ピルは生理痛・生理不順に効果がある?正しい飲み方やいつから効くのかなど解説

生理痛や生理不順がつらいと、毎月訪れる生理がうっとうしく感じてしまいますよね。

ピルで生理の悩みが解消するなら、試してみたいと思いませんか。

今回は、ピルによって生理痛や生理不順が改善するメカニズムや正しい飲み方、効果を実感できる時期について解説します。

生理痛や生理不順の治療目的でピルの服用を検討しているなら、ぜひ参考にしてみてください。

ピルの効果と生理痛や生理不順を改善する理由

ピル(経口避妊薬)とは、女性ホルモンである卵胞ホルモンと黄体ホルモンが配合されている薬です。

ピルと聞くとアフターピル(緊急避妊薬)の印象が強いですが、含有されたホルモン量が少なく副作用のリスクが抑えられた低用量ピルは生理のトラブルによく処方されます。

では、ピルはなぜ生理痛や生理不順を改善するのでしょうか。

ここからは、ピルの生理のトラブルに効果的な理由をみていきましょう。

排卵を抑えることで子宮内膜が薄くなるから

ピルの服用で生理痛が和らぐのは、排卵を抑えることで子宮内膜が薄くなるためです。

子宮では、排卵までの間に卵胞ホルモンが子宮内膜を増殖させ、排卵後は黄体ホルモンが妊娠に備えて子宮内膜を維持します。

そして、受精卵の着床がなければ、子宮内膜からプロスタグランジンという物質が分泌され、子宮を収縮させ子宮内膜を剥がし、経血として体外に排出するのです。

子宮内膜に厚みがあると、プロスタグランジンの分泌量が増えて子宮が強く収縮するため、生理痛が起こりやすくなります。

ピルによって排卵が止まり子宮内膜を薄く保つことができれば、生理痛が楽になりますよ。

ホルモンバランスを一定に保つから

ピルは体内のホルモンバランスを保ち、生理不順を改善します。

生理周期は25〜38日の間に収まれば正常ですが、時にはホルモンバランスの乱れによって正常な周期から外れることも。

生理不順は3つに分類され、生理周期が39日と長い時を稀発月経、24日以内と短い時を頻発月経、妊娠以外で3ヶ月以上生理が来ない状態を無月経(続発姓無月経)と呼びます。

ピルの服用中はホルモンバランスが保たれ、休薬期間に生理に代わる消退出血が規則的にみられます。

出血があるタイミングがわかるのは嬉しいですね。

生理に効果のあるピルの飲み方

月経痛や月経不順への効果を実感するためには、毎日決まった時間にピルを1錠ずつ服用することが大切です。

24時間以内に飲み忘れに気づいた場合はすぐに1錠飲み、その日の分も通常通りに服用してください。

2日以上飲み忘れた場合は、一度服用を中止して次の生理から新しいシートで再開します。

飲み忘れが続くと効果が得られないため、毎日の服用を習慣づけましょう。

ここからは、ピルを飲み始めるタイミングとピルの休薬期間について解説します。

生理初日から飲み始める

1つ目は、生理初日から飲み始める方法です。

ただし、生理不順や不正出血があり、生理による出血かどうかを判別できない場合は、生理5日目までに飲み始めれば問題ありません。

出血をしっかり確認できたタイミングで、ピルを飲み始めましょう。

生理が始まった週の日曜日から飲み始める

2つ目は、生理日から数えて最初の日曜日から飲み始める方法です。

月〜土曜日に生理が来た場合は次の日曜日に、日曜日に生理が始まった場合はその日から飲み始めます。

日曜日に飲み始めることで消退出血が週末に来なくなるため、週末を快適に過ごせるのがメリットです。

休薬期間が必要なピルもある

ほとんどのピルは21錠シートのものと28錠シートのものに分かれます。

21錠シートであれば、21日間飲んだら7日間忘れずに休薬しましょう。

休薬期間を挟むと服用再開を忘れる可能性がある場合は、28錠シートのピルを処方してもらってください。

28錠シートでは、休薬期間を挟まず毎日服用しましょう。

最後の7日間は、女性ホルモンが含まれていない偽薬を飲むことで休薬期間と同じ体内の状態になるため、この期間に消退出血があります。

ピルの生理痛・生理不順への効果はいつから?

ピルを飲み始めてから次の消退出血までの期間で、生理周期の安定や生理痛の緩和を実感できるでしょう。

生理初日から飲み始めた場合、すぐに生理痛が和らいだと感じることも。

ピルの避妊効果は生理初日スタートであれば開始初日から、日曜日スタートであれば7日後から効果がありますが、生理への効果はもう少し時間がかかります。

生理痛や生理不順の症状がすぐに緩和されなくても、中断せずに飲み続けましょう。

もし、3シート以上飲んでも症状が改善されない場合は、薬が体に合っていない可能性があるため、医師に相談してくださいね。

ピルに関するQ&A

ピルを服用したいと考える時、副作用や費用面が気になりますよね。

また、ピルの飲み始めは体調が安定せず、服用をためらうことも。

安心してピルを服用するために、よくある疑問を解消しておきましょう。

ピルを飲んでるのに生理が来たのはなぜ?

「ピルは生理を止める薬」だと思われやすいですが、ピルの服用中は生理に代わる消退出血が起こります。

消退出血とは、ピルに含まれる卵胞ホルモンの作用でできた薄い子宮内膜が休薬期間に剥がれ落ちる現象です。

ピル服用中の消退出血は、通常の生理よりも出血量が少なく、出血がある期間も短縮されるため、使用するナプキン量が減らせるでしょう。

また、剥がれ落ちる子宮内膜の量が少ないため、プロスタグランジンの分泌量が減り、生理痛も楽になりますよ。

もし、ピルの休薬期間に消退出血が来ない場合は、念のため妊娠検査薬で妊娠の可能性を確認しましょう。

妊娠の可能性が否定できれば、出血がなくても次のシートを服用してもかまいません。

ピルの副作用は?

ピルの副作用で最も頻度が高いのは、不正出血です。

特にピルの飲み始めは体内のホルモンバランスが安定せず、出血が続いてしまうことがあります。

ほかにも、ピルの飲み始めは吐き気や頭痛、乳房の痛みを感じることも。

これらは服用初期にみられる副作用で、症状は徐々に落ち着いていきます。

ピルを中断せずに飲み続けましょう。

ただし、副作用に長く悩まされる場合は、薬が合っていない可能性があるため、婦人科を受診し医師に相談してください。

また、ピルの服用で血栓症のリスクが上がるといわれています。

突然の手足のしびれや息切れ、ふくらはぎのむくみ、血圧の上昇がみられたら、すぐに救急外来を受診してください。

ピルは保険適用される?

月経移動や避妊効果を期待してピルを服用する場合は、自費で処方されます。

一方で、生理不順や月経困難症、子宮内膜症の治療目的であれば保険適用です。

月経困難症とは、生理痛が強く日常生活に支障をきたす状態で、生理痛に鎮痛剤をよく使う場合もあてはまります。

また子宮内膜症とは、子宮以外の場所に子宮内膜またはそれに似た組織が増殖する病気で、月経困難症の原因の1つです。

生理痛や生理不順の裏には、これらの病気が隠れているかもしれません。

婦人科で原因を探り、自分に合うピルを処方してもらいましょう。

生理中にピルを飲むと生理が止まる?

生理中にピルを飲んでも、出血が止まることはありません。

しかし、今までの生理よりも経血量は少なくなるでしょう。

また、生理が乱れている人は、生理の開始日があいまいになりがち。

生理5日目までにピルを飲み始めればよいので、出血をしっかり確認できてからピルを服用し始めましょう。

ピルは生理痛・生理不順に効果的!継続的な服用で生理のトラブルを減らして快適に過ごそう

ピルは女性ホルモンが配合されている薬で、生理痛や生理不順を改善します。

ただし、飲み忘れがあると十分な効果が得られないため、毎日同じ時間に服用する習慣を身につけましょう。

ピルを継続して服用することで、次の生理で症状の改善がみられます。

ピルの副作用としてよくみられる不正出血は、飲み始めに多くみられる副作用で、継続して服用すれば改善するでしょう。

生理痛が強い場合は子宮内膜症や月経困難症の可能性があります。

もし生理のトラブルを抱えている場合は、婦人科を受診して自分に合うピルを処方してもらってくださいね。

この記事のまとめ
  • ピルは排卵を止め子宮内膜を薄くしたり、ホルモンバランスを整えたりすることで生理のトラブルを解消する
  • 毎日同じ時間にピルを服用することで、飲み始めた日の次の生理から症状が改善することが多い
  • 不正出血はピルの飲み始めにみられる副作用で、継続的な服用で治まる
  • ピルを飲んでも生理のトラブルが改善しない、副作用が長く続く、血栓症の症状がみられる場合は病院に受診しよう

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