛が主な症状です。
発生する部位によって症状の程度は異なり、子宮の内側にある筋腫は小さくても症状が強くなります。
子宮筋腫が大きくなると周囲の臓器を圧迫するため、頻尿や便秘、腰痛などの症状がみられるでしょう。
子宮腺筋症とは、本来子宮の内側だけにできる子宮内膜のような組織が、子宮の壁となる筋層内にできてしまう病気です。
強い生理痛や経血量の増加だけでなく、生理の直前から骨盤痛が断続的に起こります。
子宮腺筋症をもつ人は、子宮内膜症や子宮筋腫を合併していることもあるため、注意が必要です。
毎月の生理の度に痛みがあると、心まで落ち込んでしまいますよね。
生理痛がいつもよりも強い時や、痛みに波がある時の対処法がわかっていれば、心に余裕をもって対応できるはずです。
ここで紹介する方法を実践してみてくださいね。
生理痛はストレスによっても悪化するため、生理期間はいつも以上に十分な休息と心身を労わる生活を意識するのが大切です。
好きなアロマを取り入れたり、趣味に没頭したりすることで、心身をリフレッシュさせましょう。
生理中は血行をよくするために、身体を締めつけない、ゆったりとした服装を選ぶのをおすすめします。
睡眠不足がホルモンバランスや自律神経のバランスを乱す可能性もあるため、質のよい睡眠を心がけることも大切です。
血行をよくするために、身体を温めることも効果的です。
無理がない範囲内でストレッチなどの軽い運動をおこなうと、全身の血流が改善されますよ。
生理中は、下腹部や腰まわりを中心に冷やさないように、いつも以上に注意しましょう。
ゆっくりお風呂に浸かったり、ハーブティーなどの温かい飲み物をとったりすることもおすすめです。
生理痛がひどい時は、無理せず鎮痛剤を服用しましょう。
プロスタグランジンの生成を抑える成分が含まれる、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)がおすすめです。
痛みが出始めたらすぐに鎮痛剤を服用すると、プロスタグランジンの生成を早めに抑制できますよ。
「生理痛の度に鎮痛薬を服用すると、効かなくなってしまうのではないか」と不安に思うかもしれませんが、用法用量を守っていれば問題ありません。
生理痛がいつもより強くてつらい時は、我慢せずに鎮痛薬を服用してくださいね。
生理痛が強い時は、姿勢を工夫することで痛みが和らぐ場合があります。
椅子に浅く座り、骨盤を立てる姿勢をとると、下腹部への負担が減るためおすすめです。
生理期間はなるべく横になる機会を増やして、身体を休める時間をしっかりとりましょう。
この時は、自分が楽に過ごせる姿勢を選んでくださいね。
生理痛を和らげる寝方については、以下の記事で詳しく解説しています。
生理痛を和らげる寝方はある?寝るときにおすすめの体勢や姿勢を紹介生理痛を自分で対処する人はとても多いですが、セルフケアでも生理痛が楽にならない場合は、婦人科を受診するべきです。
- 生理痛が強く、学業や仕事に支障が出ている
- 経血量が増加している
- 生理後も痛みが続く
- 生理の度に痛みやそのほかの症状が悪化する
- 生理期間以外にも出血がみられる
これらのポイントに当てはまる時は、病気が隠れている可能性を疑いましょう。
婦人科では、低用量ピルや鎮痛薬、漢方薬で生理痛の緩和を目指します。
以下の記事で、生理痛の重さをセルフチェックし、受診につなげてください。
【医師監修】生理痛の重さレベル!診断痛みの原因や病院に行く目安もチェック女性の身体はデリケートで、ちょっとしたことでホルモンバランスが変化するため、生理痛の痛みが月によって変わることがあります。
身体を冷やし血行不良を招く生活習慣や過度なストレスも、生理痛に波がある原因に。
いつもより生理痛が強い時は、その月の生活を見直しましょう。
また、日常生活に支障をきたすほどの生理痛は、月経困難症かもしれません。
紹介した対処法でも生理痛が治まらなかったり、生理の度に症状が悪化していたりする場合は、病気が見つかる可能性もあるため、婦人科を受診してくださいね。
- 女性ホルモン分泌の変化やストレス、冷えによる血行不良が生理痛に波がある原因
- 日常生活に支障が出るほどの症状は月経困難症かも
- 月経困難症の裏には病気が隠れていることもあるため、婦人科で検査・治療を受けよう
- 生理中はゆっくり休み、身体を温めるなど、自分を労わる時間を大切に
- 痛みが出始めたら我慢せず鎮痛薬を服用しよう
OiTr adsへ広告出稿をご検討いただける企業様は、お気軽に下記窓口へお問い合わせください。
- MAIL:sp@oitr.co.jp
- TEL:03-6778-4254 (平日10時~17時)
- お問い合わせフォームはこちら
上記バナーよりアプリインストールと簡単なユーザー登録で、個室トイレに設置されているOiTr(オイテル)がすぐに無料でお使いいただけます。オイテルの設置場所はこちら